2009年12月12日土曜日

12/12 オールスターガラ 8回目

本日は、マリンスキー2009千穐楽、オールスター・ガラ公演を観てまいりました。やっぱり、いつものいろんな色のテープと紙吹雪が、それも2段重ねで・・、前回よりも、いつもよりもパワーアップしておりました。 テープの本数が本当に多かったです。折角のガラ参加のダンサーたちが全員テープの中で見えなくなるくらい・・。 でもお祭りらしくって楽しいですよ。 「さようなら」・・と、次の告知が例の看板に書いておりました。 って事は2012年は2月にボリショイ・バレエ、11~12月にマリインスキー・バレエって少しハード過ぎませんか? JAさん♪ でもずいぶん先の話なので、多分平気ですよ ・・ しっかりと準備しておきますから。 

今日はいきなりですが、わたしスイッチが入ってしまいました。もちろんディアナの「シェエラザード」を観たためと思われます。昨日の予測通り、官能がディアナとコールプで最高潮に達しました。 求め合い、愛し、見つめ合う時間され勿体無いような、とっても「悲観的な愛の物語 ~一縷の希望もない~」に仕上がっています。今まで離れていた時間を取返すぐらいの勢いは、その手でお互いに触れ確認し、からだは空気も入らないくらいの愛情。前回書いておりますが、この演目は前回が初見でした。が、シェエラザード、ゾベイダ&黄金の奴隷はこの2人が世界で最高にセクシーなのではないかとさえ、思いました。 前回ロパートキナは凛とした品と書き、コルスンツェフは優しさが強いと書きました。今日のゾベイダ&黄金の奴隷のエロっぽさは、やはり離れていた時間にあると思います。理性が勝る感のあるロパートキナのゾベイダのエロティシズム。 官能のまま正直に生きるディアナのゾベイダのエロっぽさは、自害する場面で明確です。 今日のディアナはこの後の事を予感している位の愛し方、感じ方をしてます。死んでも今の感情に正直に生きたい・・っと。 そう、この楽しさが別キャストで観る醍醐味と考えます。もちろんどちらも素敵な、個性にあった解釈と表現なのでしょうし、個性を超えた表現はプリンシパルでは無くなる感じがします。 また違う側面からだと、カギをユーマク宦官長から取り上げ、扉を開くシーンでしょう。 今日のゾベイダはもうこの瞬間から悲哀が滲み出しておりました。 そのあとの世界で一番セクシーなパ・ド・ドゥは、心に残りました。 ブラボー♪ ディアナ、ブラボー♪ コールプ

またまた、少し頭を冷やしに外へ出る事となります。パ・ド・ドゥ集、今日はすべての演目がとても楽しみです。

[シンデレラ] スポットがオブラスツォーワのシンデレラを照らし、覆う手を開けた瞬間、魔法により、とても楽しい時間を手に入れた事を認識します(って見えます)。でも通りかかる淑女、紳士に時間を・・・ 時計をとても気にしています。もちろん魔法の解ける時間。この瞬間だけは・・って感じがとても清々しくキュートなシンデレラ。手話(って感じたので)で彼に語りかける後の幕を観てみたいです。今日もオブラスツォーワは元気が無い感じがします。唯つ、彼女だけが本当につらそうでした。

[ロミオとジュリエット] テリョーシキナとイワンチェンコがどうという事でもないのですが、急に入っていたスイッチの為か、涙が溢れて、鼻水がでて、どうしようもありませんでした。 まったく関係無い訳では無いのですが、最初のテリョーシキナのアームスを見た瞬間でしょうか、フェリを思い出し、そうなるともう限界です。あらぬ方向へ向いたこころは、イワンチェンコが完全に無邪気なロミオとなり、テリョーシキナは何故か16歳のジュリエットとなりました。はっきり言って彼らの紡ぐ世界観は、もう少しアダルトな世界な筈なのに・・・。 もう1回前日にでも、オブラスツォーワのジュリエットでもあれば「頭の混乱」が無かった気がします。 でもこんな日はしょうがありません。

[チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ] ソーモワ&サラファーノフの美男(?)美女コンビ。 やっぱりサラファーノフはいいわ♪ 全幕今度こそ観ます。

[瀕死の白鳥] ついに再度観ることができました。彼女の表現する白鳥の死にゆく様は、なんなのか。これは人間でもタイプが千差万別であり、死を見つめた時の感情が、個性となって表現されていると考えています。 シタバタする。こころ静かに逝く。さんざん迷惑をかける。愛を全うする。など・・ ディアナの死生観を存分に魅せて頂きました事に感謝。昨日の同じ場面(足をスッーと後ろに回す所(こんな言い方でごめんなさい))はありますが、耐えている感情が伝わります。死にゆく白鳥は、生に対する絶叫の如く、激しく生き絶えました。
ついでなのでもう少し、ロパートキナの回では何も書かなかったので・・。以前DVDで見た時、解釈は状況(楽曲を奏でる楽器類)によって分類すると言っておりました(スゴ過ぎ)。 チェロが数台だと、叙情的であると。また常に新しい白鳥の必要性を説いています。彼女の場合は自身の死生観とは別次元です。それこそがロパートキナの真髄なのでしょうね。 一方のディアナはやっぱり思うことと表現する事の一体性を大切にしている様に思えます。もちろん進化の過程で変わることは必然でしょうが。

