2010年7月11日日曜日

7/11 バレエの神髄

本日出かける前にWEBを見たら、びっくりです。 
って今頃ですが ⇒ ロバート・テューズリーの降板の告知がありました。
http://www.koransha.com/news_performance/news/100706shinzui_change.html
公演直前の怪我により出演できなくなりました・・とあります、無事に回復出来る事祈ります。

本日は、『バレエの神髄』 光藍社の公演は久しぶりです。レニングラードもキエフも暫く観ておりませんでしたし、今日の公演は特別です。第1部、2部構成で演目間は20分の休憩を挟み、全然色彩の違う演目で、出演者は少人数ながら全然感じさせない位の出来だったと思いまし、一流ダンサー(って言って良いと思います)を上手くキャスティングした事が、成功のカギだった気がします。
良い舞台でしたね♪

出演予定
    ファルフ・ルジマトフ
    吉田都
    岩田守弘
    エレーナ・フィリピエワ(キエフ・バレエ ソリスト)
    ナタリヤ・ドムラチョワ(キエフ・バレエ ソリスト)
    セルギイ・シドルスキー(キエフ・バレエ ソリスト)
    ヴィクトル・イシュク(キエフ・バレエ ソリスト)
    キエフ・バレエ

第1部:
    「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ
        音楽:P.チャイコフスキー 振付:M.プティパ
            オーロラ:ドムラチョワ
            4人の王子:シドルスキー、ブリチョフ、コワレンコ、アスケーロフ
            キエフ・バレエ
    「侍」 
        音楽:鼓童 振付:M.ラブロフスキー
            岩田 守弘
    「海賊」よりパ・ド・トロワ 
        音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパ
            フィリピエワ、シドルスキー、イシュク
    「阿修羅」 
        音楽:藤舎名生 振付:岩田守弘
            ルジマトフ
    「ディアナとアクティオン」 
        音楽:C.プーニ 振付:A.ワガノワ
            ドムラチョワ、岩田 守
    「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
        音楽:A.グラズノフ 振付:M.プティパ
            吉田 都、セルギイ・シドルスキー
            キエフ・バレエ
第2部:
    「シェヘラザード」
        音楽:N.リムスキー=コルサコフ 振付:M.フォーキン
            ルジマトフ、フィリピエワ
            キエフ・バレエ



   「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョなのですが、ドムラチョワのオーロラ、私的には初見でした。未だ4人の王子というよりも、シドルスキーとのペアリングがあまりにたどたどしく、観ていて少し可哀そうだった気がします。仕方ないと思いまが、それを補っても余りあるドムラチョワの美しさです。ローズアダージョの最後は手を挙げて、男性の手を取り1回転ずつという定番的な形とは異なり、手を上に挙げずに、最後のドムラチョワはシドルスキーにサポートされて、2回も回っている。ありですよ! この演目は出来がどうの・・っていうより観て幸せにしてくれますし、オープニングの演目としては成功ですね♪
  幸せをもらった後は、舞台が暗いまま鼓童の音が響き渡り、岩田さんの「侍」が始まりました。でも音質・・んんん・・・・・。鼓童は腹に響く位に音量を上げて、低音の風を感じたい所。小さく纏まった楽曲と、岩田さんのジャンプの質の高さ。ある意味対比が不自然でどちらかに合わせて貰いたかった。気がします・・。 ライトに浮かび上がる岩田さんは、ヒール的な表情がとても素敵で、いつもの品の全てを捨て去り、こんなに表情豊かな方って言う事を改めて発見した次第。でもやっぱり彼の体から発せられるパッションは、とても強いものです。今まで観た事が無い岩田さんでした。
  いよいよ 「海賊」よりパ・ド・トロワです。初見のシドルスキーのアリは、普通の全幕であれば、結構イケてる様に感じられたと思いますが、今回のメドーラを相手にすると、やはりルジマトフ出演のインプリンティング状態の為に、役不足と感じられてしまった。でもさすがにフィリピエワは巧いし、メドーラをキャストされても彼女のオーラの方が強くて、たまらない。もうついつい力が入って観てしまう。
  「阿修羅」 はノーコメントです。分かりません
  「ディアナとアクティオン」ですが、良かったです。ドムラチョワと岩田さんって身長が合わないし・・そもそのキャラが全然違うと思っておりましたが、ここでも岩田さんは、意外や意外。アクティオンを、さらっとこなしました。今まで観てきた、 「ディアナとアクティオン」では無い事は明らかですが、こんな世界観を作り上げる芸術家の素晴らしさを見れて良かったのかもしれません。って思えます。今年は、キエフをって思えます。
  「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
都さんの登場ですね。直前のテューズリーの怪我による変更にも全然感じさせませんでした。やっぱりどうにかしてロイヤルのロミジュリの引退公演を観るべきだった気がして、残念で、後悔で、落ち込みました。NHKで観る事が出来そうですが、全然違うと思います。
話変わりますが、オーレリ『輝ける一瞬に』のDVDを購入しました。ずいぶん前芸術劇場でのルグリの引退公演の模様を60日にドキュメンタリとして放映してましたが、このDVDは逆にオーレリ観点でのシーンも非常に多く、実はこのセット、ルグリ・オーレリでセットでDVD化されるととても嬉しいかもしれません。・・ まるで都さんに対してはこんな感じです。 今まで都さんを追いかける事の無いバレエ鑑賞でした。いつもそう、私の思い込みはいつも違うし、芸術家の真の姿を知らない。外国で鍛え抜かれた、また認められた都さんの本当の良さを結局観る事が出来なかっ私です。 でも今日の舞台は笑っていらして、楽しんでいる姿がとても印象的な感じでした。

  2部です。「シェヘラザード」を楽しみにしていました。何物も寄せ付けない程の、ナイフの様な強靭さがすっかり抜けて、あえて言うなら精神性の「シェヘラザード」だった気がします。赤に象徴される、一瞬の煌めくエロス。男性は解放されエネルギーを後宮の女性へ向けて、時間を忘れて来るべき結果に向かう。赤から青へ、この物語で欠かせないのは色彩と明暗。もちろんそれをサポートする楽曲。でも一番はキャストの個性。いつも双璧である、肉体表現と精神性を魅せて頂いておりましたが、今日は特別な「シェヘラザード」であった事は確かです。 またベゾイダの意志ははっきりと堅持されておりました。覚悟を決めた瞬間は女性でした。(オペラグラスを覗き込みました) 少し弱気もあり、でもあくまで他の人ではなく、自身への弱気。振り払った時の覚悟。見事です。あの表現力の豊饒さ。

とにかくルジマトフ、フィリピエワの最強コンビの「シェヘラザード」を魅せられた、会場はとてもそのまま終わらせる事が出来ずにいましたし、フィリピエワも承知した旨、ルジマトフに舞台を譲った感じはとても良かったですね♪

最後にこんな事言うのは失礼ですが、私はルジマトフがあまり好きではありません。

が、今日はとにかく、満足で、気持がいっぱいです。
ある意味そういう個性が好き嫌いを大きく超えている事だけは確かの様です。




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