2009年2月21日土曜日

2/21 ハンブルグブログ

私にとってのハンブルグバレエの公演はとうに終了していますが、相変わらず『椿姫』の旋律が鳴り続けています。ブログに余りにも素敵な写真が有ります。あと私もその夕方食事したのですが、中華街(朝陽門)から入りましたが、久しぶりに横浜だったので、なにげに嬉しかったりして・・




»Die Kameliendame«, Bühnenprobe Carsten Jung,
 Miljana Vracaric und Joëlle Boulogne / © Holger Badekow

(Hamburg Ballet)

2009年2月19日木曜日

2/18 ハンブルク・バレエ『椿姫』


ハンブルク・バレエ『椿姫』
Die Kameliendame

音楽:フレデリック・ショパン
演出・振付:ジョン・ノイマイヤー
舞台美術・衣装:ユルゲン・ローゼ

マルグリット・ゴーチェ: ジョエル・ブーローニュ
アルマン・デュヴァル: アレクサンドル・リアブコ

デュバル父: カーステン・ユング
オランピア: カロリーナ・アギュエロ
プリュダンス(デュヴェルノア):レスリー・ヘイルマン (慎重なデュヴェルノア)
ガストン: アルセン・メグラビアン
ナニーヌ:ミヤナ・フラチャリッチ
伯爵:ヨロスラフ・イヴァネンコ
N伯爵:ヨハン・ステグリ
マノン:エレーヌ・ブシェ
デ・グリュー:ティアゴ・ソアレス
ジュリー・デュプラ:今回も参加なし


 小説では、マルグリットは20歳の小柄な女性、痩身を粋な着こなしでカバーする、貴族の雰囲気を持ったと記されていたと思います。田舎への遠征が数か月間続いたと言うことも含めると、21歳での終焉と考えます。そのあと、アルマンはマルグリットの妹に、墓の移動許可を貰い、彼女の棺桶を見て、初めて死の現実を受け止めます。 特に原作にオペラより近いと言うことは多分ですが正しいと考えますが、本当にノイマイヤーはこの大規模な場面設定を簡単に幕1枚で変えるし、人間の苦悩をある時はパ・ド・ドゥに仕上げ、ある時は硬直した女性をリフトし、いかにもこの世界で変わらない物は無い「諸行無常」を訴え、またある時は対比によって追い落とし切る徹底ぶり。 

 本当に幸せな気分には人間は絶対になり切る事が出来ないのかも・・って。 私なんかでも確かに楽しい時は、「一生このまま続く訳は無い」っと不安を感じたりしたことがあります。(先日の人魚姫で、生まれ育った環境で感覚が違うと思ったのはこの部分です。心配性、臆病、陰気などの感覚とその正対する部分)正負・陰影があるとすると、必ずいつもノイマイヤーの振付けには、本質的な人間感情が存在します。 本当に恰好をつけないで、「ありのままを表現すること」で、この感覚(では収まりませんが・・)は生まれるものだと信じたい。 
 小説との絶対的な違いは、マルグリットの存在です。読み進める中で自分のマルグリット像が出来上がって来るかと思います。もちろん妄想的に女性像を思い描き、またアルマンはあくまで正当で美しい男性像とが、互いの境遇ではどうする事も出来ない、また最大限の努力をしても壁は越えられない「宿命」。 人魚姫も越えられない「運命」。 決意する高潔さ、悲恋の結果としての死とその潔さ。私の幸せなバレエ鑑賞を徹底的に突き落とす作品でした、でも実は文学作品が大好きな事に改めて気付かされた舞台でした。(今日はアルマンがとても感動的でしたが)
素敵でした。
もちろん2公演とも・・・・

