2009年12月27日日曜日

12/27 2009年のお礼

2009年の公演がすべて終了しましたね
わたしは、お正月の準備にかかるために少しの間バレエからは離れることとなります
サマリーだけはこちらに纏めております http://courier0006.blogspot.com/


まずは、舞台を支えくれた、各舞台ごとのスタッフさん、新国立劇場、招聘してくれているJAさん、NBSさんなどなどに感謝
ダンサーの素晴らしさは都度書いているつもりでおりますが、なにせ稚拙な言葉では、十分で無いことは確かですね。ダンサーの方から感動を頂く度、また好きな公演演目、満足いくオーケストラに出会えた時、書く文字には特に責任を感じております。 出来るだけ感じたままを書く為に、その日のうちにUPする様に心がけております。 もちろん理由があります。ファーストでのインプレッションを大事にしたい為です。わたしにとって一番大切な感覚です。色、光、配置、音、リズム ・・それを具現化する 容姿、表現、オーラはほぼ最初が好き?嫌い?で殆どが決まってしまうと感じます。 こんな事言っていること自体が稚拙とも思われますが、今の自分では、そうなのですからしょうがありません ^^; 。

大好きになってきたのは、音との相乗効果を作れる人。
前提は、誤魔化さない人。個性がある人。
もちろん容姿が美しい人。

2010年は、新国立劇場バレエ『白鳥の湖』(これも牧先生の振付だった)からの始まりです
またニーナの舞台が多分2010年の私にとっての一番の楽しみです
でも、ロイヤルのマクミラン版『ロミオとジュリエット』を初で観ることができるかもしれません

わたしは良い1年を過ごすことができました
それでは、このBLOGをお読みの方も良いお年をお迎え下さい

2009年12月26日土曜日

12/26 新作『くるみ割り人形』 3回目




本日は2009年最後のバレエ公演でした。
あっと言う間にクリスマスは飛び去りました。 気付いていない。

本日で、新作『くるみ割り人形』は都合3回鑑賞しております。 この季節・クリスマスの演目としては日本という場所では、きっと無くてはならない演目でしょうし、少なくともどこかのバレエ団で公演を打っている筈。 別に牧先生の新作『くるみ割り人形』に固執する必要も無く、好きな版を観る事ができれば、きっと幸せな気分で、チケットを有効活用できる筈。日本のバレエ団はわたし、新国立劇場バレエ団しかしりませんし、今のところは変更するつもりもございません。 ってやはり数年1つに絞って観ているので贔屓も出てきたり、成長も見えたり、意外性があったりでとても、趣味としては充実しております。やっと・・やっと終了してダンサーのみなさまもゆっくりお正月に向けて休んで欲しいものですね♪ 

  この公演を終わって判ったことがいくつかあります。それは後述するとして、小野絢子さんの成長が凄いです。もともと舞台での感情表現・細かい表情がウィークポイントと思っておりました。随分前2007年のくるみ割り人形・【パ・ド・トロワ】小野・井倉・八幡に観た時から、役がつくごとに成長しておられます。それは誤魔化しの無いパを美しく楽曲に遅れることなく踊れる資質です。今日は全然違う、新しい一面を発見(って前から持ってるのでしょうが、私的に発見とします)。 
  もちろんベースは変わっていないのですが、プラスアルファの 「感情表現がとても繊細で私たちに伝わる」 ものになっておりました。小野さんが・・舞台を、まずは1幕・・を完全の包んでいたように感じます。 さいとうさんはキラキラしたという表現がぴったりくる人。小野さんは楽しさ、ポジティブ、元気さを強いエネルギーをもって、展開されておられました。 でも表情がともて愛らしいし、少女の役にはぴったりで、ボールルーム(だと思われる)でのクリスマスパーティは、大勢の中でも彼女の元気一杯でとても愛らしいオーラは光っておりました。(逆に居ないと、少し地味に舞台が観えるくらいに・・) 彼女を観てるだけでこの演目、1幕は救われます。
  八幡さんとペアを組むことが多い小野さん、でも、初日(観ていないが)の山本さん、今日のマイレンさん、ペアを今後考えていただきたいと思います。わたし八幡さんが少し苦手なのでこんな事言ってますが、八幡さん自身はトレパックででも証明してるように、ともて魅せてくれるダンサーです。(プラボーコールは一番多いくらいです)

  さいとうさんの金平糖の精は、意外ですが、結構地味め? クララを演じている時のキラキラ感を、今日は出てきた瞬間から感じる事は出来ません。もちろん次第に盛り上がってきますが・・ 。それと抜擢なのでしょうか、今日の5期生の加地くん。なんとも頼りないし、技術もいまいち・・でも、憎めない顔。スタイル。^^;; 鍛えあげて下さい。かれとっても期待していますし、他の5期生メンバーは未だまだ、コール・ドの交代要員がほとんど。益田さん等は、安定してベテランさん後ろなどの定位置を確保した様ですね。 

  本日雪の女王の堀口さんは以前と感想は変わりません。音のとり方が、私にとっては苦手な部類。それぞれステップを一本調子で面白く無くすのも、タメを作ってメリハリをつけるのも、音のとり方・・感性なのでしょう。本当に感じます。 良い例では、NHKで都さんのバレエレッスンの生徒さんは殆どが、メリハリの無い踊り方をしている(?) 後の都さんの模範映像で、同じ振付が全く別ものになってたのは事実と思います。 それと同じような感想を、湯川さんで前回観てるので、今日の堀口さんはそう思いました。 ボリショイでの「椿姫」が素晴らしいのは、実は想像が付きません。 多分わたしが堀口さんの良い部分が分かっていないだけなのでしょう。 それか役柄によるものなのか? 現時点では不明ですが、今後楽しみとします。

  意外となんでも、消化しているまゆみさん。今日は中国です。前のアラビアではひろみさんが、気高い気品をもったアラビア王女で登場した後なので、少しある意味違和感を感じ見てましたが、うまいですね彼女は・・何を踊っても。Mayumi's Styleが確立されています。葦の精でも、今日もとっても美しく、スタイリッシュなまゆみさんにブラボーでしょう♪ 後輩たちと踊ってても軸の正確性、アラベスクの足の向きなど ・・多分一番綺麗♪ と思います。観てて力みのない、わたしがうっとりできる1人である事は間違いありません

★後述の1番目は、3回を通して書けていなかった事ですが、1幕目のクララと、王子のパ・ド・ドゥがあるのですが、この時、ボールルームの背景紗幕、他オブジェクトたちが、舞台転換の為に、引き上がり、次の舞台の為に、サイドの背景紗幕が降りてきます。ここ・・とっても気になります。何故かというと、集中して観たい部分で・・牧さんも新国立劇場のダンサーを一堂に魅せたいハズなのに、転換が気になってしまっています。 ここだけでも終わってからでもいいんじゃないでしょうか? そうする事で、このパ・ド・ドゥがいきてくる様に思うのは私だけかもしれません。
★後述の2番目は、2幕ではボールルームの背景は1幕の臙脂色から、ターコイズブルーと天井の高級なエメラルドグリーンを配した背景になります。そのに舞台正面にくり抜いた、入り口に星を配した夜景の中、金平糖の精が登場します。この場面はこの版で一番の美しさと思います。金平糖の精は白のベースに金刺繍のチュチュ。王子は、スカイブルーに金刺繍の上着で、白とのコントラストがこの上ない美しさを見せていました。(何度見てもうっとり♪)
★後述の3番目は、ひろみさんの素晴らしさはやっぱり、新国立劇場では飛び抜けていました。やはり階級通りである事は証明された感じをわたしは持ちます。(川村さんもです。もちろん)
★後述の4番目は、初回見た時の感想で「花のワルツ」と音が合っていないと書いておりましたが、今日は素晴らしい出来だったと思いますし、コール・ドのみなさんは本当に綺麗でした。
★後述の4番目は、クリスマス企画が多いこと。ホワイエには、ねずみ君がいて、人気者になっています(写真撮影では一番多いのでは?)


ちなみに・・服装辞典によると、
  白・・・願いが聞き届けられる希望・純潔
  赤・・・激しく燃え上がる愛、名誉欲、闘争心
  青・・・誠実
  黄・・・幸福をもたらす愛
  緑・・・芽生えつつある愛
  黒・・・死
の様になるそうです。


スタッフ
  【振 付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
  【作 曲】ピョートル・チャイコフスキー
  【演出・改訂振付】牧 阿佐美
  【指 揮】大井剛史
  【舞台装置・衣裳】オラフ・ツォンベック
  【照 明】立田雄士
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
  【芸術監督】牧 阿佐美
  【主 催】新国立劇場

キャスト
  【金平糖の精】さいとう美帆
  【王 子】マイレン・トレウバエフ
  【クララ】小野絢子
  【雪の女王】堀口 純
  【ドロッセルマイヤー】森田健太郎
  【シュタルバウム】逸見智彦
  【シュタルバウム夫人】楠元郁子
  【フリッツ】加地暢文
  【ハレーキン】江本 拓
  【コロンビーヌ】伊東真央
  【トロル】八幡顕光
  【ねずみの王様】市川 透
  【くるみ割り人形】八幡顕光
  【スペイン】古川和則
  【アラビア】寺島ひろみ 貝川鐵夫
             今井奈穂 大湊由美 中田実里 原田有希 
  【中 国】寺島まゆみ 江本 拓
  【トレパック】グリゴリー・バリノフ 八幡顕光 福田圭吾 
  【葦の精】高橋有里 長田佳世 大和雅美
  【花のワルツ】遠藤睦子 丸尾孝子 西山裕子
                寺田亜沙子 陳 秀介 福岡雄大 
                輪島拓也 芳賀 望


2009年12月24日木曜日

12/24 新作『くるみ割り人形』 2回目


  本日も、新作『くるみ割り人形』でした。少し残念な書き方をお許し願いますね。やっぱり昨日の悪い意味での感想は拭うことが出来ません。まるで素敵なダンサー達へのイヤがらせのような振付なのです。こんな事書きたくない・・でもしっかりと残したい。 誰かが見てくれる、でも誰も読んで欲しくない。 このブログを作るときに思ってたこと。 履歴。そうこの言葉を自分の為に残したいと思い、思ったまま今日も書くことに致しました。もちろんこの様な舞台の中でも素晴らしいパーツはたくさん散りばめられている事 ・・ ダンサー達は、この演目でも宝石に観えるし、衣装、ライティングと相まって本当に豪奢な美しさをそれぞれが醸している。


  ひろみさんのヴァリエーションはこの上なく愛らしく、またあの金刺繍のチュチュにも負けないオーラをまとい、とても素晴らしい世界観です・・が、拍手が起こらない。 悲しくなります。わたし今日は本当に悲しくなりました。花のワルツでは、裕子さんの美しさは完璧です ・・でも拍手が全然起こらない。 何なのでしょうか? こんなに頑張っているのに・・。 雪の女王は、あの雪の(紙が)降る中、舞台上にたっぷり積もった上でのスピード感。素晴らしい技術である事は言うまでも無く 『ブラボー』に値するバレリーナ。 こんなに・・こんなに頑張っている新国立劇場の宝石たちが、なぜ拍手が起こらないのか?


