2009年12月10日木曜日

12/9 イワンと仔馬 第6回目

本日は、『イワンと仔馬』を観て参りました。先日、正統派マリインスキー「眠れる森の美女」@ヴィクトリア・テリョーシキナの素晴らしい舞台を観せて頂き、イワンと仔馬も、多分今回の(少々勝手な言い方かもしれませんが・・)第1キャストと思われる布陣で見れるのは大変嬉しく思っておりました。この物語は、しっかりストーリーを頭に入れて見ないといけません。感覚の鈍いわたしにとって、再度ストーリーを読んで準備完了です。

参照: http://ja-ballet.seesaa.net/article/123612954.html

イワンと仔馬  全2幕
音楽 : ロジオン・シチェドリン
振付 : アレクセイ・ラトマンスキー (2009年)
台本 : マクシム・イサーエフ
音楽監督 : ワレリー・ゲルギエフ
装置・衣裳 : マクシム・イサーエフ
照明 : ダミール・イスマギロフ
指揮 : アレクセイ・レプニコフ
管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団

≪出演≫
姫君 : ヴィクトリア・テリョーシキナ
イワン / 皇子 : ミハイル・ロブーヒン
仔馬 : イリヤ・ペトロフ
侍従 : イスロム・バイムラードフ
皇帝 : アンドレイ・イワーノフ
父親 : ロマン・スクリプキン
雌馬 / 海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフ
ダニーロ : ソスラン・クラーエフ
ガヴリーロ : マクシム・ジュージン
娘たち : ヤナ・セーリナ/エカテリーナ・イワンニコワ/クセーニャ・ロマショワ
ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エリザヴェータ・チェプラソワ/オリガ・ミーニナ
ジプシーたち : ラファエル・ムーシン/フョードル・ムラショーフ/カレン・ヨアンニシアン
エレーナ・バジェーノワ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/ポリーナ・ラッサーディナ
リュー・チヨン/アリサ・ソコロワ


まずは、マリインスキー・歌劇場管弦楽団にブラボー♪ 鳴り始めた瞬間から音の違いが私なんかでも分かるくらい。とっても艶々とした音。特に管楽器のハリが素敵で、弦は思った以上に重量的な厚さがありシチェドリンの楽曲を盛り上げていました。しばらくこんな音聴いたこと無かった為か、慣れるまでは少し響き過ぎるくらいの音量、音質、テンポ。 アレクセイ・レプニコフさんは、メンバーさんたちとのコンセンサスもばっちりなのでしょうね♪ オーケストラピットからのおしゃべり、足音?、楽器を叩く音、いろんな聞き慣れない音が、混じって聞こえてきます。(はねてからが凄かった) 音にも詳しい方ではないのですが、打楽器の技術が超絶です。 鳴らす事にかけてはやっぱり歴史なのでしょうか、オケピが気になる舞台でした。

中でも「大きな馬たち、雌馬」が大好きです。なんて始まるとまた分からないくなるので、ちゃんと書きます

老人には、息子3人がいます。ガヴリーロとダニーロとイワンなのですが、要領がよいと思っている長男・次男と、頭の少し弱いって思われている末っ子イワン・・・。家の中では、老人が農作業に行く為、留守番の心得?みたいな説教中。 老人がライ麦を刈り行ったのを確認し、兄たちガヴリーロとダニーロは仲良しの女の子を呼んでパーティー開始!(準備良すぎ?) イワンは仲間に入りたいのだが、仲間には入れず、また彼の相手は居ません。そう3:2です。でも平気、イワンは兄たちのダンスのすきま・隙間から、パーティをとことん楽しんでいます。家は舞台に立った赤のカーテン?をイメージした、ごく小さな、抽象壁。外に出たときは家のドアと・・超が付くほどの現代調なオブジェクト指向。老人は、ソ連国旗をイメージするような大きなカマで、ライ麦畑で作業中。・・・やっと終了が・・って、帰路につく。 家の中はパーティーの真っ最中で、ドアを開けた瞬間、4人は凍りつく。 もちろんイワンは別。 兄たちは女の子の後ろに隠れ、あくまで無責任。さっさとお開きになった家では、最近困っている、畑荒らしの話を老人がはじめ、見張りと犯人を取っ捕まえる様にと兄たちに命令。 無視した2人の兄はさっさと出かけてしまったので、老人はイワンではどうしようも無いので、少し諦めたのか・・不明。 なのですが、イワンは勇敢に畑へ出向いて行ってしまいまた。(自分では意外と自信があるのかも) 自分は大丈夫・・的な自信に満ちた顔は、夜の暗さにあっさり恐々となってしまう。 この表情がとってもかわいいロブーヒン。 大きな月(大げさに言えば舞台背景の1/3位の大きさ?・・文化会館だからなか?)が、暗闇を明るく照らし、またまた自信に満ちた顔・・復活! 背景の月のオブジェクトと、ライティングは意外と分かりやすい演出です。(とっても単純)