さて、「椿姫」はシルビア・アッツォーニでも、観たかったと言うのが正直な感想です。もちろん人魚姫の舞台を見てからですが・・・
私、この演目はDVDでしか見たことが無く、20歳のマルグリットを、マリシア・ハイデが演じており、好き嫌いで言うと、やはり演技の上手い若すぎない方が好きです。いろいろYoutube等で調べて、ジョエル・ブーローニュの公演を選びました。またアレクサンドル・リアブコは以前「エトワールの花束」で観た以来です。
 なんと言っても、忘れられない場面は、白のPDDと、その後に続くアルマンの父とマルグリットとのPDD、あまりにも切ない。ブーローニュをオペラグラスで観ていましたが、レンズが曇りました。本当にこの女性の演技力の素晴らしをここで認識(実は、はじめは少し違和感がありました)。 最初ブーローニュの演技が神経質過ぎると感じていました。でも実はマルグリットはこの堕落した生活を習慣化してたのは、そう”生きていく為” だった事を思い出しました。 パリの劇場のどこを回っても、パーティで踊ってても、高価なプレゼントで飾っても、アルマンとのはじめての食事でも、常に無理にはしゃぎ、また浪費することは、自身への証なのです。私(の勝手な思い込み)が気づいてからはブーローニュは、細やかなと言う”思い”に変り、3幕目のお金を払いのけるところでピークを迎えました。素敵でした。
公園の中で行きかう人の中に、アルマンがマルグリットに出会います。オランピアの誘惑のシーンでは、あれっ・・変わったのかな・・って思ったより後に、絶妙のタイミングでアルマンの腕に滑り込ませます。オランピアのこの楽しみかたって何? ・・ 心底娼婦のオランピアを観た様な気持ちになり、アギュエロの上手さでした。
 その他で大きな拍手を送ったのは、やはりマノンのエレーヌ・ブシェ。 なんとも迫力があり、死に逝く運命をデ・グリュー(ティアゴ・ソアレス)と力尽きるまで踊り切ります。心が震えました。最後はマルグリットとトロワになるのですが、この優しさは贖罪したマノンを天使に変えていました。この対比を一般的に見る気にはなれない演技です。愛する人の腕の中で逝く事と、思い出の中で逝くこと・・・対比しているようですが、この日ばかりは私の中で対比に見えなかったのも事実です。
 一方、コール・ドのみなさんは、あまり綺麗ではありませんが、この規模の演目をするには、役者が十分な仕事をし、その中で世界的に育っていくのでしょう。 この仕組みを生み出しているハンブルグ市(行ったことが無い私ですが)に憧れます。官僚の言いなりの日本。ダンサー=芸術家の生活をキチンと保証して欲しいと思います。
 それとナニーヌが妄想で思ってた以上に、奇麗すぎです。まだ会場全体が明るい中、場内放送で5分後に始まります・・とアナウンスがあって暫くした後、ナニーヌがオークション部屋に入って行きます。一番すなおなマルグリットを理解しているかも知れません。上品な所にいたのかもしれませんし、そうでないかも知れません・・が、ミヤナ・フラチャリッチのナニーヌはとても品がありましたし、田舎の家での弾けようは素敵でした。

 ”全体を通して少し違和感”が有ったのも事実です。キャストが妙にシリアスになり過ぎ、テープの音も小さくて1幕は、あれれって思う事が多かった様に思います。・・・民音さんへ・・・椿姫は、神奈川県民ホールでしたかったのか、しょうがなかったのか、あのホールはとても合っていたと思います。 私にとっても、とてもと良い1日でした。 少し寒かったのですが終了後ゆっくりと歩いて帰りました。頭の中を整理しながらにはちょうど良い時間になりました。電車にのってから少し頭痛がし、帰って温まりBLOGもUPしないで眠ってしまいましたが、上に書いた通り、とても疲れた・・と言うのが感想です。 1演目(人魚姫)が日曜で良かった気がします。

私が感じたマルグリットとの心の動き「ジョエル・ブーローニュ」版を書いて見たいと思いましたが、後日にします。
素晴らしいでは語れない舞台でしたし、民音さんを含め、感謝ですね♪

    

2009年2月18日水曜日

2/17 追記2ハンブルグ・バレエ

 
Cover-Storyが BLOGに出ていました。
素敵な写真が多くあり、明日の神奈川での「椿姫」が楽しみです

Alexandre Riabko und Joelle Boulogne als Models: Für die Zeitschrift »Dance Magazine« standen sie in den Kostümen des »Black Pas de Deux« aus »Kameliendame« heute Nachmittag vor der Kamera. Das Magazin wird die beiden auf den Titel einer der nächsten Ausgaben bringen und dort ausführlich über das Ballett und die Japan-Tournee berichten.

とあります。ダンス・マガジンなのでしょう。
3月はザハロワ・キトリの表紙なのですが、「黒のパ・ド・ドゥ」の発売を楽しみにします。

2009年2月17日火曜日

2/17 追記『人魚姫』

先日の書込みで、もう少し考えると書きました。ゆっくり考えて整理している中もあの場面を思い出します。覚えている範囲なので、前後関係に誤りがあるかもしれませんが、書いてみました。