  素晴らしい(UPされたお客様の声)と書いている、また感じた方も多くいらっしゃると思います。ただただ私もそう思いたいのですが、今日は前列で観ておりましたが、ひろみさんは、いつもの自信を持つ事が出来ていない表情?なの。「どうでしょうか?」 って声が聞こえてくる。素晴らしいに決まってるじゃありませんか! ・・ そう声を掛けたい位のモチベーション。1815人分位の拍手をお送りしたい気分。 さいとうさんは相変わらす、2幕ではイジめにあってた。 しかたないから観ているしかない ・・ 花のワルツが始まるときに、駈け出しますが、その表情の美しい事。 キラキラした愛らしさは彼女の大切な宝。


  貝川さん相手で、苦労している湯川さん、さいとうさん、それさえも消化し無理せず美しく魅せるパ・ド・ドゥを作り出すひろみさん。久しぶりにマイレンさんの居ない舞台。その代わり今日は芳賀さんを堪能しました。意外と地味に周りに気を使い、寺田さんのサポートを少し余裕でこなしている。 彼のキャラは大好きです。楽しいもの♪ ドロッセルマイヤー・森田さん本当に良かったです(彼カッコ良いと初めて感じました)。 ここも良いキャラ。 ハレーキン江本さん&伊東さんコロンビーヌはうまいですね(はけるまで釘付けです、またまたトロルの仕掛けを見逃すぐらい)。 昨日と違い着地がいまいちだったけど、吉本さん今日も素敵でした。


クリスマスの『くるみ割り人形』では、やはりありません。だから当然以前の版では、
サンタさんの出番はありません。どうせだったら、
   × 新作 『くるみ割り人形』
    新作 『サンタクロースのプレゼント ~くるみ割り人形のように~ 』 位にしておいてくれれば、良かったのに。
ビントレーのアラジン の様な、楽しさを作り出す方が割り切れます。
隠す手法をここで出さなくても良いと思いますし、
最後こんな冗談まで書きたくなるくらいに、悲しくなりました。


スタッフ
   【振 付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
   【作 曲】ピョートル・チャイコフスキー
   【演出・改訂振付】牧 阿佐美
   【指 揮】大井剛史
   【舞台装置・衣裳】オラフ・ツォンベック
   【照 明】立田雄士
   【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
   【芸術監督】牧 阿佐美
   【主 催】新国立劇場


キャスト
   【金平糖の精】寺島ひろみ
   【王 子】貝川鐵夫
   【クララ】さいとう美帆
   【雪の女王】湯川麻美子
   【ドロッセルマイヤー】森田健太郎


   【シュタルバウム】逸見智彦
   【シュタルバウム夫人】楠元郁子
   【フリッツ】八幡顕光
   【ハレーキン】江本 拓
   【コロンビーヌ】伊東真央
   【トロル】吉本泰久


   【ねずみの王様】市川 透
   【くるみ割り人形】福田圭吾
   【スペイン】湯川麻美子 高木裕次
   【アラビア】厚木三杏 輪島拓也
         今井奈穂 大湊由美 中田実里 原田有希 
   【中 国】長田佳世 吉本泰久
   【トレパック】グリゴリー・バリノフ 八幡顕光 福田圭吾
   【葦の精】寺島まゆみ 小村美沙 細田千晶
   【花のワルツ】遠藤睦子 丸尾孝子 西山裕子 寺田亜沙子
            陳 秀介  福岡雄大 江本 拓  芳賀 望

2009年12月23日水曜日

12/22 新作『くるみ割り人形』 1回目


本日は、今年(2009年)最後となる演目です



新国立劇場は新シーズン開幕演目
本日は新国立劇場バレエの新作『くるみ割り人形』を観てまいりました




キャスト
   【金平糖の精】寺島ひろみ
   【王 子】貝川鐵夫
   【クララ】さいとう美帆
   【雪の女王】湯川麻美子
   【ドロッセルマイヤー】冨川祐樹
   【シュタルバウム】逸見智彦
   【シュタルバウム夫人】楠元郁子
   【フリッツ】八幡顕光
   【ハレーキン】江本 拓
   【コロンビーヌ】伊東真央
   【トロル】吉本泰久
   【ねずみの王様】 市川 透
   【くるみ割り人形】福田圭吾
   【スペイン】西川貴子 古川和則
   【アラビア】厚木三杏 輪島拓也
         今井奈穂 大湊由美 中田実里 原田有希 
   【中 国】長田佳世 吉本泰久
   【トレパック】グリゴリー・バリノフ 八幡顕光 福田圭吾
   【葦の精】寺島まゆみ 小村美沙 細田千晶
   【花のワルツ】遠藤睦子 丸尾孝子 西山裕子
           堀口 純 陳 秀介 福岡雄大
           マイレン・トレウバエフ 江本 拓


-- スタッフは後述致します --


今回、ネタバレ、新国立ファン(わたしもですが)に不愉快な内容となります。非常に厳しいのですが、感じたままに書いておりますのでご容赦願います。


今年最初の舞台は、ひろみさんの舞台となりました。 今シーズンからは、プルミエ公演はキャンセルしておりますので、初日の小野絢子さんの金平糖の精の舞台は観ることが出来ておりません。少し残念ですが、ゲスト組はもういいかな・・って購入する時に思っておりました事と、意外と席に偏りがあった為、軽く購入継続を致しませんでした。そろそろ2010/2011の演目なども、小出しに出ており、ビントレー新芸術監督になってからの演目には少し引かれている事もあるので、来シーズン(って早すぎですが)の申し込みは少し迷う所です。古典のほとんどを牧先生は、再振付をしており、思いっきり牧版のオンパレードとなってしまった、新国立の舞台。 そんな中の今回の新作『くるみ割り人形』です。まずはパンフレットを購入して席に着きました。  (その中で素敵なデッサン画が有りましたので、貼りつけておきました)


・・・・・ 先に言っておきます。
次回公演は観ないことに決めました。今回3回も買ってしまっておりまして、困ったもの。


※ 困った内容一覧
その①
始まったと同時に感じた
指揮者・大井さんのテンポが自分と合っていない事

本当に始まて直ぐに気になり出しました。気になったら止まりません。修復不能。
今日はオーケストラは悪くなかった気がしますが、出だし、この不景気で、バイオリン
の人数減らしたのかな?? ぐらいに感じました。これは指揮の意図と、後で判明しましたが・・
でも最後は可愛いかったです。一生懸命頑張ったのね!
その②
1幕目、クララとのパ・ド・ドゥが始まるまでの振付
(途中までバレエ公演とは思えないゆるさ)

最初から気になってたのは、ここあまりにも、バレエと言うよりって感じのゆるさ。 
楽曲が盛り上がってもこのゆるさでダメです・・ 見てるだけで嫌になりました
その③
オープニングでのビニール傘
(初めてです。使い方に幻滅。それとあんな現代有り得ない!)

東京・2009年(限定していないらしい)のクリスマス風景なのに、ビニール傘のおねえちゃん
プレゼントを抱えたガラの悪い兄ちゃんは、ぶつかった途端にいちゃもんを付けている
って街は渋谷なのか、どうでもいいけどエレガンスとは別世界。ビニール傘が汚れてるのはNG
その④
暗転での明るさ
(技術的要素は修正の余地ありです ブルーが少し明るいだけです)

現代から1910年へタイムスリップしますが、その暗転が明るすぎて、明転に!
その⑤
クララの小さくなる時の舞台の作り方
クララが小さくなる事はできない為、アニメ的な舞台効果をうまく使いクリスマスツリー、
建物の紗幕を大きくし表情を作るも、比率の違いすぎる移動が全然現実感が無いし、
遠近法を使うべき所でした
その⑥
2幕での下手のクララと木の椅子
前の人の頭で、下手が見えていなかったので暫く気がつかなかったけど・・、
ディヴェルティスマンのかたそれぞれが、下手へ向かい挨拶をしてて、のぞき込んでやっと
気づいたのですが・・ クララ・さいとうさんが、1人ポツンと椅子に座り、延々と眺め、拍手し、
やや気の抜けた表情。あの長い時間では、やっぱり振付の問題と思います・・完全に!
その⑦
金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥが、楽曲とミスマッチ
アダージョ部分から、楽曲がフルオーケストラになり、見せ場がやってきますが、テンポを
遅くしなければ、各ステップがはまっていませんでした・・と感じました
パ・ド・ドゥ自身はとても難しそうに見えます

その⑧
全然楽曲と合っていない、花のワルツ
これが一番つらかった。豪華な衣装にくるまれ、美しく踊れるダンサーを持ちながら勿体無い




そう言えば、アラビア(キャストでは)→エジプトって場所が違うとか、ツッコミ所が満載です。アラビアの輪島拓也さんは初めて?なので、少し気になってましたが、やっぱりエジプトと書いたほうが合ってます。だって、スフィンクス登場でしょ!


もう書く気にもなれません ・・ 
ドロッセルマイヤー=サンタクロース? 最後で、ちょー投げやりな生衣装付け (赤いマント(これがまた豪華なので余計に嫌味)と赤い帽子、白のボンボン付き って)。 そうか・・! なんて思いません。 途中でわかってしまいますし、終了の電飾飾りのトナカイなんて、まるで子供劇の様な明解さ。 たくさんお金使って、豪華な衣装と一流の舞台装置を得ても、子供劇を作ってしまった牧 阿佐美。 サンタクロースからクララへのプレゼントが、くるみ割り人形?・・それが言いたい? 本当に困っているさいとうさんの姿が印象的です。昨年までの、ワイノーネン版が良かったです。少なくとも見終わった後に幸せな気分になり、またクリスマスを少し感じさせて頂ける事が出来ていました。このくるみ割り人形ではディアナがゲスト出演する事が恒例?になってましたし、それ自体を楽しみにしている自分でした。


  牧 阿佐美はパンフレットの中で、「現代の私たちにも通じる感動の世界」と説いています。 この言葉の意味は、それぞれの取り方でしょうが、牧さんはワイノーネン版『くるみ割り人形』がたぶん嫌いなのでしょう。いろんな意味で。 またJAPANESEを大変意識したのではないかと思われる位に今日は感じましたが、今のままでは完全に無理です。
  もうひとつ牧 阿佐美はパンフレットの中で、「ダンサー全員が活躍できる舞台」とあります。これは、粒ぞろいのソロイストたちを一堂に会する・・という意味と思われますが、振付を与えないで、舞台に立たせる牧 阿佐美が信じられません。 自分でもこんなこと書くなんてことが少し信じれない気分です。大好きなバレエなのに・・・
随分と言いたい放題、勝手放題言いました。が、そのせいで素晴らしい所が浮き彫りです。 ↓


※ 素晴らしかった内容一覧
その①
衣装デザインの色彩・色調・コーディネート
素晴らしいし、とってもうっとりする位の豪華さ。 どこをとっても修正して崩れる位です。全体の
色調はとても良いのですが、それだけポイントがぶれる可能性を秘めます 

その②
舞台装置、背景紗幕、それぞれのデザインと色調
関心したのは、色使い。背景紗幕で(2幕)ターコイズブルーの色調がとても素敵でした。あの
豪奢な背景が薄い布地のオブジェクトなのです
その③
特化している、金平糖の精の金刺繍の豪華さとひろみさん     




とにかく美しいし、ひろみさんのオーラとで、釘付け♪
観てて、ひろみさんは貝川さんとの踊り方を変えているように感じました
無理せずに出来る(って・・サポートが出来る)範囲で、踊っていらっしゃる様です
サポート付きのピルエットでは軸がブレるより、回転数を減らす・・っていった具合なので、
さいとうさんほどの踊りにくさをひろみさんは感じさせません
もう慣れないさいとうさんは、苦しそうで観てられない!

その④
吉本さんの素晴らしさ
着地が完璧。
中国の長田さんはあまりしらないのですが、こんな完璧な吉本さんって
今日一番の拍手をお送り致しました(会場全体では少なすぎです!)

その⑤
花のワルツでの衣装のコントラスト&刺繍?
ねずみの着ぐるみに圧倒的なインパクトを取られますが、
この衣装は色調と言いとても素晴らしいものです
その⑥
本日最高の葦の精たち
難しそうなパの連続でした・・と感じましたし、
それでも3人が(まゆみさんを中心とした)纏まってて素敵



もうこれ以上書くことができませんし、あさってひろみさんと26日、マイレンさんの舞台を再度観に行きます。バレエ公演を観てこんなに落ち込んだこと初めてかもしれません。そういえば椿姫(もちろん 牧 阿佐美の)の時と似ている気がします


【振 付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
【作 曲】ピョートル・チャイコフスキー
【演出・改訂振付】牧 阿佐美
【指 揮】大井剛史
【舞台装置・衣裳】オラフ・ツォンベック
【照 明】立田雄士
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【芸術監督】牧 阿佐美
【主 催】新国立劇場

2009年12月17日木曜日

12/17 ラトマンスキーのシンデレラ

先日マリインスキー・オールスターガラ公演で観た、『シンデレラ』、とっても気にはなっていた演目ですが、youtube に少しだけあります。もちろんディアナ&コールプのものとなります。が舞台の美しさにうっとり、背景の奥行の美しさはすばらしいですね。他にも youtube では、すごい螺旋階段などがあったような・・・。 是非全幕いつか観れたらいいな・・と考えます。



2009年12月12日土曜日

12/12 オールスターガラ 8回目

本日は、マリンスキー2009千穐楽、オールスター・ガラ公演を観てまいりました。やっぱり、いつものいろんな色のテープと紙吹雪が、それも2段重ねで・・、前回よりも、いつもよりもパワーアップしておりました。 テープの本数が本当に多かったです。折角のガラ参加のダンサーたちが全員テープの中で見えなくなるくらい・・。 でもお祭りらしくって楽しいですよ。 「さようなら」・・と、次の告知が例の看板に書いておりました。 って事は2012年は2月にボリショイ・バレエ、11~12月にマリインスキー・バレエって少しハード過ぎませんか? JAさん♪ でもずいぶん先の話なので、多分平気ですよ ・・ しっかりと準備しておきますから。 