イワンは、畑を探し、隠れ、ついに畑荒らしを見つけます。 おおお・・・馬だったんだ!。 デフォルメされた馬の振付が心に残ります。(とっても素敵) 大きな馬と雌馬が気持ちの赴くままに、畑を飛び回っています。雌馬のコンダウーロワのキレは目立ますし、背の高いと思われるアンドレイ・エルマコフ、カミーリ・ヤングラゾフ(知らないのでこのまま書きました)とのトロアは楽曲に素晴らしくあっている。 イワンは3頭の馬を追いかけるが、とてもすばしっこい雌馬をなかなか捕まえることが出来ないのです。 管が後押しし、ダンサーがどんどん乗って行く、素晴らしい場面でした。 クラッシックな振付も入りながら、ついに雌馬の跨り、取り抑えることに成功するイワン。 コンダウーロワの長い足はこの時、首となる。(抜粋)イワンに2頭の馬と自分が生んだばかりの“背中にこぶのある仔馬”を贈ると約束する。2頭の馬は大きくて力強いが、仔馬は小さくて弱々しい。 この時、本当に雌馬は仔馬を産み落とします。そのあと、雌馬はイワンと仲良しになりますが、楽しいのは、雌馬が2頭の大きい馬たちと、背景付近で、とんでも無く「だらだら」しています。 世間話なのでしょう♪ 「つかまったじゃない!」って声が聞こえてきそう。 なんともゆるい感じが面白い。 対照的に、イワンと仔馬は、とっても難易度の高いステップが続く・・・続く・・・

がらっと変わって舞台は赤に・・・。 イワンと仔馬が戯れる、また雌馬と大きな馬たちが世間話をしているそこに、火の鳥の群れが登場。 白と赤のコントラスト。女性の火の鳥は、赤い手袋ををまるで炎の様に振り、月夜の中に赤。とってもはっきりしたコントラストの中で、戯れ、楽しみ去っていきます。 1羽だけ火の鳥が残ります。 美しいフォルムです。あれだけ腕が後ろに出せる事が少し不思議なくらいに羽になっていました。 兄たちがその残った火の鳥を見つけ捕まえようとしますが、やっぱり薄い作戦では、捕まえる事に失敗! イワンはもちろん火の鳥を追いかけていました。見事火の鳥の1枚の羽を取ることに成功します。(ここでもう優れたイワンが表現されている事に気づきます)。 ← この羽、意外と柄が凝っていて、とても美しい黒と金と赤の炎の柄を施した羽です。イワンがベルトとしてウエストに巻く場面があるのですが、多分マジックテープ付きなのでしょうか?

