今日は、新国立バレエ「牧版 ラ・バヤデール」(初見です)を観てまいりました。
京王線の電車は問題なく動いており、速く出た分、速すぎって感じで・・でも時間があってパンフレットを事前にゆっくり読む事が出来ました。
スタッフ
【振付】マリウス・プティパ
【演出・改訂振付】牧阿佐美
【作曲】レオン・ミンクス
【編曲】ジョン・ランチベリー
【舞台美術・衣裳】アリステア・リヴィングストン
【照明】磯野 睦
【舞台監督】森岡 肇
【指揮】アレクセイ・バクラン
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
キャスト
【ニキヤ】スヴェトラーナ・ザハロワ
【ソロル】デニス・マトヴィエンコ
【ガムザッティ】西川貴子
【ハイ・ブラーミン(大僧正)】ゲンナーディ・イリイン
【マグダヴェヤ】吉本泰久
【黄金の神像】八幡顕光
【トロラグヴァ】市川 透
【ラジャー(王候)】逸見智彦
【ジャンペの踊り】遠藤睦子 井倉真未
【つぼの踊り】湯川麻美子
【パ・ダクション】
[ブルー・チュチュ] 川村真樹 寺島まゆみ 丸尾孝子 堀口 純
[ピンク・チュチュ] 遠藤睦子 さいとう美帆 西山裕子 小野絢子
【アダジオ】グリゴリー・バリノフ 江本 拓
【第1ヴァリエーション】丸尾孝子
【第2ヴァリエーション】川村真樹
【第3ヴァリエーション】厚木三杏
早く着いて読んでいたパンフレットで気になったのは、「第4期研修生」が”影の王国たち”のメンバーに入っていました。 加藤朋子さん、益田裕子さん、間辺朋子さん、丸澤扶由子さん、山田蘭さん5名の名前は載っていましたが、先日怪我の(研修発表会)の中村さんの名前は無かったって事は、未だ罹っているようですね。 今日研修生の誰かは不明です。(確認できていません) それと、目をひいたのは ”世界一短い「ラ・バヤデール」”の記事です。牧さんの「演出ノート」に記載されていましたが、現代的なスピード感が結果的に前記になったようです。 少しびっくりしましたが、1877年マリインスキーでの初演公演では、4幕7場総人数230人での舞台だったって・・すごすぎです! (知らないのは私だけかな?)
あと、このパンフレットのすごい所は、「プティパ版」「マカロワ版」「ヌレエフ版」^^;「牧版」のダイジェストを・・これはとっても判りやすいぞ(good!!) でも牧版での2幕ニキヤの死のあと「ソロル悲嘆にくれ走り去る」とありますが、走ってないぞ! ヌレエフ版と同じく、抱きかかえて嘆いている様に見えたが、これはもしかして水曜にもう一度確かめます。・・ パンフレットの話はこれくらいにしてみます
【感想】
事前に読んだランチベリー の編曲でどうなったか興味深々での始まり♪
やけに速いテンポでした。 って思っていたら、あっという間にでした。みんな少し音から遅れ気味?・・大僧正とニキヤの駆け引きもとっても”さらっ”と終了して・・あれれって思っている間に「ニキアとソロルのパ・ド・ドゥ」、重要な布石となる筈のシーンも、一応要素は入っているものの、こんなに気持ちが乗る暇を与えないスピード感って・・って疑問ありじゃないかな。(もしかすると2回目からは大丈夫かもしれませんが) ニキヤが出てきた瞬間、大僧正は、皆に「さぁ」って踊りだした瞬間、求婚! またビックリする暇も無く、切り返すニキヤ、断り方も迷いが無い(少なからずリスペクトする大僧正であれば、少しの間が欲しいもの・・この速さからすると日頃の大僧正はややエッチな性格なの?って思いました) 返答とその後の対応。 ここから聖水のニキヤの踊りだけでも、テンポをメリハリ・・緩めて欲しいと思いました。 でもデニスは本当に素晴らしいダンサー。 ザハロワは少し切れが無かったかな? 2人になるとでもやっぱりこの透明感は、気持ちは少し伝わり辛いですが、美しいです。
1幕2場は、間髪入れずに暗転します。 ラジャの屋敷が向日葵色と言うべきか、とても暖かい良い色彩で浮かびます。ゴールドと言うより夜のひまわりの様な色感を受けました。 ラジャは得意気にソロルに愛娘のガムザッティを紹介します。デニスの困り果てた表情はとってもかわいい♪ でもリアクションが悪い家臣。(なにか笑えます) またまた急な展開でガムザッティが直ぐに紹介され、とりあえずにこにこの西川さんととりあえずのデニスの対比。ガムザッティはドキドキしている様子が観られます。大僧正の登場とラジャとの駆け引き・・ またヴェールを投げ捨てるラジャは、また音と合っていないよ(ってこれが正式かも・・この辺はマカロワ版とよく似ている)。 なんとなく収まりが悪いことはおいて置き、ガムザッティが聞いてしまう。 椅子に座った所にニキアが登場し、顎に手を充てて確かめるのですが、とっても自信のなさげなガムザッティは、少し可愛そうなくらいに上下がはっきりしてしまう。