今日はいきなりですが、わたしスイッチが入ってしまいました。もちろんディアナの「シェエラザード」を観たためと思われます。昨日の予測通り、官能がディアナとコールプで最高潮に達しました。 求め合い、愛し、見つめ合う時間され勿体無いような、とっても「悲観的な愛の物語 ~一縷の希望もない~」に仕上がっています。今まで離れていた時間を取返すぐらいの勢いは、その手でお互いに触れ確認し、からだは空気も入らないくらいの愛情。前回書いておりますが、この演目は前回が初見でした。が、シェエラザード、ゾベイダ&黄金の奴隷はこの2人が世界で最高にセクシーなのではないかとさえ、思いました。 前回ロパートキナは凛とした品と書き、コルスンツェフは優しさが強いと書きました。今日のゾベイダ&黄金の奴隷のエロっぽさは、やはり離れていた時間にあると思います。理性が勝る感のあるロパートキナのゾベイダのエロティシズム。 官能のまま正直に生きるディアナのゾベイダのエロっぽさは、自害する場面で明確です。 今日のディアナはこの後の事を予感している位の愛し方、感じ方をしてます。死んでも今の感情に正直に生きたい・・っと。 そう、この楽しさが別キャストで観る醍醐味と考えます。もちろんどちらも素敵な、個性にあった解釈と表現なのでしょうし、個性を超えた表現はプリンシパルでは無くなる感じがします。 また違う側面からだと、カギをユーマク宦官長から取り上げ、扉を開くシーンでしょう。 今日のゾベイダはもうこの瞬間から悲哀が滲み出しておりました。 そのあとの世界で一番セクシーなパ・ド・ドゥは、心に残りました。 ブラボー♪ ディアナ、ブラボー♪ コールプ

またまた、少し頭を冷やしに外へ出る事となります。パ・ド・ドゥ集、今日はすべての演目がとても楽しみです。

[シンデレラ] スポットがオブラスツォーワのシンデレラを照らし、覆う手を開けた瞬間、魔法により、とても楽しい時間を手に入れた事を認識します(って見えます)。でも通りかかる淑女、紳士に時間を・・・ 時計をとても気にしています。もちろん魔法の解ける時間。この瞬間だけは・・って感じがとても清々しくキュートなシンデレラ。手話(って感じたので)で彼に語りかける後の幕を観てみたいです。今日もオブラスツォーワは元気が無い感じがします。唯つ、彼女だけが本当につらそうでした。

[ロミオとジュリエット] テリョーシキナとイワンチェンコがどうという事でもないのですが、急に入っていたスイッチの為か、涙が溢れて、鼻水がでて、どうしようもありませんでした。 まったく関係無い訳では無いのですが、最初のテリョーシキナのアームスを見た瞬間でしょうか、フェリを思い出し、そうなるともう限界です。あらぬ方向へ向いたこころは、イワンチェンコが完全に無邪気なロミオとなり、テリョーシキナは何故か16歳のジュリエットとなりました。はっきり言って彼らの紡ぐ世界観は、もう少しアダルトな世界な筈なのに・・・。 もう1回前日にでも、オブラスツォーワのジュリエットでもあれば「頭の混乱」が無かった気がします。 でもこんな日はしょうがありません。

[チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ] ソーモワ&サラファーノフの美男(?)美女コンビ。 やっぱりサラファーノフはいいわ♪ 全幕今度こそ観ます。

[瀕死の白鳥] ついに再度観ることができました。彼女の表現する白鳥の死にゆく様は、なんなのか。これは人間でもタイプが千差万別であり、死を見つめた時の感情が、個性となって表現されていると考えています。 シタバタする。こころ静かに逝く。さんざん迷惑をかける。愛を全うする。など・・ ディアナの死生観を存分に魅せて頂きました事に感謝。昨日の同じ場面(足をスッーと後ろに回す所(こんな言い方でごめんなさい))はありますが、耐えている感情が伝わります。死にゆく白鳥は、生に対する絶叫の如く、激しく生き絶えました。
ついでなのでもう少し、ロパートキナの回では何も書かなかったので・・。以前DVDで見た時、解釈は状況(楽曲を奏でる楽器類)によって分類すると言っておりました(スゴ過ぎ)。 チェロが数台だと、叙情的であると。また常に新しい白鳥の必要性を説いています。彼女の場合は自身の死生観とは別次元です。それこそがロパートキナの真髄なのでしょうね。 一方のディアナはやっぱり思うことと表現する事の一体性を大切にしている様に思えます。もちろん進化の過程で変わることは必然でしょうが。

[ザ・グラン・パ・ド・ドゥ] またしても、昨日に続き、瀕死の後の演目。これは見る人にとってキツイです。集中している程、切替えが難しい。涙ながらに、笑うってかんじに、またまたなりました。 引込むマリインスキーのプリンシパル達。 楽曲が始まった瞬間から既にパロっています・・よね♪ まるでファンファーレの様に。まるでその手の映画の様に。JAさんの紹介で、(ダンサー紹介・ロパートキナ)でもありましたが、発表があるまでは日本で実現するとは考えていませんでした。超正統派だけに、レベルが高いだけに、ここまで崩す事が出来るプロフェッショナルな2人にブラボー♪ (コールプ2回目) なぜ赤のケリー? ケリーだったらやっぱり気になるものしょうがない気がします。それはそれで。 2人のパ・ド・ドゥの筈が、コールプのヴァリに・・足を引っ張られたえび反りロパートキナは、背筋を活かしピコピコしています(笑)。 バックの紙吹雪は舞台とオケに!(今日のオケには少しだけ・・・)とっても粋な2人でしたね♪

[海賊・組曲] 今日は昨日と打って変わり、テリョーシキナ&コルスンツェフ ペア。 アリのシクリャローフは技を決めた時にニコニコ。初めてですねこんな笑顔のアリ。 ガラだからという事だったら大目に見て良いよ♪  普通は主人コンラッドの前では従順で意志の強い筈の役割。 またカッコ良さは野性味が醸し出し、決め技を繰り出してもヒールな君は、ニコニコは厳禁の筈。でもきらきらシクリャローフだったら、ガラ公演だから良いよ♪ 感心するのはコルスンツェフ、サポートはやっぱりピカイチ。舞台マナーも超がつくほどカッコいい。 幕が降り、プリンシパル達が前に出来きても彼は「先にどうぞ・・」と譲り、列に居ないし、人柄もそうなのだろうと感じてしまう。一生懸命に女性を美しく魅せる姿勢に力を感じ、ヴァリエーションにうっとりする。 野性味など無意味に感じさせる位、一本調子な彼はここでも炸裂している。でも大きい体躯と太い腕は、観てて実はとってもセクシーで、アリ、ソロル、黄金の奴隷、レスコー、まとめて王子類とバランシン作品、(アルマンは別)なんでもこなせそうな感じを出しておりました。素敵でした。

今回を全8回通しても心のこりはたくさんありました。鑑賞眼がまだまだですし、もう少し理解したいし、好きなダンサーが増えたこと、全幕で観てみたいダンサーが増えた事は嬉しいのですが耐えうる目と知識が足りない事、(つでに財力も) レベルが高いだけに書くことの難しさを実感しております。



オールスター・ガラ (キャスト&スタッフ)
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団


第1部

≪シェエラザード≫  [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー

シャリヤール王  : ウラジーミル・ポノマリョーフ
王の弟       : カレン・ヨアンニシアン
宦官長       : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ      : ディアナ・ヴィシニョーワ
黄金の奴隷    : イーゴリ・コールプ
オダリスク    : アナスタシア・ペトゥシコーワ/エフゲーニヤ・ドルマトーワ/リュー・チヨン

第2部
≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ  [8分]              
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  ミハイル・ロブーヒン
≪ロミオとジュリエット≫ バルコニーの場面  [8分] 
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:レオニード・ラヴロフスキー
ヴィクトリア・テリョーシキナ  エフゲニー・イワンチェンコ
≪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ≫  [10分]           
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/振付:ジョージ・バランシン
アリーナ・ソーモワ  レオニード・サラファーノフ
≪瀕死の白鳥≫  [4分]                        
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ディアナ・ヴィシニョーワ
≪ザ・グラン・パ・ド・ドゥ≫  [9分]          
音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ/振付:クリスティアン・シュプック
ウリヤーナ・ロパートキナ  イーゴリ・コールプ

第3部
≪海賊≫ 組曲  [35分]                     
 華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ) 
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ

メドーラ      : ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンラッド     : ダニーラ・コルスンツェフ
アリ        : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ   : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク    : マリーヤ・シリンキナ/ヤナ・セーリナ/エリザヴェータ・チェプラソワ


ありがとうございました。とても楽しむ事ができたマリインスキー週間でした。
それと、JAさん、海賊オダリスクの写真UP 楽しめました。
2012年も楽しみにしております。

2009年12月11日金曜日

12/11 前夜祭: 勝手にMのスナップショット


まずJAさんの頑張りに感謝しましょう!!
とっても楽しい時間を過ごすことができました。(明日未だ1日残っていますが・・・)
散財もしましたが、その分の満足を得ることは出来たように感じます。

JAさんが、毎日撮り貯めた写真・・勿体無いので、ベストスナップショットを選択してみました。
部門は全4カテゴリ (写真ではなくURLを載せることとしますが、興味ある方はクリックしてね)

<< BEST >>
2人揃って撮るとなぜかピンぼけが。。。(妖艶すぎて・・・?)
(ポイント)実は帽子に隠された秘密の扉 ・・・ http://ja-ballet.seesaa.net/article/134411666.html

<< Mens section >>
本日も素晴らしい王子っぷりを見せてくれたシクリャローフ。キラキラした笑顔と絶好調のジャンプに会場が沸きました。
(ポイント)彼のキラキラ
<終演後に楽屋で写真をお願いすると、快くOKしてくれました。>
(ポイント)彼のくちびる

<< Female section >>
衣装を着けたまま写真に協力してくれました!
(ポイント)愛らしさ満点
ロパートキナはセリュツキー先生と今日の公演について熱心に反省会(?)。
(ポイント)プロフェッショナル 仕事の流儀とも言う
ただただ可愛い
(ポイント)際立つ人柄

<< Special prize >>
<舞台裏には数々のサインボードが飾られています。最終日に向けてダンサーたちのサインが次々と書き込まれていきます。>
http://ja-ballet.seesaa.net/article/135216395.html
(ポイント)これ欲しい

本当はどれも素晴らしいですよ♪

12/10 オールスターガラ 7回目

  いよいよ、マリインスキー2009年冬公演は、明日のガラを残すのみとなりました。今回私は全8回見に行きます。 結構頑張ったと私なりに思います。 結構スケジュールがキツくても負けずに、雨が降っていても寒さに耐えて、ロパートキナの出待ちをしたり、いろいろな思いでと共に明日の公演で終了となることが少し寂しくもあります。本日は、『オールスター・ガラ』を観てまいりました。でも全くもって消化不良。 もちろん、ダンサー達ではありません。JAさん。時間が押してるのか、別に10分遅れても誰も文句は言わないと思いますが、みなさん拍手しているのにも関わらず、幕を下ろすし、カーテンコールは無視するし、最後ひどい事になってました。 下に記します



指揮    : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽   : 東京ニューシティ管弦楽団
ピアノ・ソロ : リュドミラ・スヴェシニコワ (タランテラ)





オールスター・ガラ 


 第1部: ≪シェエラザード≫ [45分] 
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ/振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー
シャリヤール王 : ソスラン・クラーエフ
王の弟 : カレン・ヨアンニシアン
宦官長 : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ : ウリヤーナ・ロパートキナ
黄金の奴隷 : ダニーラ・コルスンツェフ
オダリスク : アナスタシア・ペトゥシコーワ:エフゲーニヤ・ドルマトーワ:リュー・チヨン
  まず出足でオダリスクの3人に射止められました。この演目『シェエラザード』は私にとって初見です。DVD等では、「パリ・シャトレ座 ニジンスキー」で見て以来、見てみたい演目の上位であった事は確か! 物語自体はとっても劇的なモノですし、楽曲もコルサコフも素晴らしいのですが、こんなに前奏長かったっけ? って言うぐらいに感じました。(すみません知らずに・・・)。昨日マリインスキーの音を聞いていたばかりなので、少し残念な部分が大事な前奏曲でありました。
  『白鳥の湖』を演じた2人のペアがこんな物語を紡ぐなんて。 黄金の奴隷のコルスンツェフが、なんとも不思議な感じを受けました。確かにルジマトフの野性味とは比べても意味がありませんが、本当にベゾイダを(ストレートじゃないかもしれませんが)愛している気持ちが延々と伝わります。 王子として最高のノーブルさを得意とする彼の出来としてはどうなのか凄く気になる所です。少しだけ優しすぎると感じてしまいましたが、やはり役として物語としては、十二分の成り立っているし、意外とと言うと失礼ですが、とっても素敵。一方、カギをユーマクから奪い取るシーンで鮮烈な一撃を食らったのは、ロパートキナ演じるゾベイダ。 殺気立つ雰囲気は、激しすぎる愛し方が滲み出します。この凛とした激しさと彼の愛は、観ていて悲劇に進む他無い感じを醸しています。引き込まれました。 ロパートキナの官能的な一面が新鮮で、こんな演技の持ち主とは思いませんでした。この時間、意味を頭で考える時間があり、冷静にいろいろと巡らしながら、観ることが出来たことは良かったと思います。明日は多分そんな事考えるスキが無い位の官能をディアナ・コールプは観せつけて頂けるのでは無いかと期待します!  
  この演目45分とありますが、とっても短いっていうか、あっと言う間に終了しました