人魚姫・ハンブルグ・バレエ

-- ※※ 第1部 ※※ --
  第1場/プロローグ:船上
  【登場人物: 詩人、ヘンリエッテ、エドヴァート、結婚式の招待客】
        解説:詩人はヘンリエッテ、エドヴァートとの結婚式を思い出している
            一筋の涙が思い出と幻想の海へ流れる
        *楽曲の無いまま幕がせり上がり、舞台空間の中に浮かび上がる船上の絵画的な切り抜き、日本の借景を思わせる
      海の喫水線はブルーのネオンパイプが使われており、一目見て理解は可能かと思われた
      アウトラインが暗闇でよりくっきりと浮かび上がり、結婚の招待客が高らかな笑い声と楽しい会話で結婚式が盛り上がる。
      詩人はヘンリエッテ、エドヴァートの結婚式の思い出で、王子の握手に暫く気が付かないが、正気を取り戻した詩人が、
      握手と一緒に流した涙は、詩人を一気に海底へと誘う。(詩人が転げ落ちて行く様は、とても印象的)
      花嫁は友人たちへブーケを投げ出したり、と・・ 幸せな物語と、詩人の切なさの対比が見事である
  第2場/海底
  【登場人物:  詩人、人魚姫、ヘンリエッテ、エドヴァート】
    解説:海底で エドヴァートへの憧れが、人魚姫の姿に変わる。
        *海達が静かに、でも俊敏な動きで海中物質を体現する。また姉妹達の登場と、意外と忙しい海底であるが、フォルムは
      ブルーに統一されたシンプルなダンスだけの世界感。人魚姫は自由に舞い、また日本風に言うと3人の黒子が人魚姫の
      サポートとして視界を縦横に広げさせてくれる。人魚姫は体重を一切感じさせずに、(多分、スキューバの経験がある方で
      あれば直ぐにあの動きが”分る”って感じさせてくれるように)自由に上下左右に移動している。でも船上で行われている
      結婚式に興味津々で、地上の世界への憧れが人魚姫のひとみから、想像出来てしまいます(楽しい時間は直ぐに過ぎ
      ます)。エドヴァートは、後に登場する王子にもちろん、とてもよく似ており、愛する同性のエドヴァートとその妻ヘンリエッテ
      と詩人の3角関係は、なにげに後にくる物語を興味深く引き込んで行きます。 
      人魚姫は目の覚めるようなパールなライトブルーの尾ひれを輝かせて、人形を黒子が自在に操っているかの様に屈託の
      無い憧れに胸を躍らせている所等、随所に非凡な才能を覗かせてました。また海の女性達は舞台ラインと完全な水平で
      静かに移動する姿が、海水に吸収された最後の色(ダークブルー)に浮かび上がり何とも言えない美しさを出している
  第3場/船内
  【登場人物:  詩人、王子】
    解説:海軍士官が訓練中。王子はゴルフに夢中になり、ボールが海に落ちた事で、自分も海中へ潜り始める・・・
        *ここから一気に物語に引き込まれる。でもゴルフは少し苦手の様ですが、勘弁してあげよう♪
      若い士官達の勇壮なダンスと、少々コケテッシュなダンスを交えながら少し男前な訓練風景が続き、王子がいよいよ登場
      彼は水着の上に白の「愛と青春の日々」を思わせる士官の制服をカジュアルに着こなし、ゴルフの興じている。
      クルーザでの私的な訓練と言う感じもしたが、たぶん軍での風景かな・・?とも判別不明~~;; 
      ボールと共に海中へダイブ・・・・♪ 
  第4場/海の中
  【登場人物:  詩人、人魚姫、王子、海】
        *この章があまりよく理解出来ていませんでしたが、とにかく次にくる嵐の前にエドヴァート似の王子が海中でボールを
      探しているシーンです。
  第5場/嵐
  【登場人物:  詩人、人魚姫、王子、海の魔法使い、海軍士官、水兵、魔法の影、海】
    解説:海中に飛び込んだ王子を溺れさせるようと、海の魔法使いが嵐を巻き起こす
        *ここで私の感性では理解出来ないか、あくまで想像の域を出ない拙い意見⇒ エドヴァート自身である人魚姫の解説があるが
     詩人とエドヴァートの愛の形を、”助ける”という糸口から”永遠”へと広げた結果としての物語を始めた。
     海中での古典バレエ的なパ・ド・ドゥと言う枠には多分入り切らないであろう”愛の形”が口づけと言う引き金で、王子を助け、
     エドヴァートへの憧れを詩人は欲する。
  第6場/嵐が過ぎ去った後の静けさ
  【登場人物:  詩人、王子、人魚姫、海】
    解説:
        *この章があまりよく理解出来ていませんでしたが、次と被る印象。
     人魚姫は王子を死なせたく無いばかりに、必至の形相と愛を以て懸命に、人間でいう人工呼吸(手を胸に宛がい、1,2,3って
     言う行為)・・念と言ったほうが嵌るかもしれませんね・・で生還させてしまう。もちろん詩人の意志がある事は言うまでもない
  第7場/浜・教会の近く
  【登場人物:  王子、王女、詩人、人魚姫】
    解説:浜辺の修道院学校の女生徒の一団の中で、ヘンリエッテによく似た王女が、砂浜に打ち上がった王子を目覚めさせる
        王子は王女が助けてくれたのだと、信じてしまう(とっても美しい王女に恋してしまったかも)
        *無事に王子は生還する。人魚姫は王子の生を確かめ(王子の胸に手を掲げ、何度も何度も確認する)を砂浜の影で見守り
     ます。そこへ王女が気を失っている王子に気づくものの、修学中の王女は終わるのをじっと待つます。 ニキアが大僧正の目を
     盗む様に、先生が去ってから現れ、タイミングよく王子の目覚めと王女の印象を植え付けてしまいます。(ちがうってば・・・♪)