いよいよニキヤとガムザッティの対決・・大好きな場面ですが、既に結果が見えるくらいに迫力が伝わりません。 やっぱり伝える間、・・とガムザッティ&ニキアの差異が余りにあり過ぎる結果だったように見えました。(見てしまいました) 最後ガムザッティが「やってやる」的な迫力で迫る場面でも音が余っているよ感じたのは気のせいかな(今度確かめます)
2幕「婚約式」です。 舞台は華やかな色彩 ・・オリエンタルな中間色 とっても良かった色彩: 赤紫、藤色、瑠璃紺、もえぎ色、紅赤、暖色で纏められた色調は、ダンサー迄飲み込むくらいの洪水を起こし、婚約式としてはにふさわしい物だったと思います。 でもやりすぎかもと感じる方も多いと思いますが明度としては私的にとても好きな明るさでした。(大好きだったデザイナーの高田賢三(kenzo paris)さんを思い出しました)
一押しは八幡さんの「黄金の神像」。一方で観ていなかったのが、「パ・ダクシオン」での2人。 ちなみに「太鼓」はありません。 ここはピンク・チュチュの西山さんと小野絢子さんに見惚れていました。 この場面の楽曲でのパ・ダクシオンはいつもとても楽しみにしている場面の筈が・・・・デニスごめん! いよいよニキヤのヴァリエーション。
ここが私にとってのツボです。 このヴァリエーションのザハロワは素晴らしく綺麗でした(ここら辺では復調しています)・・思わずジーンときてしまっています。 ところで(自分の解釈と観たままですが)牧版で明確になったのは、大僧正が「解毒剤」はいつも持ち歩いている・・と言う疑問ですが、ヴァリエーションの途中、花籠を持った瞬間にピーンときたのか、マグダヴェヤに命じて「解毒剤」を準備させている。 また準備した「解毒剤」に”これがあれば”と言う表情まで見せている。・・という事。 題名に付けましたが、ソロルもニキヤの前なのに、手をとって、それも自分の頬に手をあてて・・までするかな? 普通やっぱりニキヤは愕然としますよ・・やっぱり許せないかもしれません(あれれ・・牧さんの述中に・・)。 ザハロワは花籠最後で、少し疲れていましたね。 彼女は途中でこんな姿を見たこと無かったのですが、本当にお疲れ気味かもしれません。
3幕はいよいよ「影の王国」です。影のメンバー1人目は小野さん。 前幕を忘れて、彼女がここにいると本当に一流のバレエ団に見えます。本当に安定していて綺麗です。 いつもの事ですが、この楽曲を聴くともう「涙腺」が駄目になります。 この新国立バレエ団のコール・ドはやはり好きですし、とっても綺麗。 ソロルはここではニキヤの事で頭がいっぱい。悩み、苦しみが本当につらそうです。 影のニキヤから真相を聞かされて後悔する。 難しいステップを感情で伝えるデニスがいました。ヴェールのヴァリエーションでは先ほどの疲れからか、最後まで続かない彼女を観るのはとてもつらかったです。 第1から第3ヴァリエーション(川村さんの出来がとても素晴らしかったと思いましたが、期待していたのは、厚木さん。この直前まではとっても丁寧でしたが。)の後、いよいよ結婚式のシーンですが、影のニキヤが出てきて少しハプニングがあったものの、最後のヴェールのニキヤがソロルを先導し、力尽きる設定は納得です。(気持ちに踏ん切りがつけられるかもしれません)
とても牧版が好きとは言えませんが、とても好きな場面が沢山ありましたし、ガムザッティ&ニキアが新国バレエ団のメンバーでの公演がとても興味深く思えてきています。 21日ひろみさんの舞台を観ますのでまた報告しますね♪
先日言っていたチケット・西山さんガムザッティは本日時点で買えないでいます。 気持ちはわかって頂けると思います。
こんにちは。初日の感想ありがとうございました。
返信削除私は火曜日と土曜日のチケットを持っていたのですが、壷の子役ちゃんの関係者にお譲りしてしまい、今回観るのはひろみさんの日だけです。
西川さんは、カルメンのお友だち役がとっても素敵だったので、どうかな~と期待していましたが、まだ硬さがあるようですね。
まあ、ザハロワと対抗できるのは、マリーア・アレクサンドロワぐらいでしょう。
ひろみさんと真忠さんの対決楽しみです。
haruさん
返信削除こんばんわ、お越し頂きましてありがとうございます。
>ザハロワと対抗できるのは、マリーア・アレクサンドロワぐらいでしょう。
確かに! (ボリショイコンビですね)
ある意味、ひろみさんと真忠さんの方が確かに対決として成り立ちそうですね。楽しみになります
それと、「壷の子役」舞台下手の子供はすごい可愛いし、上手かったですよ。
もちろんあの年であの舞台、2人ともすごいと感じておりました。