 第2部 パ・ド・ドゥ集: ≪ジゼル≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [9分]
音楽:アドルフ・アダン/振付:ジュール・ペロー,ジャン・コラーリ,マリウス・プティパ
アリーナ・ソーモワ  ミハイル・ロブーヒン
  休憩を挟んで、直ぐに始まりです。なんとも言いようがありません。
  でも合同公演で観たソーモアとは別次元でした。・・これ意外です。が、顎のライン、アラベスク、肩の硬さ、ピルエットでの顔のぐらつき、どれもジゼルの雰囲気には私的には好みではありません。・・がやはり進化しているのは確か。以前合同公演Bプログラムでの「眠れる森の美女」では、跳ね回っていた彼女が、やはり少しだけ丁寧になっているし、マリインスキーでなければ満足出来る出来の様に思えます。 本当に良い時間を過ごせているのでしょうね、彼女にとって・・。 すごく愛らしい雰囲気を持っているソーモア、これからもガラ公演で見る機会はあると思います。いつか好きになってくれます様に♪ あと昨日耳が可愛かった仔馬のロブーヒンが今日はアルブレヒトです。ある意味劇的。


≪グラン・パ・クラシック≫ [11分]
音楽:ダニエル・オーベール/振付:ヴィクトール・グゾフスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  マクシム・ジュージン
  さてさて、どうしたのかオブラスツォーワ&ジュージン。っていうかオブラスツォーワ。調子が上がっていないのか、疲れているのか? こちらは逆に別人になっていました。先日、文化会館の観客は、オブラスツォーワとコンダウーロワに「暖かかった」と書きましたが、今日はツラそうだったので・・・・。 書くほどにつまらなくしそうなので、明日改めて書くことと致します。


≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ  イーゴリ・コールプ
今日一番の演目でした。 スポットに照らされたディアナが魅せてくれました。舞台を一瞬で自分の物にする力は随一です。 やっぱり妖しい雰囲気で、純白の衣装を付けて目立っています。ノイマイヤー「椿姫」をグレーな通行人を思わせる、赤のドレスと黒のタキシードの中で、コールプの白の衣装が・・って言うか彼が際立っています。シンデレラは通行人の間をすり抜け、舞っているが次第に少なくなる人・・人。 その孤独感の中でも、白い人たち2人は幸福そうな気分を盛り上げます。見ているこちらまでしあわせでした。 本当に素晴らしいパ・ド・ドゥです。実際ラトマンスキーのシンデレラを知らない私ですが、現代チックでスタイリッシュな振付である事は確かなようです。 もちろんこちらはパロでは無く、少しシリアスな感じを受けました。 一度全幕見てみたいのでアマゾンを探してみましたが、見つかりません。
  それとここで書きますが、観客はもう一度ディアナとコールプのカーテンコールを待っていました。全然拍手が鳴り止まないし、私の前方(右ブロック)では、男性だと思われる方は、スタンディングオベーションをしており、立ち上がった瞬間、周りに気を使い、暗くなった舞台に向かって拍手。(この方を褒めてあげたい) それでもお構いなしで、瀕死の白鳥を始めてしまうのはどうかと思います・・


≪瀕死の白鳥≫ [4分]
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ウリヤーナ・ロパートキナ
  ブラボー ロパートキナ♪♪
  いつ見ても涙が出るのは、立ってれらなくなり、トゥを後ろに回してからのあの姿。本当に白鳥。有機的な生物。


≪タランテラ≫ [7分]
音楽:ルイス・モロー・ガチョーク/編曲:ハーシー・ケイ/振付:ジョージ・バランシン
ピアノ・ソロ:リュドミラ・スヴェシニコワ
ヴィクトリア・テリョーシキナ  レオニード・サラファーノフ
  今回のマリインスキー公演で初サラファーノフです。大好きな彼だけにとっても楽しみにしていた甲斐あって、堪能しました。もちろん演目に。 それとピアノソロがオーケストラよりも断然良い出来すぎます。 聞いていてピアノしか聞こえません。 キレの良い音が弾みます。この演目も初見ですが、技術のしっかりしたペアの演目はやはり盛り上がりますが、『瀕死の白鳥』のあとはないだろう!って突っ込みたくなるのは私だけでしょうか? テリョーシキナは本当に上手いですね。




第3部 : ≪海賊≫ 組曲 [35分]
華やぎの国 ~ メドーラのヴァリエーション ~ オダリスク ~ パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ)
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ

メドーラ : アリーナ・ソーモワ   
コンラッド : エフゲニー・イワンチェンコ
アリ : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク : マリーヤ・シリンキナ
       : ヤナ・セーリナ
       : エリザヴェータ・チェプラソワ
ここでもオダリスクの3人に射止められました。私的に音の合わせ方が好きなのは、ヤナ・セーリナなのでしょう。彼女が居ると楽しくなります。オブラスツォーワは本当にどうしたのでしょうか? シクリャローフは1人では、前回も感じましたが、美しいですね。時間があれば直ぐに変わると思います。今日は凄い勢いを感じました。
それと最後にメドーラをコンラッドがリフトして、エンドとなり幕が降りると思われますが、今日はリフトした瞬間に、まだ体が上がっていないのに、幕が降りて見えなくなってしまいました。こんなことって有りでしょうか? もう少し考えて欲しいものです。 こんなこともあり、なんとなく冒頭に書いた消化不良を起こしておりました。

でも・・なんとなく、明日のディアナが気になってしょうが無いのです。
前回2006年もディアナを見ていたのですが、彼女の個性を愛している様なので、書き方のそぐわない所等はご容赦願います。

明日は千穐楽を楽しみにします。ちょうど仕事は休みなのでゆっくりと・・・。
   

12/9 イワンと仔馬 第6回目 ・・昨日の続き・・

約束通りに書くことができましたので掲載致します。

先日の続きを書きます
2幕目もオーケストラピットはやはり、いろいろな音がしておりました。 本当に艶々な音にきき惚れます

火の鳥の国では、姫と火の鳥たちの宴もたけなわ、そのへイワンと仔馬が登場します。 びっくりした姫はこの状況が飲み込めずにいます。 テリョーシキナがとても愛らしくて、可愛くて・・。 最初姫が見たイワンの印象は「以外と素敵・・」なんて思ったのか、拒否するでもなく、迎え入れる訳でもなく、微妙な雰囲気です。混乱する火の鳥たち。 群舞のフォーメーションが素早く移り変わり、舞台を斜め、水平にとそれぞれが非常に速く展開されます。 そこは白鳥など、古典的な世界観とは全くかけ離れた世界。姫はべた足で、肩を落として前のめり。叙情性が案外にはまります。 とても宴が楽しいとは感じれないし、マンネリ状態である事が伺えます。そのへイワンと仔馬の登場は、新鮮な嵐のように吹き付けました。 姫がイワンに向ける視線・・(オペラグラスで覗いてみても、とても豊かです) いろいろな表情がくるくる変わり、少し慣れたイワンが姫の頬にキスします。 (とんでもなく)驚いた姫は、体は反射的に拒否するのですが、直ぐ自身の気持ちに正直になり、和らげ、イワンにキスを返します。 優しい素敵な場面です。 「うれしい」イワンの声が聞えて来そうなほどの表情のロブーヒン! ここである意味初めてのイワンと姫のパ・ド・ドゥが観られます。  

ロブーヒンとテリョーシキナのほんとうに息のあったパ・ド・ドゥでした。

楽しい時間は直ぐに過ぎ去り、姫は眠たくなってしまいました。 そう、無邪気な姫はお客さまがいても平気。 大きなあくびをしてすぐ眠ってしまいました。イワンと仔馬はこの気に・・と考えたかは分かりませんが、姫を抱えだし、火の国から立ち去ります。舞台上手へ ・・一方下手では王様のいすが準備され、帰ってこれた事、王様からの命令の姫を見つけたことを報告します。 「よくやった それでは・・・」と王様。 でも姫は未だ眠っています。イワンが紹介したのに・・・です。 適度に起こし、やっと気がついた姫は「どこ? でもイワンがいる」って表情でハグ。 王様は「早く」って感じまんまんです。侍従のパフォーマンスがやっぱり光る。 このキャラ、ところどころキーとなり面白い。紹介された王様ですが、逆に姫はイワンしか見えていないのです。 王様の権威は丸つぶれ・・! でも一応王様と言う事で慇懃な挨拶をしてみた。 そのあとは火の国と同じく、大好きなイワンとダンスにふける。 姫を独り占めしたい王様を横目に時間を過っていく。 侍従がストップ・・王様へ・・・ やっとのこと、少し年のとった王様は姫と踊ることができましたが・・その内に (心臓に手を当てて)うっ息が苦しい ・・年甲斐も無く頑張ってしまったのでした。 彼は・・。 やっぱり良い所を見せたい男心はあるのね♪ イワンと姫は優しく王様を休ませます。 暫くして王様の息が整った所で、次の欲望が・・ 「結婚したい」 ストレートな王様。 姫はマイムで「私と結婚するには、あなたが深い深い海の底の国にある(またはその国の女王が持っている)、指輪が必要よ♪」と言います。 このマイムは珍しくわたしでも分かりやすい。 またまた動揺を隠せない王様は、懐刀(?)の侍従に相談・・  「かれでは」 とイワンを指差す。 ナイスアイディア・・とばかりに王様はイワンに2度目の命令。 もちろん姫は「こんなはずじゃ」と悲しんでいますが、まあ・・おおげさな表現は少し裏があるのかもしれません。パンフレットでは、仔馬の魔法となっているようですので、多分そうなのでしょう♪ 

またまた旅立ち、仔馬の魔法でイワンは空を飛び、どんどん進みます。優しい音色の弦が、高度なステップを後押しします
「海底」の場面に暗転しました

雌馬を演じたコンダウーロワが、海の女王で登場します。この衣装は長い足が無いみたい。 サポ-トに面白い振りを与え、海の女王は本当に水の中で舞っていました。 そういえばこの様なシーンはノイマイヤーの「人魚姫」でもあった気がします。 比較しても意味無いことは知っていますが、ノイマイヤーは鋭角的な表情と定義すると、ラトマンスキーは曲線とパロでしょうか。 もちろん一流の。

海の世界では、ダイバーが泳ぐ様に、またやわらかい世界感が続きます。 ここでは海の女王はとっても冷静(コンダウーロワ独自路線では無いと思う)。火の国と海の国は国交が有るかのよう。その2国はHOTラインが意識レベルで存在し、彼をお願い・・って言葉をテリョーシキナ演じる火の国の姫が伝えてたとしたら、先ほどの大げさな悲しむ顔もフェイク? ・・そんな訳無いと思いました。すみません。 
サポートした男性2人は女王を自由に泳がせていました。上手かったです。 女王は意外とあっさりと指輪の入った大きなバッグをイワンへ。 ここの場は、どちらかというと踊りが素敵過ぎて、物語を書くことに意味を感じません。 あっさり「来たから渡した」って感じです。 なのでやっぱりダンスの見せ場となります。 前半の群舞たちは、サポートする女王の足の部分を上手く隠すフォーメーションで女王は本当に浮いていました。 大変なのはサポートしている2人なのでしょうね♪ でもすごくきれいでした。 指輪の入った巨大なケースを女王の侍女が、やや軽く(うやうやしく無い所が良い)持ってきます。 イワンと仔馬は大変喜び、お礼もそこそこに泳いで帰って行きました