     少し遠くで人魚姫は、安心と嫉妬とのも欲しさを以て海に帰るも、どうしても気になり、 修道院学校のグレーで襟に白を配した
     着衣を手に入れます。 でも安直な王子はこの命の恩人である美しい王女に対して恋してしまいます。
     それを目撃してしまう、人魚姫はここで固く決断したのでしょう。
  第8場/海底
  【登場人物:  詩人、人魚姫】
    解説:王子と王女の間に愛が芽生えた事を目の当たりにし意気消沈、人魚姫の王子への思いは絶望感に変わり、詩人の魂が
        そこに反映されている。
        *詩人も人魚姫の目的意識下で合致しており、新しい洋服を新調するときの弾んだ気持ち。体に合わせてみたりと一瞬とても楽
      しそうですが、心の中では下した決断への不安で胸が一杯、本当に最初の笑顔が全くと言っていいほど無く、強さまでもが切
      なくさせるエレメントとなっていきます。この場面はとても私、心に残っています。
      この洋服は王子の心と共にある筈で、これを纏った私を受け入れてくれる筈と言う断ち切れない思いがとても悲しく
      きっと思い出してくれる筈。祈りにもに似た人魚姫の肢体は本当に切なく舞っていました。書いている今でも涙が滲みます。
  第9場/変身
  【登場人物:  詩人、人魚姫、海の魔法使い、魔法の影】
    解説:人間になることを心に決めて人魚姫は海の魔法使いの所へ向かい、「人間の身体にして欲しい--どんな犠牲があろうと」と。
        海の魔法使いは荒々しく人魚姫の姿を変える。 
        *海の魔法使い、魔法の影たちの躍動が一気に舞台を熱くした。裏返せば、人魚姫の決断の凄さ。演技の極み。
      この舞台で唯一、眼を背けたくなるほど、悪く言えば暴力的な、どんな犠牲があってもと言う決心がこれ程の振付に対しての
      意味であるなら、涙なんて流している場合では無く、しっかりとこのシーンを刻む必要性がある様に・・この打ち勝てる強さこそ
      詩人の思いであるし、エドヴァートに対する思いであった気がする(見ている時は余りにも胸が痛み、犯罪行為以上の振付とま
      で感じていました)。先に書いた「人魚姫は目の覚めるようなパールなライトブルーの尾ひれを輝かせて」は無残にも、身体を、
      転がる度に、剝がれて行き、魔法の影は人魚姫を裸体にしてしまう。ライトブルーの尾ひれは海の魔法使いの物となり、
      あろうことか、海の魔法使いは自分の一部としてしまうが、人魚姫はもうそんなことには目もくれずに、海中で体重を感じない
      一瞬、自分に足が・・王子と同じ姿に・・王女にも・・と言う淡い喜びを出す。投げ出した足を引きよせ、「これで王子と・・」っと
      言う声が聞こえんばかりに・・。 一方詩人は、グレーの王女が着ていた制服を持ち、宛がうもののともて悲しい対比です。
  第10場/浜
  【登場人物:  詩人、人魚姫、王子】
    解説:一糸纏わぬ姿で、人魚姫は浜辺で目覚めます。初めて自身の足で一歩を踏む出すものの、耐えがたい痛みを感じる
        *人魚姫の決意が試されている様に感じます。苦痛でした。本当に観ていてこんなに(後の事も知らずに・・)胸が苦しい事は
      初めてです。立ち上がって”つま先”がついた瞬間から苦痛に体が歪み、次の一歩で膝を内側に向けて・・こんなにもまっすぐな
      気持ち。 懸命に人間への、王子への思いをリハビリの苦しさと引き換えます。
      詩人はこの人魚姫を第3者的に見つめ続け、どうしようもない苦しみを過去の恋愛にもがく気持ちとダブらせている様にさえ観
      えます。私の稚拙な感性ではこの人魚姫の演技の深さを説明出来ませんでした、心で感じるのは悲哀などでは勿論なく、
      人間の足と人間の心を持った、詩人の創造と、人魚姫の美しい部分が重なった結果と映ります。
      裸でさえも、この人魚姫の心の美しさが伺えます。
  第11場/船内
  【登場人物:  詩人、人魚姫、王子、王女、魔法の影、海軍士官】
    解説:この奇妙な少女を、王子は可哀そうに思い、船へ連れて行く
        *奇妙な少女・人魚姫を、少し興味深げに眺めていますが、白の上着を人魚姫に着せて、自身の船上へ招きます。
      船上には、王女の姿も・・・、助けて以来すっかり勘違い王子は、王女をますます愛してしまいます。単純な成り行きと
      その結果もちろん、王子は疑うことを無く、また人魚姫の事は別世界に置き去り、王女との愛を深めます。
      王女にしても王子にしても、偶然の出会いは奇跡と感じたに違いありません。でも少しだけ視野を広げると、そこには
      王子の為に、尾鰭を捨ててまで決心した1人の女性が存在します。 彼女からの側面と、王子・王女からの側面では、もちろん
      全く逆説的な世界があります。「運命」なのでしょう。
      人魚姫は海軍士官と消え去った時は、彼女の身の危険さえ感じさせる演出。 怖かったですが、次の瞬間、セーラ服を纏って
      士官たちの輪の中で、苦しそうな表情・・でもすぐそこには、愛する王子がいる。この永遠に続く様な対比の妙が怖い。
      とうとう車椅子に座ってしまった人魚姫は、王子の腕に縋る為、手をいっぱいに延ばすが、するりを王子はかわし王女を去っていく。
      楽曲はピークを迎えていた気がします。素晴らしい、涙さえ明るくなってからしか流す事に出来ない、1幕の終了でした。
                 ・・・この時点で、疲労感が・・・またこの続きがどうなるか考えるだけで、立ち上がることが億劫になりました。
                   (75分間という、経験の無い時間でした)