 (抜粋やがて火の鳥の羽を手にイワンが畑に戻ってくるが、馬たちがいない!悲しくなって泣いていると、仔馬がイワンを慰め「馬をさらった奴らを追いかけよう!僕が手助けをするよ」と約束する。実は、この仔馬はすごいことができるんだ。

ここで「街の広場」の場面に暗転します。

グリーンベースの衣装を付けた街の人は楽し気。 兄たちガヴリーロとダニーロは捕まえた「大きな馬2頭」を売って遊びたい。・・が声をかけたのが王様(って、おかしくないですか?)。 するとタイミングよく仔馬が探し当てて、イワンの所有である筈の大きな馬2頭を発見。 早速イワンは兄弟なのに・・事情を王様に正直に説明し、それを聞いた王様は兄たちを問いただす。もとのさやへ・・・。 喜ぶ大きな馬2頭とイワンと仔馬。 大きな馬はイワンをサポートして、舞台2週の大きなジャンプを何度も何度も。 ここはほんと迫力がありました。  (抜粋)王様は側近の帽子と引き換えにイワンから馬を買うことにする。イワンは帽子に大喜び!帽子はイワンにぴったりだ。
仔馬のお陰で見つける事が出来たのですが、帽子との交換で、王様の所有となった素晴らしい2頭の馬に心が痛んでいるイワン・・ロブーヒンは本当に表情ゆたかでした。 ここでは侍従となっていますがイスロム・バイムラードフは、とっても芸達者で、なりきっている姿に・・(笑)♪  やっぱり彼の真骨頂はこんなキャラでしょう。白鳥のスペインより、100倍カッコいいです。

ここでまた「宮廷の王様の部屋」の場面に暗転します。

イワンはなぜ宮廷に招待されたかは不明ですが、眠りに就こうとしています。王様は侍らした女性達とご馳走を堪能し、これも眠り込みます。侍従が眠りに落ちたイワンの小部屋をノックしても無応答・・を良いことに、侵入。 イワンが火の鳥からGETした美しい羽を侍従は見つけてしまいます。 ここがポイント!(ここからの連鎖がこの話の主題なのでしょうか?) 侍従はイワンがぐっすり眠っているか、とても滑稽なマイムで試します。 大丈夫イワンは・・そこで火の鳥の羽を強奪します。イワンは夢の中です。 早速取り入ろうと、侍従が王様を何気に起こし、まだボーッとしている頭の王様は、侍従の持っている羽をあざとく見つける事となります。 「ん・・なんだ・・それ? みせろ このっ」って会話なのでしょうか? バイムラードフの隠し方はキレキレです。楽しい! 王様に「彼が持っていた」と話す侍従。 企んでいる模様。 そのに羽が幻想を見せてしまうのです。ぶっとんだ台本ですが、イメージ的にはオーパーツなのでしょう。 見慣れぬ羽=宝物は、火の鳥の国を見せ、幻想の火の鳥の国の姫を登場させます。ここで姫登場。 前日のオーロラの様に輝いているし、やっぱり素敵です。テリョーシキナは。 火の鳥の国の姫だ! 火の鳥の国の姫だ! と王様はここへ連れてこいと命令を侍従に下すが、探し方さえ見当がつかない侍従は、イワンを言ってしまいます。 もちろん普通の人では探せないのでしょうね♪  何故か熟睡しているイワンを早速起こした侍従は、王様の前にイワンを引っ張ってくるが、やっぱり眠たさに勝てずにいる。 このあと、羽を見つけて我にかえるイワンが、王様の勅令を聞くこととなりますが、イワンには魔法使いの仔馬がいます。 よーしこれは探すかいがある。って思ったかは分かりませんが、早速火の国の姫を探しに出かけます。 またまた先程の楽曲・・ 空を飛んでいるかのようなイメージで、難度の高いステップで魅せてくれます。 イワンと仔馬はシンフォニーを奏でているかの様です。 月の影が変わり、舞台の色が変わり、ついに火の鳥が暮らす国へと到着します。


2幕へ続く・・・・
今日はここまでにします
また時間のある時に、覚えている範囲で書いてみますので、少し思い違う等有るかもしれませんが、出来るだけ正確に書こうと努力してみます

明日、明後日は2日連続で『オールスターガラ』です。
今公演もあと2日間。

それと、早速速報が出ていました
http://ja-ballet.seesaa.net/article/135117528.html


<雌馬役のエカテリーナ・コンダウーロワ。手首を前に曲げる馬のポーズが可愛らしい!> と、ありました。本当にそうです。



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