ここでまた「宮廷の王様の部屋」の場面に暗転します。

1人っきりの姫は、イワンを思い、足をぶらぶらさせながら椅子に座っています。見かねた王様が機嫌をとるも、ちっとも楽しく無い姫はダンスの申し入れを一応受けてみました。・・がやっぱり息切れする王様。 意外と人の良い王様の様なのに・・・こんな分かりやすい人物設定をしたラトマンスキーは、少しふざけ過ぎ? フォーリングが合わないと、やっぱり王様でも結婚とかは有り得ない・・と感じている様子・・それ以前にイワンの事がやはり気になるのか? 時間の長さは分からずじまいですが、暫くして、イワンと仔馬は、海の女王からの贈り物の指輪を持って帰ってきます。 (抜粋王様はすぐにでも結婚したいが、姫君は「夫になるには、ハンサムで若くなくてはダメ。」と言う。
マイムは全般を通して私でも分かりやすく出来ている。ダメって言われて引き下がるキャラでない事は分かっているが、ここでも姫の、とんでもない一言。
抜粋「だって、王様とは結婚したくないんだもの!」 ・・ そしてハンサムな若者になる方法は・・・ぐらぐら湯の煮え立つ大釜の中に飛び込むことと教えてくれる。
無茶苦茶な展開だし、言動。 今の時勢では有り得ないが、似た様な事はあるのかも♪
イワンは心配そうに姫を見つめ、王様を伺っています。 王様は姫の言葉を鵜呑みにしていますが、ここでも約束の侍従の、ツボに嵌った入れ知恵。この展開好き♪ イワンがやっぱりテスターとなったのには、さすがの姫も参っていました。 この場面、姫が心配のあまり・・って言うか自分の後先考えなかった思いつきにブルーが入っている。 泣きじゃくる姫? これはさすがにフェイクではない様に思いましたが・・・。 その真相は分かりません。 瞬間的に魔法をかけた仔馬が、イワンを助けます。 熱湯風呂へダイブ! ロブーヒンの姿を私は追いました。彼はゆっくりと着替えを済まし、済んだ所で、仔馬の出番。 イワンは美しい青年となり、もはや王様の入る余地すら与えない位に素敵な姫の相手となっておりました。 (何を観てたかは分かりませんが・・・)その姿を見た王様の方向は決まった! 一揆に侍従の足を台にしてこれまたダイブ! 魔法の無い熱湯風呂では、結果は見えていました。 王様 ご臨終です。 この王様結構優しく、シャイで面白かったのですが、その顔は結構リアルで怖かったです。

そのあとは大円団で、めでたしめでたし

っていうとでした。
全く私の思いと、抜粋部分はJAさんの、ストーリー紹介のページからのものです。 特に物語と深く起因する部分は抜粋を記載し、書きましたが、多分こんな感じだった気がします
とても心に残る、素敵なスペクタクルでした

2009年12月10日木曜日

12/9 イワンと仔馬 第6回目

本日は、『イワンと仔馬』を観て参りました。先日、正統派マリインスキー「眠れる森の美女」@ヴィクトリア・テリョーシキナの素晴らしい舞台を観せて頂き、イワンと仔馬も、多分今回の(少々勝手な言い方かもしれませんが・・)第1キャストと思われる布陣で見れるのは大変嬉しく思っておりました。この物語は、しっかりストーリーを頭に入れて見ないといけません。感覚の鈍いわたしにとって、再度ストーリーを読んで準備完了です。

参照: http://ja-ballet.seesaa.net/article/123612954.html

イワンと仔馬  全2幕
音楽 : ロジオン・シチェドリン
振付 : アレクセイ・ラトマンスキー (2009年)
台本 : マクシム・イサーエフ
音楽監督 : ワレリー・ゲルギエフ
装置・衣裳 : マクシム・イサーエフ
照明 : ダミール・イスマギロフ
指揮 : アレクセイ・レプニコフ
管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団

≪出演≫
姫君 : ヴィクトリア・テリョーシキナ
イワン / 皇子 : ミハイル・ロブーヒン
仔馬 : イリヤ・ペトロフ
侍従 : イスロム・バイムラードフ
皇帝 : アンドレイ・イワーノフ
父親 : ロマン・スクリプキン
雌馬 / 海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフ
ダニーロ : ソスラン・クラーエフ
ガヴリーロ : マクシム・ジュージン
娘たち : ヤナ・セーリナ/エカテリーナ・イワンニコワ/クセーニャ・ロマショワ
ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エリザヴェータ・チェプラソワ/オリガ・ミーニナ
ジプシーたち : ラファエル・ムーシン/フョードル・ムラショーフ/カレン・ヨアンニシアン
エレーナ・バジェーノワ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/ポリーナ・ラッサーディナ
リュー・チヨン/アリサ・ソコロワ


まずは、マリインスキー・歌劇場管弦楽団にブラボー♪ 鳴り始めた瞬間から音の違いが私なんかでも分かるくらい。とっても艶々とした音。特に管楽器のハリが素敵で、弦は思った以上に重量的な厚さがありシチェドリンの楽曲を盛り上げていました。しばらくこんな音聴いたこと無かった為か、慣れるまでは少し響き過ぎるくらいの音量、音質、テンポ。 アレクセイ・レプニコフさんは、メンバーさんたちとのコンセンサスもばっちりなのでしょうね♪ オーケストラピットからのおしゃべり、足音?、楽器を叩く音、いろんな聞き慣れない音が、混じって聞こえてきます。(はねてからが凄かった) 音にも詳しい方ではないのですが、打楽器の技術が超絶です。 鳴らす事にかけてはやっぱり歴史なのでしょうか、オケピが気になる舞台でした。

中でも「大きな馬たち、雌馬」が大好きです。なんて始まるとまた分からないくなるので、ちゃんと書きます

老人には、息子3人がいます。ガヴリーロとダニーロとイワンなのですが、要領がよいと思っている長男・次男と、頭の少し弱いって思われている末っ子イワン・・・。家の中では、老人が農作業に行く為、留守番の心得?みたいな説教中。 老人がライ麦を刈り行ったのを確認し、兄たちガヴリーロとダニーロは仲良しの女の子を呼んでパーティー開始!(準備良すぎ?) イワンは仲間に入りたいのだが、仲間には入れず、また彼の相手は居ません。そう3:2です。でも平気、イワンは兄たちのダンスのすきま・隙間から、パーティをとことん楽しんでいます。家は舞台に立った赤のカーテン?をイメージした、ごく小さな、抽象壁。外に出たときは家のドアと・・超が付くほどの現代調なオブジェクト指向。老人は、ソ連国旗をイメージするような大きなカマで、ライ麦畑で作業中。・・・やっと終了が・・って、帰路につく。 家の中はパーティーの真っ最中で、ドアを開けた瞬間、4人は凍りつく。 もちろんイワンは別。 兄たちは女の子の後ろに隠れ、あくまで無責任。さっさとお開きになった家では、最近困っている、畑荒らしの話を老人がはじめ、見張りと犯人を取っ捕まえる様にと兄たちに命令。 無視した2人の兄はさっさと出かけてしまったので、老人はイワンではどうしようも無いので、少し諦めたのか・・不明。 なのですが、イワンは勇敢に畑へ出向いて行ってしまいまた。(自分では意外と自信があるのかも) 自分は大丈夫・・的な自信に満ちた顔は、夜の暗さにあっさり恐々となってしまう。 この表情がとってもかわいいロブーヒン。 大きな月(大げさに言えば舞台背景の1/3位の大きさ?・・文化会館だからなか?)が、暗闇を明るく照らし、またまた自信に満ちた顔・・復活! 背景の月のオブジェクトと、ライティングは意外と分かりやすい演出です。(とっても単純)

イワンは、畑を探し、隠れ、ついに畑荒らしを見つけます。 おおお・・・馬だったんだ!。 デフォルメされた馬の振付が心に残ります。(とっても素敵) 大きな馬と雌馬が気持ちの赴くままに、畑を飛び回っています。雌馬のコンダウーロワのキレは目立ますし、背の高いと思われるアンドレイ・エルマコフ、カミーリ・ヤングラゾフ(知らないのでこのまま書きました)とのトロアは楽曲に素晴らしくあっている。 イワンは3頭の馬を追いかけるが、とてもすばしっこい雌馬をなかなか捕まえることが出来ないのです。 管が後押しし、ダンサーがどんどん乗って行く、素晴らしい場面でした。 クラッシックな振付も入りながら、ついに雌馬の跨り、取り抑えることに成功するイワン。 コンダウーロワの長い足はこの時、首となる。(抜粋)イワンに2頭の馬と自分が生んだばかりの“背中にこぶのある仔馬”を贈ると約束する。2頭の馬は大きくて力強いが、仔馬は小さくて弱々しい。 この時、本当に雌馬は仔馬を産み落とします。そのあと、雌馬はイワンと仲良しになりますが、楽しいのは、雌馬が2頭の大きい馬たちと、背景付近で、とんでも無く「だらだら」しています。 世間話なのでしょう♪ 「つかまったじゃない!」って声が聞こえてきそう。 なんともゆるい感じが面白い。 対照的に、イワンと仔馬は、とっても難易度の高いステップが続く・・・続く・・・

がらっと変わって舞台は赤に・・・。 イワンと仔馬が戯れる、また雌馬と大きな馬たちが世間話をしているそこに、火の鳥の群れが登場。 白と赤のコントラスト。女性の火の鳥は、赤い手袋ををまるで炎の様に振り、月夜の中に赤。とってもはっきりしたコントラストの中で、戯れ、楽しみ去っていきます。 1羽だけ火の鳥が残ります。 美しいフォルムです。あれだけ腕が後ろに出せる事が少し不思議なくらいに羽になっていました。 兄たちがその残った火の鳥を見つけ捕まえようとしますが、やっぱり薄い作戦では、捕まえる事に失敗! イワンはもちろん火の鳥を追いかけていました。見事火の鳥の1枚の羽を取ることに成功します。(ここでもう優れたイワンが表現されている事に気づきます)。 ← この羽、意外と柄が凝っていて、とても美しい黒と金と赤の炎の柄を施した羽です。イワンがベルトとしてウエストに巻く場面があるのですが、多分マジックテープ付きなのでしょうか?

 (抜粋やがて火の鳥の羽を手にイワンが畑に戻ってくるが、馬たちがいない!悲しくなって泣いていると、仔馬がイワンを慰め「馬をさらった奴らを追いかけよう!僕が手助けをするよ」と約束する。実は、この仔馬はすごいことができるんだ。

ここで「街の広場」の場面に暗転します。

グリーンベースの衣装を付けた街の人は楽し気。 兄たちガヴリーロとダニーロは捕まえた「大きな馬2頭」を売って遊びたい。・・が声をかけたのが王様(って、おかしくないですか?)。 するとタイミングよく仔馬が探し当てて、イワンの所有である筈の大きな馬2頭を発見。 早速イワンは兄弟なのに・・事情を王様に正直に説明し、それを聞いた王様は兄たちを問いただす。もとのさやへ・・・。 喜ぶ大きな馬2頭とイワンと仔馬。 大きな馬はイワンをサポートして、舞台2週の大きなジャンプを何度も何度も。 ここはほんと迫力がありました。  (抜粋)王様は側近の帽子と引き換えにイワンから馬を買うことにする。イワンは帽子に大喜び!帽子はイワンにぴったりだ。
仔馬のお陰で見つける事が出来たのですが、帽子との交換で、王様の所有となった素晴らしい2頭の馬に心が痛んでいるイワン・・ロブーヒンは本当に表情ゆたかでした。 ここでは侍従となっていますがイスロム・バイムラードフは、とっても芸達者で、なりきっている姿に・・(笑)♪  やっぱり彼の真骨頂はこんなキャラでしょう。白鳥のスペインより、100倍カッコいいです。