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テルミン選択について
このおとを出している楽器を初めてなのでオーケストラピットまで見に行きました
思ってたより小さい機械です。木箱自体は40cm四方程度で、足が付き、金色のアンテナは水平に1本、垂直に1本です。
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【アウエルバッハ:】最初は、男性歌手を宛がう案も有ったのだが、現実血気盛んな印象になることを避け結果の様です。
世界中の童話で、人魚姫は船や船乗りを不幸に陥れます。それは男性達が、人魚の歌を耳にすると聞き入って時間が止まり、
我を忘れてその妖しい声の虜になり死んでしまう。ポイントは属性。人魚姫同様に、テルミンもオーケストラでの属性が不明とい
う合致点の様です。

-- ※※ 第2部 ※※ --
  第12場/人魚姫の部屋
  【登場人物:  人魚姫】
    解説:地上の空間で、閉所恐怖症に苦しむ。努力しても人間の身体はいつまでたってもぎこちなく、不格好である。
        *人魚姫が1人の人間になって、不自由と絶望感に苛む姿を体現します。縦横いっぱいに伸ばせない程度の空中に浮かぶ部屋。
      たった1つの椅子と、奥行きを感じさせる四角い箱の中で人魚姫は悶え、苦しみます。この部屋は閉所の永遠を創造したのかも
      しれません。手の表情、歪む顔、方向感を失うくらい曲った腕、全身を支える脚、またその指先まで、苦しみより悲しみのオーラの
      様に観えてしまいました。もちろんこの前は休憩がはいったのもの、直ぐに集中しています。このシーンだけは早く終わってほしい
      と思いました。この間少しだと思うのですが、眼を背けてしまいました。(その間、1幕が頭の中で過っていました)短い時間と思い
      ますが・・。 このシーンから、うっすらと涙が最後まで止まりませんでした。決して愛が無いとは言いませんが、人魚姫の原作をし
      らない私にとって、運命に翻弄されるこの台本の肝がこの場面なのかな・・なんて想像してしまいました。
      これを童話と言うなら、童話の概念を変えざろうえません。
      楽しそうな楽曲につられ、結婚式の招待客が登場します。ここからは詩人の創造物では無く、人魚姫そのものが主題です。
    *【ノイマイヤーインタビューから:】バレエが挑戦する身体的プロセス・・と位置付けた場面 らしいです。
  第13場/王子の宮殿・結婚式
  【登場人物:  詩人、人魚姫、王子、王女、海の魔法使い、魔法の影、海軍士官、人魚姫の姉妹、海】
    解説:今日は王子と王女の結婚式が執り行われる。しかも人魚姫は介添えを務める事に・・・
       結婚式の最中に海の魔法使いが現れ、人魚姫を試す・・「王子の命を奪ったら、尾鰭を元通りにして海深く棲家に返す」と・・
       でも、どんな事が有っても、殺す事など出来ない事は確か。王子の行動は・・
        *前に一度布石があります。王子は人魚姫にキスする真似をして、手で払いのけ「っんな・・ないよね」って感じで置き去ります。
      人魚姫は、海の魔法使いから大きい切っ先のナイフを渡されます。でもこの現実、結婚して思いが遂げれない運命を一瞬後悔し、
      王子に向かいますが、彼の姿を見た瞬間諦めます。愛しているのは確かだし、思ってもらえない事も現実。
      既に決心した決意と、あと数%の望みにかけて、王子に愛を確かめます。人魚姫は確かに王子を助けているのに・・。
      介添え人の衣装をつけた人魚姫は他の女性達より、極端に小さく、また不格好なおんなです。でもベールをもった手は、妄想の中で
      「私」を想像し、幸せを望み、王子にいつの間にか近づくものの、介添え人の女性の静止させられ、列に戻されます。この間も多分
      不格好な(内又)あしをべたで歩き、素敵な赤の衣装が悲壮感を見事に描いています。
      王子に近づき、あの時の人魚姫である事、判ってもらったと一舜(私が)思った時の、人魚姫の嬉しそうな顔は忘れられません。
      でも人魚姫は絶望感に追い込まれてしまいました。 それも舜殺。 あの「っんな・・ないよね」って感じで置き去ります。
        それも王女と一緒に。 
      人魚姫は元の姿、裸身に戻ります(絶望感の意味を裸身を以て表現しているのかもしれません。もともとグレーの制服は人魚姫の
      人間に変身する意味だと思うのです)
      永遠の苦しみを決心した人魚姫はここで終了します
  第14場/エピローグ 別の世界
  【登場人物:  詩人、詩人の創造物】
      詩人は創造物である人魚姫にエドヴァートとして、永遠の命、宇宙(死の世界)へと旅立ちます

