新国立劇場は新シーズン開幕演目
本日は新国立劇場バレエの新作『くるみ割り人形』を観てまいりました
本日は新国立劇場バレエの新作『くるみ割り人形』を観てまいりました
キャスト
【金平糖の精】寺島ひろみ
【王 子】貝川鐵夫
【クララ】さいとう美帆
【雪の女王】湯川麻美子
【ドロッセルマイヤー】冨川祐樹
【シュタルバウム】逸見智彦
【シュタルバウム夫人】楠元郁子
【フリッツ】八幡顕光
【ハレーキン】江本 拓
【コロンビーヌ】伊東真央
【トロル】吉本泰久
【ねずみの王様】 市川 透
【くるみ割り人形】福田圭吾
【スペイン】西川貴子 古川和則
【アラビア】厚木三杏 輪島拓也
今井奈穂 大湊由美 中田実里 原田有希
【中 国】長田佳世 吉本泰久
【トレパック】グリゴリー・バリノフ 八幡顕光 福田圭吾
【葦の精】寺島まゆみ 小村美沙 細田千晶
【花のワルツ】遠藤睦子 丸尾孝子 西山裕子
堀口 純 陳 秀介 福岡雄大
マイレン・トレウバエフ 江本 拓
-- スタッフは後述致します --
今回、ネタバレ、新国立ファン(わたしもですが)に不愉快な内容となります。非常に厳しいのですが、感じたままに書いておりますのでご容赦願います。
今年最初の舞台は、ひろみさんの舞台となりました。 今シーズンからは、プルミエ公演はキャンセルしておりますので、初日の小野絢子さんの金平糖の精の舞台は観ることが出来ておりません。少し残念ですが、ゲスト組はもういいかな・・って購入する時に思っておりました事と、意外と席に偏りがあった為、軽く購入継続を致しませんでした。そろそろ2010/2011の演目なども、小出しに出ており、ビントレー新芸術監督になってからの演目には少し引かれている事もあるので、来シーズン(って早すぎですが)の申し込みは少し迷う所です。古典のほとんどを牧先生は、再振付をしており、思いっきり牧版のオンパレードとなってしまった、新国立の舞台。 そんな中の今回の新作『くるみ割り人形』です。まずはパンフレットを購入して席に着きました。 (その中で素敵なデッサン画が有りましたので、貼りつけておきました)
・・・・・ 先に言っておきます。
次回公演は観ないことに決めました。今回3回も買ってしまっておりまして、困ったもの。
※ 困った内容一覧
その① | 始まったと同時に感じた 指揮者・大井さんのテンポが自分と合っていない事 | 本当に始まて直ぐに気になり出しました。気になったら止まりません。修復不能。 今日はオーケストラは悪くなかった気がしますが、出だし、この不景気で、バイオリン の人数減らしたのかな?? ぐらいに感じました。これは指揮の意図と、後で判明しましたが・・ でも最後は可愛いかったです。一生懸命頑張ったのね! |
その② | 1幕目、クララとのパ・ド・ドゥが始まるまでの振付 (途中までバレエ公演とは思えないゆるさ) | 最初から気になってたのは、ここあまりにも、バレエと言うよりって感じのゆるさ。 楽曲が盛り上がってもこのゆるさでダメです・・ 見てるだけで嫌になりました |
その③ | オープニングでのビニール傘 (初めてです。使い方に幻滅。それとあんな現代有り得ない!) | 東京・2009年(限定していないらしい)のクリスマス風景なのに、ビニール傘のおねえちゃん プレゼントを抱えたガラの悪い兄ちゃんは、ぶつかった途端にいちゃもんを付けている って街は渋谷なのか、どうでもいいけどエレガンスとは別世界。ビニール傘が汚れてるのはNG |
その④ | 暗転での明るさ (技術的要素は修正の余地ありです ブルーが少し明るいだけです) | 現代から1910年へタイムスリップしますが、その暗転が明るすぎて、明転に! |
その⑤ | クララの小さくなる時の舞台の作り方 | クララが小さくなる事はできない為、アニメ的な舞台効果をうまく使いクリスマスツリー、 建物の紗幕を大きくし表情を作るも、比率の違いすぎる移動が全然現実感が無いし、 遠近法を使うべき所でした |
その⑥ | 2幕での下手のクララと木の椅子 | 前の人の頭で、下手が見えていなかったので暫く気がつかなかったけど・・、 ディヴェルティスマンのかたそれぞれが、下手へ向かい挨拶をしてて、のぞき込んでやっと 気づいたのですが・・ クララ・さいとうさんが、1人ポツンと椅子に座り、延々と眺め、拍手し、 やや気の抜けた表情。あの長い時間では、やっぱり振付の問題と思います・・完全に! |
その⑦ | 金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥが、楽曲とミスマッチ | アダージョ部分から、楽曲がフルオーケストラになり、見せ場がやってきますが、テンポを 遅くしなければ、各ステップがはまっていませんでした・・と感じました パ・ド・ドゥ自身はとても難しそうに見えます |
その⑧ | 全然楽曲と合っていない、花のワルツ | これが一番つらかった。豪華な衣装にくるまれ、美しく踊れるダンサーを持ちながら勿体無い |
そう言えば、アラビア(キャストでは)→エジプトって場所が違うとか、ツッコミ所が満載です。アラビアの輪島拓也さんは初めて?なので、少し気になってましたが、やっぱりエジプトと書いたほうが合ってます。だって、スフィンクス登場でしょ!
