いよいよ、マリインスキー2009年冬公演は、明日のガラを残すのみとなりました。今回私は全8回見に行きます。 結構頑張ったと私なりに思います。 結構スケジュールがキツくても負けずに、雨が降っていても寒さに耐えて、ロパートキナの出待ちをしたり、いろいろな思いでと共に明日の公演で終了となることが少し寂しくもあります。本日は、『オールスター・ガラ』を観てまいりました。でも全くもって消化不良。 もちろん、ダンサー達ではありません。JAさん。時間が押してるのか、別に10分遅れても誰も文句は言わないと思いますが、みなさん拍手しているのにも関わらず、幕を下ろすし、カーテンコールは無視するし、最後ひどい事になってました。 下に記します
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団
ピアノ・ソロ : リュドミラ・スヴェシニコワ (タランテラ)
オールスター・ガラ
第1部: ≪シェエラザード≫ [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ/振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー
シャリヤール王 : ソスラン・クラーエフ
王の弟 : カレン・ヨアンニシアン
宦官長 : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ : ウリヤーナ・ロパートキナ
黄金の奴隷 : ダニーラ・コルスンツェフ
オダリスク : アナスタシア・ペトゥシコーワ:エフゲーニヤ・ドルマトーワ:リュー・チヨンまず出足でオダリスクの3人に射止められました。この演目『シェエラザード』は私にとって初見です。DVD等では、「パリ・シャトレ座 ニジンスキー」で見て以来、見てみたい演目の上位であった事は確か! 物語自体はとっても劇的なモノですし、楽曲もコルサコフも素晴らしいのですが、こんなに前奏長かったっけ? って言うぐらいに感じました。(すみません知らずに・・・)。昨日マリインスキーの音を聞いていたばかりなので、少し残念な部分が大事な前奏曲でありました。
『白鳥の湖』を演じた2人のペアがこんな物語を紡ぐなんて。 黄金の奴隷のコルスンツェフが、なんとも不思議な感じを受けました。確かにルジマトフの野性味とは比べても意味がありませんが、本当にベゾイダを(ストレートじゃないかもしれませんが)愛している気持ちが延々と伝わります。 王子として最高のノーブルさを得意とする彼の出来としてはどうなのか凄く気になる所です。少しだけ優しすぎると感じてしまいましたが、やはり役として物語としては、十二分の成り立っているし、意外とと言うと失礼ですが、とっても素敵。一方、カギをユーマクから奪い取るシーンで鮮烈な一撃を食らったのは、ロパートキナ演じるゾベイダ。 殺気立つ雰囲気は、激しすぎる愛し方が滲み出します。この凛とした激しさと彼の愛は、観ていて悲劇に進む他無い感じを醸しています。引き込まれました。 ロパートキナの官能的な一面が新鮮で、こんな演技の持ち主とは思いませんでした。この時間、意味を頭で考える時間があり、冷静にいろいろと巡らしながら、観ることが出来たことは良かったと思います。明日は多分そんな事考えるスキが無い位の官能をディアナ・コールプは観せつけて頂けるのでは無いかと期待します!
この演目45分とありますが、とっても短いっていうか、あっと言う間に終了しました
第2部 パ・ド・ドゥ集: ≪ジゼル≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [9分]
音楽:アドルフ・アダン/振付:ジュール・ペロー,ジャン・コラーリ,マリウス・プティパ
アリーナ・ソーモワ ミハイル・ロブーヒン休憩を挟んで、直ぐに始まりです。なんとも言いようがありません。
でも合同公演で観たソーモアとは別次元でした。・・これ意外です。が、顎のライン、アラベスク、肩の硬さ、ピルエットでの顔のぐらつき、どれもジゼルの雰囲気には私的には好みではありません。・・がやはり進化しているのは確か。以前合同公演Bプログラムでの「眠れる森の美女」では、跳ね回っていた彼女が、やはり少しだけ丁寧になっているし、マリインスキーでなければ満足出来る出来の様に思えます。 本当に良い時間を過ごせているのでしょうね、彼女にとって・・。 すごく愛らしい雰囲気を持っているソーモア、これからもガラ公演で見る機会はあると思います。いつか好きになってくれます様に♪ あと昨日耳が可愛かった仔馬のロブーヒンが今日はアルブレヒトです。ある意味劇的。
≪グラン・パ・クラシック≫ [11分]
