2008年11月25日火曜日

11/25 続き・・シュツットガルト・バレエ スタッフ

 
シュツットガルト・バレエの美術・衣装について記載してみます。
覚えている範疇なので、間違っていたらごめんなさい

舞台は完全な固定装置を使用しています
セットは概ね1つ。上手・下手側と舞台正面奥に、コの字型の回廊と舞台中央へ続く階段が左右2方向に準備されており、ベースは白。床の白と、光量の多さと相まって、とても清潔感のある第1幕、2幕は春の淡いグリーンとピンク、コの字型の回廊には、桜色の花とが散りばめられており、また3幕は(森の中なので)木々生い茂り、バックの空も合せたコーディネート、完全なブラウンな世界感。 このシンプルな構造しか持たない巨大な装置を2階建にし、見事に使い切るアイディアです。

衣装は、しっかりした意味を色に持たせてるいる事が判ります。幕が開いたとたん、藍・インディゴ、花紺、青、パールブルー、スカイブルー、ブルー系生成りと思いつく青は全て、ドレスから、インナーに至るまで、統一されており、ライティングがイエロー系と、ピンで、とても奥行き感をかもし出し、陰影が見事。 衣装には、所々ピンクがあしらわれており、かわいさと同時に大人感もしっかり出しています。(この辺が好きです)。 2幕では写真にあるワルツの場面、コール・ドは当然、生成りをベースにした、明るめのモスグリーン、サーモンピンクのアクセントと、ロイヤルバレエとパリオペラ座(どちらも現地での鑑賞歴はないのでただの感覚ですが・・^^;; )の中間の色合い。私的には、ロイヤルバレエの色彩の押さえた、また表現し難い、日本的な、色合いが好みですが、このカンパニーはとても好きな彩度をもっている事に気がつきました。 3幕目は登場人物のキャラクタもあり、舞台がブラウンなので、アクセントはやはり赤を中心とした原色系。 全体のコーディネーションでは、彩度の統一感を私はよく見ていますが、完全に幕でのメリハリと、意味付けがなされた舞台は初めてかも知れません。新国立の色合いは以前は結構好みでしたが、最近は少し呆け過ぎ感が否めない。・・など思ってりましたところ、この舞台♪

 とっても驚いたのは、ライティングの効果。プロローグではNBSの写真紹介があった、「部分」にびっくりしました。なんとスナップ写真の様に2次元的効果をもたらす濃いイエローのライトと、ピンの自然光を当て続け躍動感のカラボス。静止と激動の対比。このコントラストは劇的です。 なかなかNBSさんの写真でつたわらない種類の絵ですね♪

プロローグと1幕の幕間の記事を先日いたしましたが、この表現はとても素敵です。
幕が降りる少し前から日食の様に、中央全面から幕が少しずつ落ちてきます。これの意味は・・なんて考えてたことろ、完全に幕が降り、通常の幕と2重に重なった状態になり、カラボスの登場。黒幕を使い、オーロラが成長する場面を、悪意を籠めて見ています。舞台1/3の黒幕を開けて、リラとオーロラの姿(ライティングは勿論ナチュラル)を見せ、また今度は逆サイドと、カラボスの激しい動きと実際に操る黒幕、相対する、清潔感の白をベースにしたリラとオーロラ。全く対照的な、白と黒を見事に幕間の短い時間に凝縮させる手法は見事♪

 美術自体の完成度は、3幕へ続き、今度は同じコの字の回廊に、枯れ木等の装飾を施し、舞台全体を1幕の白と青の清潔感から、ブラウン系の色彩に染めます。日本では、秋、夕暮れ、夜会、を想像させる色彩です。あまり例自体の相関は無いのですが、受け取り方次第で、見え方が変ります。これはあらゆる色とのコーディネート可能としているようでした。3幕の登場人物は、原色系の、
シェヘラザード、アラジン、中国の王女・官吏。 対比的な白雪姫、カエルの王子ほか、ディヴェルティスマンでは、アリババ、宝石たち、長靴を履いた猫と白い猫、赤ずきんと狼、青い鳥と王女‥とこれでもかと言うぐらいの色の洪水を、バックの少し暗めの木々の茶色が十分に受け取っています。王と王女もこの時は、1幕での白ではなく、赤とグリーンと黄金の衣装でインパクトを弛めていません。

長くなりましたが、まだまだ書きたい事ありますが、次のオネーギンまで取っておきます。
最後に 装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ、照明:ディーター・ビリーノにブラボーをお贈りしたいと思います。
素晴らしいです

 

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