2008年7月15日火曜日

7/15 英国ロイヤルバレエ『眠れる森の美女』

 
2008年7月14日(月) 18時30分開演 東京文化会館
英国ロイヤル・バレエ団 2008年日本公演 
『眠れる森の美女』

【キャスト】
国王フロレスタン24世:  クリストファー・サウンダース
お妃:            エリザベス・マクゴリアン
オーロラ姫:         ロベルタ・マルケス
フロリムント王子:      ヨハン・コボー
式典長/カタラビュット:  アラステア・マリオット
カラボス:          ジェネシア・ロサート
リラの精:          ローレン・カスバートソン

協力: 東京バレエ学校
指揮: ワレリー・オブシャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


私は今回のロイヤルバレエ団は初見でした。大好きになりました。多分東京サイズです。文化会館の大きさにマッチしていました。この感じは新国立バレエ団と近しい気分にさせられます。海外招聘企画ではグルジア以外、文化会館の狭さにダンサーが勿体無く思う事が多いように感じておりましたが、今日英国ロイヤルバレエの公演はアンマッチの度合いが極めて低く、ホームかな・・なんて思える位に・・♪ パンフレットに記載されていましたが(未だ全て完読していないので・・)、モニカ・メイスンは1946年版『眠れる森の美女』の再現目標を掲げ、オリヴァー・メッセル・コレクション保管のプロセニアム・アーチ、舞台衣装、装置に至るまで詳細に精密に再現した様です。事実ロイヤル・オペラ・ハウスの舞台では、再現スケールより大きくする事も可能であるが、他公演でも問題に為らない様、考察されている。 特に建築的見地からのスケールは完璧に表現されているようです。 文化会館でも決してアンマッチを感じさせないセットは見事でしたし、ぎりぎりのライティングは、この上ない美しさです。
私的には、衣装の色彩の素晴らしさを挙げたいと思います。萌黄など、日本語で表現したい趣のある中間色は日本人にとっても目にとっても優しい、また懐かしささえ覚える色使い。 透明度、彩度、暗度での見方をすると、全ては彩度だけで表現されるプロローグと1幕、暗度と透明度を基調とした2幕、結婚式に相応しいあらゆる白が登場する3幕など一貫性の妙技です。 多分美術担当ではありませんね。美術家でしょう。モニカ・メイスンにもとても感謝したい舞台でした。

 って前置きがいつものごとく長くなりましたが、ロベルタ・マルケスのオーロラはなんとも16歳の姫として可愛いの一言でした。ヨハン・コボーの王子は余りにも目立たない地味な感じを受けましたが、3幕結婚のパ・ド・ドゥから王子のヴァリエーションはとっても切れがあって、一時だけブラボー。フロリナ王女のラウラ・モレーラと青い鳥のジョゼ・マルティンが兎に角素敵でした。白い猫の髪型が少し昔風で、よき時代感を演出しています。リラの精・ローレン・カスバートソンは、まるで台詞が在るかのように表現豊か。
舞台装置とか、ワレリー・オブシャニコフのオケの鳴らし方とかがとても素敵で、また新国立の様には揃っては、ぜんぜんいませんが、何となく嫌いじゃありません。 不ぞろいに一種愛らしさを感じてしまうのは、このカンパニーの歴史の様に感じました。今日はたまたま文化会館の1F後列で初めて観ました。ロイヤルを観るときは、最後列で全体を観る・・これに限ります・・って今頃ですが、少しだけ見方に変化を感じた舞台となりました。

今日はとっても満足しています。『シルビア』が後悔されます。こんな素敵な舞台を逃すなんて・・・

 

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