私達はここで拍手をするのですが、暫くは息をしてたように思います。(酸欠状態かも?)
この文章を書く為に思い出すごとに、涙がうっすらと浮かびます
好き嫌いの激しい演目かもしれません。また暴力的な怖いシーン、不愉快なシーンもあったと思います。
生まれ育った環境で観る人の感想が変わると最初に書いたのは、愛の存在です。多分。耐えがたい苦しい体験を長期間した人にとっての、この
物語は「ブラボー」に値するし、忘れすことの出来ない奇跡の様に感じるのではないでしょうか

ノイマイヤーはインタビューの中でこの創造は難しくないと言い切っています
彼の生い立ちが気になります
少し長くなりましたが、とてつもない舞台を見せて頂けた事に感謝します

詩人:イヴァン・ウルハンの威厳、人魚姫/詩人の創造物:シルビア・アッツォーニの女優としての表現。
ハンブルグ・バレエ用に細かく修正しているようですが、完成度の高い、奇跡を起こしてくれたシルビアに感謝します

2009年2月15日日曜日

2/15 ハンブルグ・バレエ『人魚姫』


本日は、ハングルグ・バレエ「人魚姫」を観てまいりました。
すっかり暖かくなってきていますが、日曜の夕方、渋谷とはなんとも辛い町です。

■演出、振付、舞台装置、照明、衣装: ジョン・ノイマイヤー
■音楽:レーラ・アウエルバッハ
■指揮:サイモン・ヒューウェット
■ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー
■テルミン:カロリーナ・エイク
■演奏:東京シティーフィルハーモニー管弦楽団

第1幕・75分 第2幕・45分

■キャスト:
 詩人:イヴァン・ウルハン
 人魚姫/詩人の創造物:シルビア・アッツォーニ
 エドヴァート/王子:カーステン・ユング
 ヘンリエッテ/王女:エレーヌプシェ
 海の魔法使い:オットー・ブベニチェク

 最後はやはりスタンディングオベーションでした。その場で観た人の1人1人が違った感想と感覚を持つのではないでしょうか。育った環境、父母の愛、また恋愛とその結末、家庭、全てがこの(バレエと言う表現だけど)舞台としてのとらえ方の意味が違ってくるように感じました。ノイマイヤー他スタッフが作り上げたこの人魚姫は、あくまで童話「大人版・人魚姫」と言うより、試されている感覚にも似た気が少ししますし、「1人の孤独」を究極まで描ききった舞台と感じました。人魚姫は詩人と最後に舞台に立ちますが、あくまで創造の世界でした。
楽曲は全くと言っていいほど苦手な現代音楽。テルミン(1幕終了あと、オケピまで実物見ました)が異次元的音を奏で、海中とも、この世以外とも、判別の付かない音を鳴らしているのだが、物語とキチンと合っており全然違和感がありません。(私的な趣味で言えば、CDで聞いたら多分最悪かもしれませんが)。

海中の人魚達は、舞台と並行に正確にリフトされる時の雰囲気がとってもきれい。必要ない物質的な装置は全くと言っていいほど何もない舞台。海の魔法使いのオットー・ブベニチェクが交換条件を受けて人魚姫が裸にされる劇的な場面から、切なさが止まりませんでした。
足を得た人魚姫の歩く孤独の姿
船員からバカにされる孤独の姿
車椅子から王子を求める孤独の姿
首を前に突き出し、べた足で歩く孤独の人魚姫
最後は悲しみに追い打ちかけ、ここまで表現しなければいけない意味が分らない位に、苦しい人魚姫をアッツォーニは見事に演じきっていました。

こんなバレエを渋谷で開演しており、初台ではライモンダを上演している。どちらを観たいかと問われると、もちろんライモンダであろう事は確か。あまりにも切なく、あまりにも重たすぎる舞台でした。観た後はそのままベッドで眠りに落ちるか、誰か愛する人をギュと抱きしめたい気分に落としこまれます。