音楽:ダニエル・オーベール/振付:ヴィクトール・グゾフスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ マクシム・ジュージンさてさて、どうしたのかオブラスツォーワ&ジュージン。っていうかオブラスツォーワ。調子が上がっていないのか、疲れているのか? こちらは逆に別人になっていました。先日、文化会館の観客は、オブラスツォーワとコンダウーロワに「暖かかった」と書きましたが、今日はツラそうだったので・・・・。 書くほどにつまらなくしそうなので、明日改めて書くことと致します。
≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ [8分]
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ イーゴリ・コールプ今日一番の演目でした。 スポットに照らされたディアナが魅せてくれました。舞台を一瞬で自分の物にする力は随一です。 やっぱり妖しい雰囲気で、純白の衣装を付けて目立っています。ノイマイヤー「椿姫」をグレーな通行人を思わせる、赤のドレスと黒のタキシードの中で、コールプの白の衣装が・・って言うか彼が際立っています。シンデレラは通行人の間をすり抜け、舞っているが次第に少なくなる人・・人。 その孤独感の中でも、白い人たち2人は幸福そうな気分を盛り上げます。見ているこちらまでしあわせでした。 本当に素晴らしいパ・ド・ドゥです。実際ラトマンスキーのシンデレラを知らない私ですが、現代チックでスタイリッシュな振付である事は確かなようです。 もちろんこちらはパロでは無く、少しシリアスな感じを受けました。 一度全幕見てみたいのでアマゾンを探してみましたが、見つかりません。
それとここで書きますが、観客はもう一度ディアナとコールプのカーテンコールを待っていました。全然拍手が鳴り止まないし、私の前方(右ブロック)では、男性だと思われる方は、スタンディングオベーションをしており、立ち上がった瞬間、周りに気を使い、暗くなった舞台に向かって拍手。(この方を褒めてあげたい) それでもお構いなしで、瀕死の白鳥を始めてしまうのはどうかと思います・・
≪瀕死の白鳥≫ [4分]
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ウリヤーナ・ロパートキナブラボー ロパートキナ♪♪
いつ見ても涙が出るのは、立ってれらなくなり、トゥを後ろに回してからのあの姿。本当に白鳥。有機的な生物。
≪タランテラ≫ [7分]
音楽:ルイス・モロー・ガチョーク/編曲:ハーシー・ケイ/振付:ジョージ・バランシン
ピアノ・ソロ:リュドミラ・スヴェシニコワ
ヴィクトリア・テリョーシキナ レオニード・サラファーノフ今回のマリインスキー公演で初サラファーノフです。大好きな彼だけにとっても楽しみにしていた甲斐あって、堪能しました。もちろん演目に。 それとピアノソロがオーケストラよりも断然良い出来すぎます。 聞いていてピアノしか聞こえません。 キレの良い音が弾みます。この演目も初見ですが、技術のしっかりしたペアの演目はやはり盛り上がりますが、『瀕死の白鳥』のあとはないだろう!って突っ込みたくなるのは私だけでしょうか? テリョーシキナは本当に上手いですね。
第3部 : ≪海賊≫ 組曲 [35分]
華やぎの国 ~ メドーラのヴァリエーション ~ オダリスク ~ パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ)
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
メドーラ : アリーナ・ソーモワ
コンラッド : エフゲニー・イワンチェンコ
アリ : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク : マリーヤ・シリンキナ
: ヤナ・セーリナ
: エリザヴェータ・チェプラソワここでもオダリスクの3人に射止められました。私的に音の合わせ方が好きなのは、ヤナ・セーリナなのでしょう。彼女が居ると楽しくなります。オブラスツォーワは本当にどうしたのでしょうか? シクリャローフは1人では、前回も感じましたが、美しいですね。時間があれば直ぐに変わると思います。今日は凄い勢いを感じました。
それと最後にメドーラをコンラッドがリフトして、エンドとなり幕が降りると思われますが、今日はリフトした瞬間に、まだ体が上がっていないのに、幕が降りて見えなくなってしまいました。こんなことって有りでしょうか? もう少し考えて欲しいものです。 こんなこともあり、なんとなく冒頭に書いた消化不良を起こしておりました。
でも・・なんとなく、明日のディアナが気になってしょうが無いのです。
前回2006年もディアナを見ていたのですが、彼女の個性を愛している様なので、書き方のそぐわない所等はご容赦願います。
明日は千穐楽を楽しみにします。ちょうど仕事は休みなのでゆっくりと・・・。
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