[ザ・グラン・パ・ド・ドゥ] またしても、昨日に続き、瀕死の後の演目。これは見る人にとってキツイです。集中している程、切替えが難しい。涙ながらに、笑うってかんじに、またまたなりました。 引込むマリインスキーのプリンシパル達。 楽曲が始まった瞬間から既にパロっています・・よね♪ まるでファンファーレの様に。まるでその手の映画の様に。JAさんの紹介で、(ダンサー紹介・ロパートキナ)でもありましたが、発表があるまでは日本で実現するとは考えていませんでした。超正統派だけに、レベルが高いだけに、ここまで崩す事が出来るプロフェッショナルな2人にブラボー♪ (コールプ2回目) なぜ赤のケリー? ケリーだったらやっぱり気になるものしょうがない気がします。それはそれで。 2人のパ・ド・ドゥの筈が、コールプのヴァリに・・足を引っ張られたえび反りロパートキナは、背筋を活かしピコピコしています(笑)。 バックの紙吹雪は舞台とオケに!(今日のオケには少しだけ・・・)とっても粋な2人でしたね♪

[海賊・組曲] 今日は昨日と打って変わり、テリョーシキナ&コルスンツェフ ペア。 アリのシクリャローフは技を決めた時にニコニコ。初めてですねこんな笑顔のアリ。 ガラだからという事だったら大目に見て良いよ♪  普通は主人コンラッドの前では従順で意志の強い筈の役割。 またカッコ良さは野性味が醸し出し、決め技を繰り出してもヒールな君は、ニコニコは厳禁の筈。でもきらきらシクリャローフだったら、ガラ公演だから良いよ♪ 感心するのはコルスンツェフ、サポートはやっぱりピカイチ。舞台マナーも超がつくほどカッコいい。 幕が降り、プリンシパル達が前に出来きても彼は「先にどうぞ・・」と譲り、列に居ないし、人柄もそうなのだろうと感じてしまう。一生懸命に女性を美しく魅せる姿勢に力を感じ、ヴァリエーションにうっとりする。 野性味など無意味に感じさせる位、一本調子な彼はここでも炸裂している。でも大きい体躯と太い腕は、観てて実はとってもセクシーで、アリ、ソロル、黄金の奴隷、レスコー、まとめて王子類とバランシン作品、(アルマンは別)なんでもこなせそうな感じを出しておりました。素敵でした。

今回を全8回通しても心のこりはたくさんありました。鑑賞眼がまだまだですし、もう少し理解したいし、好きなダンサーが増えたこと、全幕で観てみたいダンサーが増えた事は嬉しいのですが耐えうる目と知識が足りない事、(つでに財力も) レベルが高いだけに書くことの難しさを実感しております。



オールスター・ガラ (キャスト&スタッフ)
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団


第1部

≪シェエラザード≫  [45分]
音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
振付:ミハイル・フォーキン
振付復元:イザベル・フォーキン,アンドリス・リエパ
装置・衣裳:アンナ・ネジナヤ,アナートリー・ネジニー

シャリヤール王  : ウラジーミル・ポノマリョーフ
王の弟       : カレン・ヨアンニシアン
宦官長       : ロマン・スクリプキン
ゾベイダ      : ディアナ・ヴィシニョーワ
黄金の奴隷    : イーゴリ・コールプ
オダリスク    : アナスタシア・ペトゥシコーワ/エフゲーニヤ・ドルマトーワ/リュー・チヨン

第2部
≪シンデレラ≫ 第2幕のパ・ド・ドゥ  [8分]              
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:アレクセイ・ラトマンスキー
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  ミハイル・ロブーヒン
≪ロミオとジュリエット≫ バルコニーの場面  [8分] 
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/振付:レオニード・ラヴロフスキー
ヴィクトリア・テリョーシキナ  エフゲニー・イワンチェンコ
≪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ≫  [10分]           
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/振付:ジョージ・バランシン
アリーナ・ソーモワ  レオニード・サラファーノフ
≪瀕死の白鳥≫  [4分]                        
音楽:カミーユ・サン=サーンス/振付:ミハイル・フォーキン
ディアナ・ヴィシニョーワ
≪ザ・グラン・パ・ド・ドゥ≫  [9分]          
音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ/振付:クリスティアン・シュプック
ウリヤーナ・ロパートキナ  イーゴリ・コールプ

第3部
≪海賊≫ 組曲  [35分]                     
 華やぎの国~メドーラのヴァリエーション~オダリスク~パ・ダクション~コーダ
音楽:アドルフ・アダン,ほか/振付:ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ (補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ) 
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ

メドーラ      : ヴィクトリア・テリョーシキナ
コンラッド     : ダニーラ・コルスンツェフ
アリ        : ウラジーミル・シクリャローフ
ギュリナーラ   : エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
オダリスク    : マリーヤ・シリンキナ/ヤナ・セーリナ/エリザヴェータ・チェプラソワ


ありがとうございました。とても楽しむ事ができたマリインスキー週間でした。
それと、JAさん、海賊オダリスクの写真UP 楽しめました。
2012年も楽しみにしております。

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