第125回東京芸術劇場マチネーシリーズ |
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本日は、読売日響の、『第125回東京芸術劇場マチネーシリーズ』、東京芸術劇場へ行って参りました。
なにはともあれ、大好きなチャイコフスキーの『悲愴』を聴くために、またとても美しいコンチェルトである、メンデルスゾーンが目的です。
演奏楽曲
ベルリオーズ/序曲〈海賊〉
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー/交響曲第6番〈悲愴〉
指揮: 小泉和裕
ヴァイオリン: イェウン・チェ
イェウン・チェは、アンネ=ゾフィー・ムター財団(ってのがあるらしい)の奨学生に選ばれ、個人的にもムターのサポートを受けているそうです。って前置きでしたが、なんとなく感じたのは、そうムターに似た演奏なのでしょうか? あまり抒情性を押し出さず、って言おうか感じず、何版かのカデンツァの楽譜通りに運ぶが、でもトリルは微妙な揺れ(大雑把さ)が感じられ、規則性が欲しい所が弱い。パッセージは流石であると思う。(ソロイストである以上当たり前のレベルである)聴いてて感動は無いし、でも本人がとても美人なのでそれだけでもアドバンテージか。実力が付けばやはりスターとなるのか。残念ですが本日時点、私の中では「スター誕生」とまでは行かなかった。
一方、小泉和裕が振るチャイコフスキー、交響曲第6番 悲愴。昨年度『アンナ・カレーニナ』のインパクトはやはり残っている。予習がてらですが、Igor Markevitch の悲愴を聴いていたのですが、その時から断面的ではりますが、シーン、雰囲気が蘇ります。 強いよ! 強すぎるよ!! エイフマン。
呪縛はあるものの、一番気に入ったのは”弦”
特にヴィオラ(本当に頑張っているしいい音♪)、第1が良いし纏まる。第1第2の息も良い。とっても艶やかな音色と、強さを併せ持っているし、特記すべきはバランスが超綺麗。 余りに良く言ってしまいましたが、あと第1に緊張感がもう少しあれば、なんて思います。 本日の第6番・第1楽章は弦を中心に聞き入ってしまいましたって、あの終盤では既に忘れていました・・。第2楽章は本当に心があらわれる"美"の象徴のワルツが華やかに奏でられ、中盤から、不安定なる美しさを見事に小泉和裕は醸していました。ここからはもうすっかりペースにはまってしまいます。やっぱり楽曲の美しさが、チャイコフスキー(このBLOGの紹介にも書いていますが)が、素晴らしい。第3楽章では、弦が徐々に行進曲的に、規則正しい旋律をうたいます。その後に続くファンファーレ。ここで終ってくれれば勝ち誇ってられるのに・・・。ここから終楽章ですが、いきなり、<<悲愴>> の旋律です。
あっ~~。そう延々続き、その悲愴感は、楽器を変え、音色を変え、徐々にボディブローの様に突き刺して来ます。わたしの全身がこの絶望の音に包みこまれ、耐え切れなくなってもその音に停止が見えません。限界を超えるかって思っている頃、小さくなってい音に、銅鑼が小さく叩かれ、スッと音が消えます。
あっ~~。やっぱり、やっと平和が訪れる?的なものも微塵もなく、この悲しさのエピローグがただただ悲しく響いて3分を使い切る。凄い楽曲です。終わった時は直ぐに拍手なんてできない。小泉和裕が止まる。オケも。
お疲れ様でした。
私は、今日とても満足しております
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