シルビア・アッツォーニの表現力の凄さを見ました。多分本日のマチネではまた違った雰囲気だったのでしょう。彼女の小ささは他の団員と並んで初めて認識できましたが、人間とただ1人の人魚姫と言う相対する人物表現で異質な雰囲気を醸していました。素晴らしい舞台と人魚姫・シルビア・アッツォーニにブラボー♪
今回椿姫はシルビア・アッツォーニの舞台は観れないのですが、彼女のマルグリットも多分素晴らしいと思います。
民音さんへは、お願いですから椿姫は東京で上演して欲しかったです
でも感謝ですね

とにかく素晴らしい舞台です。うまく理解はできませんでしたが、もう少し考える時間が必要かもしれません。

2009年2月12日木曜日

2/12 新国立劇場 第3回目『ライモンダ』

 
本日新国立劇場「ライモンダ」を観てまいりました。


【振 付】 マリウス・プティパ
【改訂振付・演出】牧阿佐美
【作 曲】アレクサンドル・グラズノフ
【装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリ
【指揮】オームズビー・ウィルキンス

キャスト
【ライモンダ】スヴェトラーナ・ザハロワ
【ジャン・ド・ブリエンヌ】デニス・マトヴィエンコ
【アブデラクマン】森田健太郎
 ドリ伯爵夫人:楠元郁子
 アンドリュー2世王:市川 透
 クレメンス:丸尾孝子
 ヘンリエット:堀口 純
 ベランジェ:マイレン・トレウバエフ
 ベルナール:芳賀 望
 第一ヴァリエーション: 厚木三杏
 第二ヴァリエーション: 寺田亜沙子
 スペイン人:湯川麻美子 江本 拓
 チャルダッシュ:西川貴子 マイレン・トレウバエフ
 グラン・パ ヴァリエーション:西山裕子

 新国立劇場バレエ団

 昨日の思いはやはり本物だった事、確信しました。 それはこのバレエ団のシーズン契約ゲストダンサーのキャスティングの悪さです。もちろん、デニス、ザハロワに文句が有る訳も無く、大変プルミエと本日、素晴らしい舞台を見せて頂くことが出来て感謝しておりますが、昨日拝見したひろみさんと劇団メンバーの作り上げた舞台と雰囲気。 力いっぱい出し切った晴々としたひろみさんの演技と、白を基調としたキラキラした色彩、またサポートした山本さん、文句なしにデニス&ザハロワに1日譲って・・って言いたくなります。 昨年の凱旋公演だとすると、ひろみさんデニスのコンビも良かったのに・・ゲストダンサーとの組み合わせなんて、洒落た事をたまにはして欲しいものです。(ってやはり、牧さんでは無理かもしれませんね ^^;;)。 もちろん新国立劇場バレエのファンは私だけではありませんし、海外組だけを楽しみにしている方には、大変ご迷惑かも知れませんが、このバレエ団の真価は、品の良さと、鍛えられた底辺だと私は思っております。 確かにダイナミックさ、バイタルの高さ等は他にかなわない部分もあるかもしれませんが、この美しさは私は好き。 最近はなんとなく表現が時々暴走(周りとの乖離と言うことかもしれませんね)する海外ゲスト組より、ぴったり嵌る新国組の舞台が楽しみです。もちろん、次のシーズンのチケットもソワレ以外はマイダンサーズでお願いしました。

 結局3日間とも、アブデラクマンは森田さんでした。これは少し残念でしたが、やっぱりサラセン軍団は本日も弾けまくっており ブラボー♪ またスペインの湯川がかっこよすぎますし、第二ヴァリエーションの寺田もとっても素敵でした。少し最近気にはなって居りましたが、湊川さん、1幕夢の場面の宝石達(エメラルド色の衣装)の様なコール・ド、大変美しく長いアラベスクを決める場面で、初日・本日ともバランスを崩しておりました。 バランスは苦手なのかな? あとコール・ドの難易度も高いせいか、足に疲れが来ているせいかわかりませんが、2回ぐらい突っかかって転倒している女性がいましたが、大丈夫かな?
あと今日気づきましたが、1幕夢の場面で、クレメンス、ベランジェ、ライモンダ、ヘンリエット、ベルナールが互いに腰に手を添えて、1歩ずつ足を進めるシーンですが、マイレンは本当にライモンダと、息が合っていましたが、残念ながら芳賀さんベルナールは32分音符分だけ遅れる感じ。この感覚は本当に気のせいかもしれません。楽曲とカウントの違いかもしれませんね。彼はとてもアーティステックで表現の為に間の取り方が独特です。良い時の彼は大変素晴らしいと思いますが、あの場面はとても私の好きな場面なので、気になっちゃいました。
今日のデニスはプルミエより、ジャンプの高さが数cm位高かったとおもいますし、疲れが取れたのか「若々しく」なっていて、ホッとしました。(これだけ顔が違うと不思議です♪)

云い忘れないうちに・・本日の一押し、パ・ド・ドロワでした。(さいとうさん、まゆみさん、小野さん)
って言いながら、グラン・パ ヴァリエーションの裕子は外せませんね♪