もう書く気にもなれません ・・
ドロッセルマイヤー=サンタクロース? 最後で、ちょー投げやりな生衣装付け (赤いマント(これがまた豪華なので余計に嫌味)と赤い帽子、白のボンボン付き って)。 そうか・・! なんて思いません。 途中でわかってしまいますし、終了の電飾飾りのトナカイなんて、まるで子供劇の様な明解さ。 たくさんお金使って、豪華な衣装と一流の舞台装置を得ても、子供劇を作ってしまった牧 阿佐美。 サンタクロースからクララへのプレゼントが、くるみ割り人形?・・それが言いたい? 本当に困っているさいとうさんの姿が印象的です。昨年までの、ワイノーネン版が良かったです。少なくとも見終わった後に幸せな気分になり、またクリスマスを少し感じさせて頂ける事が出来ていました。このくるみ割り人形ではディアナがゲスト出演する事が恒例?になってましたし、それ自体を楽しみにしている自分でした。
牧 阿佐美はパンフレットの中で、「現代の私たちにも通じる感動の世界」と説いています。 この言葉の意味は、それぞれの取り方でしょうが、牧さんはワイノーネン版『くるみ割り人形』がたぶん嫌いなのでしょう。いろんな意味で。 またJAPANESEを大変意識したのではないかと思われる位に今日は感じましたが、今のままでは完全に無理です。
もうひとつ牧 阿佐美はパンフレットの中で、「ダンサー全員が活躍できる舞台」とあります。これは、粒ぞろいのソロイストたちを一堂に会する・・という意味と思われますが、振付を与えないで、舞台に立たせる牧 阿佐美が信じられません。 自分でもこんなこと書くなんてことが少し信じれない気分です。大好きなバレエなのに・・・
随分と言いたい放題、勝手放題言いました。が、そのせいで素晴らしい所が浮き彫りです。 ↓
※ 素晴らしかった内容一覧
その① | 衣装デザインの色彩・色調・コーディネート | 素晴らしいし、とってもうっとりする位の豪華さ。 どこをとっても修正して崩れる位です。全体の 色調はとても良いのですが、それだけポイントがぶれる可能性を秘めます |
その② | 舞台装置、背景紗幕、それぞれのデザインと色調 | 関心したのは、色使い。背景紗幕で(2幕)ターコイズブルーの色調がとても素敵でした。あの 豪奢な背景が薄い布地のオブジェクトなのです |
その③ | 特化している、金平糖の精の金刺繍の豪華さとひろみさん | とにかく美しいし、ひろみさんのオーラとで、釘付け♪ 観てて、ひろみさんは貝川さんとの踊り方を変えているように感じました 無理せずに出来る(って・・サポートが出来る)範囲で、踊っていらっしゃる様です サポート付きのピルエットでは軸がブレるより、回転数を減らす・・っていった具合なので、 さいとうさんほどの踊りにくさをひろみさんは感じさせません もう慣れないさいとうさんは、苦しそうで観てられない! |
その④ | 吉本さんの素晴らしさ | 着地が完璧。 中国の長田さんはあまりしらないのですが、こんな完璧な吉本さんって 今日一番の拍手をお送り致しました(会場全体では少なすぎです!) |
その⑤ | 花のワルツでの衣装のコントラスト&刺繍? | ねずみの着ぐるみに圧倒的なインパクトを取られますが、 この衣装は色調と言いとても素晴らしいものです |
その⑥ | 本日最高の葦の精たち | 難しそうなパの連続でした・・と感じましたし、 それでも3人が(まゆみさんを中心とした)纏まってて素敵 |
もうこれ以上書くことができませんし、あさってひろみさんと26日、マイレンさんの舞台を再度観に行きます。バレエ公演を観てこんなに落ち込んだこと初めてかもしれません。そういえば椿姫(もちろん 牧 阿佐美の)の時と似ている気がします
【振 付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
【作 曲】ピョートル・チャイコフスキー
【演出・改訂振付】牧 阿佐美
【指 揮】大井剛史
【舞台装置・衣裳】オラフ・ツォンベック
【照 明】立田雄士
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【芸術監督】牧 阿佐美
【主 催】新国立劇場
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