ここでまた「宮廷の王様の部屋」の場面に暗転します。

イワンはなぜ宮廷に招待されたかは不明ですが、眠りに就こうとしています。王様は侍らした女性達とご馳走を堪能し、これも眠り込みます。侍従が眠りに落ちたイワンの小部屋をノックしても無応答・・を良いことに、侵入。 イワンが火の鳥からGETした美しい羽を侍従は見つけてしまいます。 ここがポイント!(ここからの連鎖がこの話の主題なのでしょうか?) 侍従はイワンがぐっすり眠っているか、とても滑稽なマイムで試します。 大丈夫イワンは・・そこで火の鳥の羽を強奪します。イワンは夢の中です。 早速取り入ろうと、侍従が王様を何気に起こし、まだボーッとしている頭の王様は、侍従の持っている羽をあざとく見つける事となります。 「ん・・なんだ・・それ? みせろ このっ」って会話なのでしょうか? バイムラードフの隠し方はキレキレです。楽しい! 王様に「彼が持っていた」と話す侍従。 企んでいる模様。 そのに羽が幻想を見せてしまうのです。ぶっとんだ台本ですが、イメージ的にはオーパーツなのでしょう。 見慣れぬ羽=宝物は、火の鳥の国を見せ、幻想の火の鳥の国の姫を登場させます。ここで姫登場。 前日のオーロラの様に輝いているし、やっぱり素敵です。テリョーシキナは。 火の鳥の国の姫だ! 火の鳥の国の姫だ! と王様はここへ連れてこいと命令を侍従に下すが、探し方さえ見当がつかない侍従は、イワンを言ってしまいます。 もちろん普通の人では探せないのでしょうね♪  何故か熟睡しているイワンを早速起こした侍従は、王様の前にイワンを引っ張ってくるが、やっぱり眠たさに勝てずにいる。 このあと、羽を見つけて我にかえるイワンが、王様の勅令を聞くこととなりますが、イワンには魔法使いの仔馬がいます。 よーしこれは探すかいがある。って思ったかは分かりませんが、早速火の国の姫を探しに出かけます。 またまた先程の楽曲・・ 空を飛んでいるかのようなイメージで、難度の高いステップで魅せてくれます。 イワンと仔馬はシンフォニーを奏でているかの様です。 月の影が変わり、舞台の色が変わり、ついに火の鳥が暮らす国へと到着します。


2幕へ続く・・・・
今日はここまでにします
また時間のある時に、覚えている範囲で書いてみますので、少し思い違う等有るかもしれませんが、出来るだけ正確に書こうと努力してみます

明日、明後日は2日連続で『オールスターガラ』です。
今公演もあと2日間。

それと、早速速報が出ていました
http://ja-ballet.seesaa.net/article/135117528.html


<雌馬役のエカテリーナ・コンダウーロワ。手首を前に曲げる馬のポーズが可愛らしい!> と、ありました。本当にそうです。



2009年12月5日土曜日

12/5 眠れる森の美女 5回目


  写真はJapanArts バレエブログから
   http://ja-ballet.seesaa.net/article/134779351.html
 もし掲載に対して問題がある場合は連絡ください  


  今日はJAさんの招待で『眠れる森の美女』を観ることになりました。 マリインスキーのこの演目は前回のディアナ・ヴィシニューワ&イーゴリ・コールプの出来が余りにも濃密過ぎだったせいか、先入観に気をつけてリセット状態で観なければ・・と言う心づもりで会場に入りました。やっぱりとてもとても長いのですが、今日はテリョーシキナのほやほや感のあるオーロラを楽しみにしておりました。 
 ところでJAさんのサイトですが、「白い猫はヤナ・セーリナと長靴をはいた猫はグリゴーリー・ポポフ」の写真が出ておりました(写真左)。やっぱり可愛いし、でも舞台では感じませんでしたが、どちらかというと美人系ですね♪ サラエファーノフの画像とサイン会の情報もあります。握手で立ち上がったりと、彼はさすがですね。ソーモワとの舞台でなければ、テリョーシキナとのペアリングでもう絶対観ていたと思います。

眠れる森の美女 プロローグとアポテオーズ付き全3幕

   音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
   振付 : マリウス・プティパ (1890年)
   改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ (1952年)
   台本 : イワン・フセヴォロジスキー
        マリウス・プティパ
   装置・衣裳 : シモン・ヴィルサラーゼ
   指揮 : ボリス・グルージン
   管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団
   
≪出演≫
   オーロラ姫 : ヴィクトリア・テリョーシキナ
   国王 : ウラジーミル・ポノマリョーフ
   王妃 : エレーナ・バジェーノワ
   デジレ王子 : ウラジーミル・シクリャローフ
   求婚者たち : コンスタンチン・ズヴェレフ
           : マクシム・ジュージン
           : アレクセイ・チモフェーエフ
           : デニス・フィルソーフ
   リラの精 : ダリア・ヴァスネツォーワ
   優しさの精 : マリーヤ・シリンキナ
   元気の精 : アンナ・ラヴリネンコ
   鷹揚さの精 : エレーナ・ユシコーフスカヤ
   勇気の精 : ヤナ・セーリナ
   のんきの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
   ダイヤモンドの精 : アナスタシア・ペトゥシコーワ
   サファイアの精 : ヤナ・セーリナ
   金の精 : アンナ・ラヴリネンコ
   銀の精 : エリザヴェータ・チェプラソワ
   悪の精カラボス : アントン・ピーモノフ
   カタラビュット / ガリフロン : ソスラン・クラーエフ
   家来 : アナトーリー・マルチェンコ
   フロリナ王女 : マリーヤ・シリンキナ
   青い鳥 : アレクセイ・チモフェーエフ
   白い猫 : クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
   長靴をはいた猫 : フョードル・ムラショーフ
   赤ずきん : エレーナ・ユシコーフスカヤ
   狼 : アナトーリー・マルチェンコ
   子供たち : バレエ シャンブルウエスト (指導:今村博明,川口ゆり子)

今日もクセーニャ・オストレイコーフスカヤは降板ですね。代役、変更などはっきりとはアナウンスを覚えておりません。すみません

 前回、ディアナ&コールプに対して体現と言う言葉を使いました。もちろん間違いでは有りませんが、「正統」と言う意味に於いてはテリョーシキナのオーロラは、とにかく「正統派」であり「美そのもの」でした。全てのソロ・バリエーション、パ・ド・ドゥが音に正確に消化されていますし、バランス感覚、指先から足先迄のライン、腕と首筋のラインが、本当に素敵でした。目線なんてもう最高です。完璧なラインを持って観せて頂く事ができたと感じます。もちろん昨日同様、テリョーシキナにはスタンディングでお送り致しました。ディアナなどに於いても1つ1つパが繋がらない事、なにせ3時間以上のプログラムですし当然あります(彼女は、小さな事を気にさせない高品位な質で相殺されますが)。 が、テリョーシキナは圧倒的な技術と演技で、ローズアダージョさえ笑顔と余裕をもって4人の交代をそれぞれ終了しましたね♪ もう何が来ても、どんなに難しいパも彼女の技術と演技に於いては無駄だと感じるくらい。3幕のグラン・パ・ド・ドゥまで途切れることのない正確なバランス感覚で軽くクリア。

 今日はわたし一度、過呼吸気味になりました(となりの人に、のぞき込まれて恥ずかしかったです)。「オーロラの登場」です。登場自身はそれほどでもないと思っておりましたが、逆に意外と地味だったので、「やっぱり」的な感覚を持っておりましたが、4人から1本の花をもらい、足を高く上げるパート(全然バレエのパの名前を知らない私でした・・バレバレです)があるのですが、そのタイミング(日本語で”ため”)美しいこと、・・・吸った息を吐くことが出来ずにいました。ボリス・グルージンさんは本当にこのパートをゆったりと振りました。完全にシンクロしたアダージョは本当に美しい、言葉では表現出来ない位の出来と感じました。それぞれがつながり、オペラグラスで覗いてても無駄と思える動きが無く、バレエと感じないくらい自然な時間の流れです。 これのあとはこうして・・・ をあの安易度のパの中で、崩れずに踊り切るテリョーシキナでした。

 そう、ここまでテリョーシキナの事を書いた訳ですが、ウラジーミル・シクリャローフとの息が違い過ぎるし、音感が合っていないと感じました。悪しき意味のヘテロフォニーを奏でている2人。互いは素晴らしいのに、組だすとスピードが落ち、つまらなくなる。 彼自身あまり知らないのですが、ソロでの彼はそれはそれで、ブラボーに値する技術を備えております。 ・・・がそれは持って生まれた感性ですし、違いは大きい。特に3幕グラン・パ・ド・ドゥではその相性の良し悪しがはっきりと出る様な気がします。昨日のペアを観ているから余計にそう思うし、ここはディアナとコールプだったらなんて思いってたりしました。 2人でのサポート付きのピルエットが回れないし、合わないし、伸ばすアームにシンメトリーな形が出来ない。瞬間的に合わないし、もう少しこのペアには長い時間が必要なのかもしれない。 などと今日思いました。 というわけで、本当に勿体無い舞台。でもテリョーシキナのこの素晴らしいオーロラを観れた事はJAさんに感謝♪


ところで、ここ最近チラシを受け取って無かったので気がつきませんでしたが、来シーズンの国立劇場バレエ(新芸術監督・ビントレー就任)の演目が一部発表されております。
詳細はわかりませんが、下記の記載でした。
  2010年10月  ビントレー振付 「ペンギン・カフェ」 ← 全く知りません
  2011年5月   ビントレー振付 「アラジン」  ← やっぱり感です、当然でしょうね
  2011年6~7月 マクミラン振付 「ロミオとジュリエット」 ← これ嬉しいです


来週もマリインスキー週です
みなさん、寒いですし雨などもあり、乾燥は余りないかもしれませんが、お体大切にして下さい♪

2009年12月4日金曜日

12/3 眠れる森の美女 ・・昨日の続き・・

全17回の2009年の公演スケジュール。 11/21名古屋から始まった公演は12/10.11の2回のガラ公演で終了です。いよいよ終盤でしょうか。来週もたっぷりマリインスキーウィークとなりますが、みなさん怪我などしない様に頑張って欲しいと思う1ファンです。 ところでJAさんのBLOGでは度重なる更新で本当に楽しまさせて頂いておりますが、ついに最終のガラ公演の詳細発表がありましたので貼りつけます。迂余曲折あったキャスティング、演目でしたが、マリインスキーウィークで知り得たオールスター達。 演目もさることながら、この布陣は素晴らしいものとなりそうな顔ぶれ・・。 『イワンと仔馬』を前にしてこんなこと言うのも時期尚早ですが、やっぱり嬉しい限り♪

【12月10日】
【第1部】「シェエラザード」
ゾベイダ:ウリヤーナ・ロパートキナ
金の奴隷:ダニーラ・コルスンツェフ

【第2部】パ・ド・ドゥ集
「ジゼル」 2幕のパ・ド・ドゥ
アリーナ・ソーモワ /ミハイル・ロブーヒン
「グラン・パ・クラシック」
エヴゲーニャ・オブラスツォーワ/マキシム・ジュージン
「シンデレラ」パ・ド・ドゥ
ディアナ・ヴィシニョーワ/イーゴリ・コールプ
「瀕死の白鳥」
ウリヤーナ・ロパートキナ
「タランテラ」
ヴィクトリア・テリョーシキナ/レオニード・サラファーノフ

【第3部】 「海賊」組曲
メドーラ:アリーナ・ソーモワ
コンラッド:エフゲニー・イワンチェンコ
アリ:ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
3人のオダリスク:マリーヤ・シリンキナ/ヤナ・セリーナ/エリザヴェータ・チェプラソワ

【12月11日】
【第1部】「シェエラザード」
ゾベイダ:ディアナ・ヴィシニョーワ
金の奴隷:イーゴリ・コールプ

【第2部】パ・ド・ドゥ集
「シンデレラ」パ・ド・ドゥ
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/ミハイル・ロブーヒン
「ロミオとジュリエット」バルコニーの場面
ヴィクトリア・テリョーシキナ&エフゲニー・イワンチェンコ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
アリーナ・ソーモワ&レオニード・サラファーノフ
「瀕死の白鳥」
ディアナ・ヴィシニョーワ
「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
ウリヤーナ・ロパートキナ/イーゴリ・コールプ

【第3部】 「海賊」組曲
メドーラ:ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンラッド:ダニーラ・コルスンツェフ
アリ:ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
3人のオダリスク:マリーヤ・シリンキナ/ヤナ・セリーナ/エリザヴェータ・チェプラソワ


主題ですが、ディアナの2回目です。こんな書き方をするつもりは無かったのですが、本当に10時を過ぎる公演は、帰ってからの時間が厳しい!です。書きたいことは事は、昨日書けなかった下の項目
その① ローズアダージョ (詳細未書)
その② 森のパ・ド・ドゥ (詳細未書)
その③ 幕間のバイオリンソロ (詳細未書)
その④ 結婚式のパ・ド・ドゥ (詳細未書)
その⑤ 今日も遅くまで頑張っているJAさんと、サインが大変な2人 (詳細未書)

その① ローズアダージョ (・・その前から)
もちろん素晴らしいのはここだけではありません。 が、この幕では16歳のオーロラが招待された来賓へのあいさつから始まります。また国王は年頃のオーロラへ良い縁組を計画しています。登場人物のほとんどがオーロラへの期待でワクワク。一方花婿候補は、ドキドキしながらオーロラを待っています。大きな(舞台上、観客含め)期待を一身に浴びて登場するオーロラ役は、ここが全幕の決めるポイントである事をもちろん知っていますし、ディアナはその期待に見事、いやそれ以上に答えました。もうポワントが床に着いている時間の方が短いくらいに。チャイコフスキーの飛び跳ねる様な楽曲が後を押します。弦楽器の優しい音から入った楽曲は、その登場を期待してたかの様に盛り上がります。 オーロラは国王、王妃に説明されるまま花婿候補に向く目線。本当にディアナなのか? なんとも愛くるしいし、若いです。全く年を超越した表情が期待に答えた結果なのでしょう。そこからのヴァリエーションはもちろん前回書いた通り、完璧・・ただただ美しさでうっとりしておりました。上半身の力が全く抜けた様に軽く、確りした軸。 『白鳥の湖』を観たときに感じた少し細くなった筋肉は、オーロラの為だった気さえします。 ハープが響きだし、いよいよローズアダージョに入ります。花婿候補の手を取った瞬間から、わたしの鼓動も上がりだします。 4人とのアチチュードでバランスをとり続けるところは第1回目の緊張でしょうか? 彼女にとっては如何なのでしょうか? なんとも軽く過ぎ去ってしまっていますし、ガクガクした腕は無し。ほとんどの場合力が入っている姿が一気に冷める原因になる場合が多い、この場面。 ディアナは違ってた♪ 美しいバランスは、観てて長く長く感じました。楽曲がスローになります。ボリス・グルージンさんは、本当に好き。見せ場をわきまえてるし、キャッチアップが完璧。 それぞれ4人の求婚者たちはみんな男前だし。トロワで目立っていたマクシム・ジュージン君は顔が小さいせいか、身長がもう少し高いと思っていましたが、マリインスキーの他の男性陣と比較すると意外だった。2回目のバランスでは、ディアナは観客に笑顔を振りまいている。 鳴り止まない拍手とブラボーでした。 とっても満足しました。 熱いよ♪

その② 森のパ・ド・ドゥ
その前に・・・ コンダウーロワはとってもシャイなのかな? 白鳥では堂々としている感じが造った様に感じられ、逆に頑張りすぎ感がありましたが、今日は身の丈にあった演技と感じます。本当のところは全く判りませんが、恵まれた長い手足を生かしたリラは、優雅な楽曲にぴったりですし、役が生きている。
やっと2幕目でコールプの登場。待ってっいたよ。 でもやっぱり彼の雰囲気は変わらず妖しい王子。ノーブルに振る舞いながら醸し出す雰囲気はコールプだった。 ・・あとに続く!
1幕の16歳のオーロラとは別。 明らかに別人格となって登場した幻想のオーロラ。リラの精に導かれ、デジレ王子と対面します。ここではとってもシャイな1面と、妖しい雰囲気と、愛らしさでした。相反する表現なのに・・・。シャイな1面は、群舞の間をすり抜けるオーロラです。 オペラグラスでのぞき込んで観た表情は、デジレ王子を見るか、見ないかのぎりぎり。下からチラッと見る表情は、駆け引きではもちろん無く、恥らいされ感じられます。 もちろん通り道を気にする様子の無いディアナは、1回目群舞と少しぶつかってたりしますが、気にしない! ( ・・演技上位なのでしょうね、わたしは観てて判ってるふりしてみました。) また妖しい雰囲気(この版では、最初にパ・ド・ドゥが来るのですが、そこ。)は、いきなりデジレ王子に無邪気に近づき、後の布石とさえ感じます。 誰? って声がデジレ王子から聞こえてくる位に。 堂々とした姫がこの表情で来られたら、王子はもちろん愛しちゃう。 見事術中に・・・。それにしてもサポートが上手いコールプ。簡単にさえ感じる。 白鳥の湖で感じた次元はここで分かった気がしました。やっぱり超えているし、先日書いた
>ディアナの潜在的な核反応に、異常が見受けられます
は、解釈そのものが以前との変化なのだと感じました。以前コールプでインパクトのあったは2006年の合同公演での『薔薇の精』です。その時から、ミハイロフスキー客演他何度か彼を見ていますが、ディアナとは別次元と感じます。 あと愛らしさはその間にたくさん散りばめられていました。 群舞、リラ、デジレ、オーロラ ・・ 本当に美しい舞台。

その③ 幕間のバイオリンソロ
楽曲名は実は知りません。わたしはある人の影響でパリ・オペラ座のDVDをが大好きになった1人です。(残念ながら舞台にはあまり縁がありませんが) もちろん、『眠れる森の美女』はオーレリーがオーロラを演じる、ヌレエフ版。 あの幕間のバイオリンソロは、マニュエル・ルグリが長い長いマラソンと称するヴァリエーションに割り当てられたパートなのです。男性ソロをしっかりと作り上げたヌレエフ。 当日このパート、途中まで聞いてて何故?って思っておりました。ヴァリエーションの割り当てが無いっておくしくない? 中だるみになるよ ・・って。 でも意外と最後は美しい旋律をこう聞くのも悪くない・・的な感想され覚えました。 その後に見事に続いている舞台でしたし。プティパの原典版を知らないわたしは、セルゲーエフ版と比較するつもりはありませんが、パンフレットを読むと、パステル調への衣装色彩の変更と、公演時間の短縮した事が載っておりますが、少なくともこの2点は成功したのではないでしょうか。

その④ 結婚式のパ・ド・ドゥ ・・ほか
わたしが語る迄も有りませんが、ほんとうに素敵でした。
特筆すべきは、結婚式での衣装。ウエディング用の刺繍のたくさん入った白のドレスです。昔の事なので正確性に欠けるかもしれませんが、モデルさんに洋服はどこできるもの?という質問に対して、「肩できるのよ」って答えたTVを見たことがあります。そう、細い肩はアームからデコルテに繋がる線がドレスを着るコツなのね! 見事に2人は収まって来賓たちを迎えていました。 白猫は意外と出が豪華でしたし、宝石たちはキラキラし、被り物の狼はなりきってるし、フロリナと青い鳥はとっても可愛い。すべて揃った感があるこの場面・・足りない物は、無しでしょう。

わたしがドキドキしたポイントはここです
④.1 長靴をはいた猫&白い猫 ヤナ・セーリナの美しく上がるトゥに ♪
④.2 フロリナ王女と青い鳥 のヴァリエーションなどなど エフゲーニヤの素敵さに♪
④.3 オーロラ&デジレ王子 全て コールプにノーブルさを感じてしまったわたしです

ディアナとコールプは、チャイコフスキの楽曲と、セルゲーエフの振付を見事に体現してくれました。特にディアナは彼女の後に音符が追てくる様な操り方を観せてくれました(これが感動)。 実はマエストロが支えているし、コールプとのペアでなりたちますし、群舞とのタイミングも大事なのでしょうが、難しい事がこの舞台では頑張った感が無く、美しさだけで構成されました。
それと
その⑤ 今日も遅くまで頑張っているJAさんと、サインが大変な2人
JAさんには大変感謝!
各担当さんが頑張っているのは大変嬉しく思います、もう少しで終了ですが、バレエ部のみなさん(ってあるのかな?) こちらも風邪など引かないように、毎日寒いですから

12/3 眠れる森の美女 4回目 (ブラボー♪)

  
 今日は待ちに待ったディアナ&コールプの『眠れる森の美女』です。マリインスキーのこの演目は全くの初見ですし、3時間40分、終演予定 22:10とあるくらい、とてもとても長いのです。でもその分舞台を長い時間楽しめますが、少し体力的な部分が心配だったのですが、問題ありませんでした。 折角の日が雨とは・・・・。 それはそうと、JAさんのBLOGにあった3日間とも、リラの精は エカテリーナ・コンダウーロワと発表があったにも関わらず、3日目、テリョーシキナ&ポノマリョーフの日は、ダリア・ヴァスネツォーワとあります。少しだけ残念ですね♪ それでも赦しちゃうマリインスキー。でもキャスティングは時の運ですし、しょうがありませんね。もちろんどんなリラになるか楽しみですし、2回目の『眠れる森の美女』はもちろん、テリョーシキナ&シクリャローフの明後日です。 (オブラスツォーワのオーロラが東京であったら、もちろん買ってしまってたと思いますね)

眠れる森の美女 プロローグとアポテオーズ付き全3幕

   音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
   振付 : マリウス・プティパ (1890年)
   改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ (1952年)
   台本 : イワン・フセヴォロジスキー
        マリウス・プティパ
   装置・衣裳 : シモン・ヴィルサラーゼ
   指揮 : ボリス・グルージン
   管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

≪出演≫
   オーロラ姫 : ディアナ・ヴィシニョーワ
   国王 : ウラジーミル・ポノマリョーフ
   王妃 : エレーナ・バジェーノワ
   デジレ王子 : イーゴリ・コールプ
   求婚者たち : コンスタンチン・ズヴェレフ
           : マクシム・ジュージン
           : アレクセイ・チモフェーエフ
           : デニス・フィルソーフ
   リラの精 : エカテリーナ・コンダウーロワ
   優しさの精 : マリーヤ・シリンキナ
   元気の精 : アンナ・ラヴリネンコ
   鷹揚さの精 : エレーナ・ユシコーフスカヤ
   勇気の精 : ヤナ・セーリナ
   のんきの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
   ダイヤモンドの精 : ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク
   サファイアの精 : ヤナ・セーリナ
   金の精 : アンナ・ラヴリネンコ
   銀の精 : エリザヴェータ・チェプラソワ
   悪の精カラボス : イスロム・バイムラードフ
   カタラビュット / ガリフロン : ソスラン・クラーエフ
   家来 : アナトーリー・マルチェンコ
   フロリナ王女 : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
   青い鳥 : アレクセイ・チモフェーエフ
   白い猫 : クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
   長靴をはいた猫 : フョードル・ムラショーフ
   赤ずきん : エレーナ・ユシコーフスカヤ
   狼 : アナトーリー・マルチェンコ
   子供たち : バレエ シャンブルウエスト (指導:今村博明,川口ゆり子)

小ネタ:本日の変更(劇団の都合)
 サファイアの精 : ヤナ・セーリナ → マリーヤ・シリンキナ
 白い猫 : クセーニャ・オストレイコーフスカヤ → ヤナ・セーリナ に成っていたけど、ヤナ・セーリナはとっても上手いし、ぴったりサイズでした。
クセーニャ・オストレイコーフスカヤどうしたのかな? ケガで無ければ良いのですが・・。 ほぼ終盤に差し掛かってきておりましが、みなさん気を付けて下さい(ケガの場合は、みんな納得出来ると思いますので、無理をせずにね)

 先日に引き続き、指揮はボリス・グルージンさん。彼の指揮はとてもメリハリが聞いていて、マリインスキーのダンサー達も慣れているのでしょうか、フィーリングとしては、楽曲をキャッチアップし対応する姿を何度か目の当たりにしております。特にディアナの感性にも大丈夫でしたし、コール・ド、ソロイストの人たちも、テンポに対するキャッチアップは全然OKです。オーケストラ付きのバレエ団が少し羨ましく思いますし、でもこれが本来の姿なのでしょう。 なぜってダンサーのポテンシャルを十分にひき出すことを目的としているからです。 簡単♪ だけど、日本に無いことが悔しい思いです。

 装置、衣装はシモン・ヴィルサラーゼさん、パンフレットを読んでて、セルゲーエフ版はパステルカラーに変化した・・という記述がありました。1幕のワルツのコール・ドのグリーンの美しいこと。今日の一番気の引いた衣装はゴージャスな国王、王妃の幕毎に違う、色使いと金刺繍。 1幕目が花紺です。 少し明るい目のベルベットベースに金色のアラベスク模様(つる草の絡み具合が込み入ったものに・・など)。 各妖精たちは、オレンジ、もちろんリラは・・思いつくところはヴァイオレットです。 2幕はもちろんグリーン系「草緑」。男性コール・ドは若草色と生成+パステルグリーンの上下。女性はパステルグリーンの上下プラス生成と、とことんこだわりの色彩を場面ごとに使える豪華さに目を奪われます。3幕目は臙脂色。王妃のドレスはパール系の白をベースにしたもので、これも刺繍が凝っている。 極めつけは、3幕で、オーロラが着た、ロングのウエディングドレス。(わたし、オーロラのウエディングは初めて見ました) デジレとオーロラは3幕結婚式の登場では、クラシックチュチュではありませんでした。 長いトレーンを引いて(2人の子役がトレーンベアラーとして出演)金と生成の刺繍がびっしり入った純白のドレスでした。 ここはもしかするとオートクチュールの域かもしれません。 数年前(映像でしか見たことありませんが)、クリスチャン・ラクロワがデザインした衣装が話題となりましたが、今回の衣装も本当に豪華。? 豪奢っていう方が合うかな? もちろん被り物を得意とする?マリインスキー、長靴をはいた猫 、狼、ほか・・・・ いや・・とにかくすごいに尽きました。

本題です
とっても長いと予測していた3時間40分でしたが、全然大丈夫♪ そんな事無い!

 何度かディアナの舞台を鑑賞させて頂いておりますが、今日の舞台は最強、最光(高)でした。 もう言葉を書くとすると、描いた端から、陳腐になる気がして仕方ありませんし、こんなキラキラしたディアナを観たのは初めてでした。マリインスキーでのプリンシパルとしての姿なのですね。 舞台の一体感で言うと、美しいコール・ドとロシアバレエの優雅さを堪能する事ができたましたし、主役のオーラとして、ディアナとコールプの完璧なペアリング(本当にオーロラを愛している感 満載)が挙げられます。サポートの上手さはディアナがあって120%になると感じます。 特に3幕でのコールプの目線はオーロラを放しませんし、美しい(ジークフリートとは大違いでした)。 オーロラは本当に姫としての、(ローズアダージョの時と比較にならない位に)輝きを放っていました。 豪華な舞台装置・衣装、楽曲のテンポと盛り上がり、オーケストラの出来以外は申し分ないでしょう。上に書いたとおりです。 脇を固めるソロイスト ディヴェルティスマンの出来は、これもそれぞれ満足です。フロリナ王女は愛らしいし、エフゲーニヤの技術のベースは楽曲である事が確認できた。コンダウーロワはどちらかと言うと、技術さんです。楽曲を上手く捕まえる事ができれば、私的には「First Soloists」です。でも彼女は既にFirst Soloistsなのです。ヤナ・セーリナは今回特に目立つ存在。 足が上がる。 楽曲にも乗れるし、たぶん2010/10の公演では、マリーヤ・シリンキナと併せて観ることが出来る気がします。

 ディアナの今日のオーロラは一言でいって完璧に見えました。併せて(やっぱり爽やかな王子とはいかない・・)妖しいデジレ王子も全開。やっぱりこの2人が素晴らしい。今日はこの2人が世界で一番好きになった夜です。また気持ちよかったのは、文化会館に集まったお客さまたちはコンダウーロワとオブラスツォーワにも特別な温かさを持って接していましたし、今日の舞台は奇跡的な舞台。先日と言い、今日といい、本当に良い舞台を連続で観せてくれているマリインスキーバレエ団の素晴らしさにブラボーをお送りしましょう♪ スタッフも出待ちの人たちが多い中、毎晩遅くまでの仕事にも大変感謝したいです。(今日は終了遅かったので早々に帰りましたが、家へ着いたら書くことが出来ない時間でした)

 何度かうっすら涙目になる位の方心状態になる過程での幾つかのシーンを書いてみます。もちろん劇場の中、休憩時間で収まらない位に高揚している気分は、外の風に当たりたくなります。これで少しは落ち着くことが出来た感覚。
 その① ローズアダージョ (詳細未書)
 その② 森のパ・ド・ドゥ (詳細未書)
 その③ 幕間のバイオリンソロ (詳細未書)
 その④ 結婚式のパ・ド・ドゥ (詳細未書)
 その⑤ 今日も遅くまで頑張っているJAさんと、サインが大変な2人 (詳細未書)

 わたくし事ですが、今日は周りを一切気にせず、適当な処でスタンディングオベーションになってしまいました。また本当にほんとうに、初めての「ブラボー」コール。どうしようも無く言いたくなる時はあるものですね♪ 以前、フェリの引退公演では、紛れてエセ「ブラボー」コールをしたのですが、今日は確かに2人に向かって声をあげている状態でした。それも2回も! やっと4年目でのデビューとなりました。

今日は画像の整理もできておらず、遅いのでこれくらいにしますが、時間がある時にはまた続きを書くこととします ・・

2009年12月1日火曜日

11/30 白鳥の湖 3回目

  
 本日は楽しみにしていたヴィシニョーワの舞台「白鳥の湖」です。今日は少し時間の猶予があったので、早い目に入り、ホワイエでゆっくりしておりました。マリインスキー『白鳥の湖』3回目の公演です。でにJAさんも白鳥の湖が好きなのか、やっぱり集客なのか、そろそろ演目も考えて欲しいところ♪

白鳥の湖
    音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
    振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
    改訂振付 : コンスタンチン・セルゲーエフ
    台本 : ウラジーミル・ベーギチェフ,ワシーリー・ゲーリツェル
    装置 : シモン・ヴィルサラーゼ
    衣裳 : ガリーナ・ソロヴィヨーワ
    指揮 : ボリス・グルージン
    管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団
≪出演≫
     オデット/オディール : ディアナ・ヴィシニョーワ
     ジークフリート王子 : イーゴリ・コールプ
     王妃 (王子の母) : エレーナ・バジェーノワ
     王子の家庭教師 : ソスラン・クラーエフ
     道化 : ラファエル・ムーシン
     悪魔ロットバルト : イワン・シートニコフ
     王子の友人たち : ヤナ・セーリナ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/マクシム・ジュージン
     小さな白鳥 : エリザヴェータ・チェプラソワ/ヤナ・セーリナ
              ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エレーナ・ユシコーフスカヤ
     大きな白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/ユリアナ・チェレシケーヴィチ
              アナスタシア・ペトゥシコーワ/リリヤ・リシューク
     2羽の白鳥 : ダリア・ヴァスネツォーワ/オクサーナ・スコーリク
     スペインの踊り : アナスタシア・ペトゥシコーワ/ヴァレーリヤ・イワーノワ
                イスロム・バイムラードフ/カレン・ヨアンニシアン
     ナポリの踊り : ヤナ・セーリナ/マクシム・フレプトフ
     ハンガリーの踊り : ポリーナ・ラッサーディナ/ボリス・ジュリーロフ
     マズルカ : アリサ・ソコロワ/オリガ・ベリク/ナターリア・ドゥゼヴリスカヤ
            スヴェトラーナ・シプラトワ/ドミートリー・プィハチョーフ
            カミーリ・ヤングラゾフ/ニコライ・ナウーモフ/セルゲイ・サリコフ

大きな白鳥では、エカテリーナ・コンダウーロワが本日登板。降板した人を覚えておりませんが、たぶんユリアナ・チェレシケーヴィチではないかな・・と思っておりました。 コンダウーロワは、今の「大きな白鳥」に入ってても目立ちまね♪ やっぱり奇麗だわ

今日って言うか、今公演の・・ディアナの様子が変です。
あの彫像のような、とっても美しい筋肉が ・・・ 全般的に細い。 もちろん腕も明らかに変わっているし、2場で登場したとき思わずオペラグラスを覗き込みました。 鮮烈ささえ感じるオデットをイメージしていましたし、情熱的なオディールは、鍛えられた技術の上で体現して頂ける事、とても楽しみにしていました。運命を受入れ、それでも無償の愛の強さを期待していました。ディアナは運動をしないダイエットしたての筋肉の無い体のように・・ってわけありませんが、でもディアナの潜在的な核反応に、異常が見受けられます。オディールではその反応がとても気持ちよく、また3幕はそのギャップを楽しんだ、3年前の公演。ディアナもまた(いつもより)静かなオデットでの始まりでした。面白かったのは、コールプ。彼もまた少し細くなっている。わたしの目がおかしいのかな? って勘違いするくらい2人とも違う次元にいた様な気さえします。内面的には、夢見がちな女性の様なロマンティックさと、子供の様にナイーブさ、ナルシズムと妖しさも併せもった彼のジークフリートは、キャラが立ってたはずが、今日は、多面性が少しだけ。 逆にとっても解り易く演じてました。パ・ド・トロワの後のワイングラスを持ったワルツでは、コールプの後ろにマクシムが並ぶのですが、どちらが王子なのか分からない位に、彼も優しいだけの王子になっていた感じです。

 1幕2場、湖畔の情景ですが、しずかにオデットの登場です。先ほど書いた様に、ディアナじゃ無いみたい。ジークフリードの手を取るシーンはイメージ通りのディアナだった。しっかりと見知らぬ男性の手を握り目を見ていた様。そのあとの細やかさがここを揺さぶる。 一瞬は心を許した様に見せ、でも瞬間的また今までの運命を思い出す「こころの動き」が、とても解り易い。 実はこのオデットはとっても気弱な女性を表現している様にも見えてしまう。内面の弱さを出せない性格、責任とこころの芯がいつも相反し、この心労は見てるだけで辛い。ディアナの今回の手足の細さがその演技を助長させる。もちろんいい意味で。 ・・(わたしの)心が痛む・・ パドドゥが終わった後は、ここでもやはり拍手が止まらない。ロパートキナとはもちろん種類の違う感動。この状況でもマリインスキーのプリンシパルの力。 今日のディアナ、安定していたと観るか、物足りないと観るかは賛否。でも一瞬の舞台は待ってくれない為、舞台は進んでいく。ロパートキナの日、少し違和感があった1幕2場でのオデット・最後のヴァリですが、今日見てやっぱり少しロパートキナがアレンジしている事が解りました。やっぱり細かいところアレンジしているのですね♪ 舞台上手後ろから、下手前方に進むのですが、腕の動きだけじゃない。ほんとうに一期一会である事を改めて感じます。

 大きな白鳥では、コンダウーロワが登場しています。すぐに分ります。舞台は人を強くするのでしょう。自信は美しさに繋がり、経験がミスをカバーするのでしょうか。なんて言いながら横浜の公演を観ていなかったとすると、わたしなどはそう感じなかったかもしれないし、今日の舞台でコンダウーロワをそれほど注目出来ていなかったかもしれない・・・・と思うと、鑑賞眼は、結構いい加減なのかもしれません。 たぶん! それ分を差し引いてもやっぱりうまかったと思います。 逆に他のメンバーの問題かも・・ 今の稚拙なわたしではわかりませんが。

 3幕では、ジークフリードにリフトされ、ロットバルトに向かう目線が好きです。今日のディアナは予測通り、本当に一貫性のとれた所を見ると、やはり全体的な方向性、解釈を以前とは少し変えたのかもしれませんね。 舞台鑑賞前は、目線をロットバルトへ・・「向かえうつ位の勢いと愛をもって、立ち向かう」と予測しておりましたが、1幕を観た後では、これはあってはならないと、幕間の休憩時間に考えておりました。 また最後2人で歩く情景も優しく寄り添う的な部分を表現するかな? って。 ある意味当たっていたと思います。

今回の公演では、プリンシパルのハプニングが多い様ですね。疲れているのでしょうか?
お体を大切にして欲しいと思いますし、疲れているのであれば、「頑張り過ぎないで」って思います。
                              




それはそうと、JAのサイト
に、滋賀県・びわこ公演でのとても愛らしい写真があります。
オブラスツォーワ&シクリャローフの『眠れる森の美女』 ・・この公演は東京だったら必ず見に行っていたキャストですね♪ オブラスツォーワがなんとも愛らしい♪

 ← 紹介します オーロラオーラ満杯♪ 

あまりにも愛らしい写真なので掲載してみます。
木曜日は、再度ディアナの『眠れる森の美女』 さて、オーロラを楽しみにして待つ事とします






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2009年11月28日土曜日

11/28 Arabesque No.13

 
グルジア・トビリシ州立バレエ(またまたニーナねたですが・・)から
No.13 The periodical Magazine of the Ballet of Tbilisi Opera & Ballet Theatre.
がリリースされていました。


ABTでの Farewallにともなって、各関係者、友人?からのカードの掲載があります。
でも、No.12が無くなっているし、なにか差し替えがあったのかもしれませんね。
その中( 2009 No.13)の、
NINA ANANIASHVILI: “SWAN LAKE WAS THE FIRST AND THE LAST”
FOUR EVENTS AT THE AMERICAN BALLET THEATRE で

    Nancy Ellison(バレエ・シアター取締役?)
    Kevin McKenzie(美術監督)
    Maria Rizetto
    Natalia Osipova
    Irina Kolpakova,
    Vladilen Semenov
    Paloma Herrera
    Japan Arts Corporation




などの名前がみえます。みなさん、大好きなニーナにコメントされています
その中で、KAMPAIの文字が・・・ Japan Arts Corporation ですね♪
グルジア語で書かれた寄せ書き?、やっぱり寄せ書きに見えます。