 今回もとても楽しませていただきました。
 機会があれば、川村さんも観てみたかったのですが、ハンブルグがあるので今回はパスしか
 なさそうです。 とても残念です。ひろみさん・川村さんはこのバレエ団のメインですもの♪

新国立サイトに「お客様の声」がUPされていました。
昨日も紹介しましたが、これからWEBでアンケートを書こうと思います

皆さん、まだ今週末まで続きますが、怪我の無い様に頑張ってください
それと私はとても満足しております、良い舞台ありがとうございます 
 

2009年2月11日水曜日

2/11 新国立劇場 第2回目『ライモンダ』


 
 本日も、新国立劇場へ向かいました。寒いです。今日は朝から仕事をしており、作成したファイルが見当たらなくなり、少し焦りましたが、ちゃんと保存してた。ほっとして、お風呂で温まり、初台へ向かいました。この時期のお風呂は気持ち良いですね。 ついつい長く入ってしまいますが、時間ぎりぎりまで入っていました。 今日はひろみさんの舞台・・楽しみにしていました。

スタッフ
 【振 付】 マリウス・プティパ
 【改訂振付・演出】牧阿佐美
 【作 曲】アレクサンドル・グラズノフ
 【装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリ
 【指揮】オームズビー・ウィルキンス

キャスト
 【ライモンダ】 寺島ひろみ
 【ジャン・ド・ブリエンヌ】 山本隆之
 【アブデラクマン】 森田健太郎
 ドリ伯爵夫人: 西川貴子
 アンドリュー2世王: 市川 透
 クレメンス: 寺田亜沙子
 ヘンリエット: 堀口 純
 ベランジェ: マイレン・トレウバエフ
 ベルナール: 冨川祐樹
 第一ヴァリエーション: さいとう美帆
 第二ヴァリエーション: 高橋有里
 スペイン人: 井倉真未、 江本 拓
 チャルダッシュ: 大和雅美 グリゴリー・バリノフ
 グラン・パ ヴァリエーション: 遠藤睦子
 新国立劇場バレエ団

 今日のひろみさんは完璧でした。全開のパフォーマンスは以前デニスとの『ドン・キホーテ』の時に感じた一体感が私的には体験しましたが、またまた今日やってくれました。舞台全体がキラキラしていて、素晴らしいでは語り足りない生の舞台。 また山本さんとのパートナーシップが素晴らしいし、急な降板で大変だったと思いますが、失礼ながら結果的には本当に良かった・・と思います。ひろみさんは何処を切り取ってもライモンダで、ヴァリエーションはとても安定しており、見ていて思わず笑みがこぼれる位に嬉しくなる感じます。また山本さんのサポートが優しくて高貴で、、1幕目から(私だけかもしれませんが)グラズノフの楽曲も相待てって、涙がこぼれてきました。決してここは涙ぐむ場面で無い筈ですが・・・♪ 
やっぱり楽曲、演奏者、指揮はとても大事なエレメントであることを確認できます。
昨日に引続き、アブデラクマンの物足りなさを感じながらでしたが、とっても満足のいく・・っていうか最高の舞台に感謝します。3幕結婚式での8人4組が2グループと、ライモンダ、ジャンは新国立劇場の次世代のオールキャストで有るかの様に豪華ですし、力量も申し分ありません。グループごとの構成はよく分りませんが、たぶんこんな感じかもしれません(間違っていたらごめんなさい)
  丸尾さん、遠藤さん、寺田さん、まゆみさん
  湯川さん、小野さん、さいとうさん、裕子さん
本当に美しいし、煌くような舞台を魅せて頂きました♪
それと 第一ヴァリエーションでさいとうさんの素晴らしさを改めて感じ入りました。
またトロワではさいとうさん、まゆみさん、小野さん 本当にひろみさんの本日の舞台を盛り上げてました
『ドン・キホーテ』の時よりももしかして、新国立劇場バレエ団としての一致団結が感じられました。

あっと言う間に終了ですが、となりの老紳士がカーテンコールの時に「きれいだね。ぜんぶ日本人?」って。正確には違いますが、今回れっきとした海外ゲストなしの公演です。そう思ってるんだ・・と思い少し嬉しかったです。今日もとても嬉しい気分で、ピアノのヴァリエーションを頭で鳴り続ける中、新宿まで気分が良かったので歩いて帰りました。 ってオペラシティの信号で止まっている時、マエストロの姿を発見。早すぎです。私はいつも出るのが早い方と思いますが、ウィルキンスさん180cm位の大柄な方なので、あのメガネを見つけた時直ぐに判別できました。

今日はありがとうございます
また、貝川さんは早期のご快復を願っております
明日はライモンダ最後になります

素晴らしい新国立劇場バレエ団と、ひろみさん、山本さんに感謝ですね♪
 

2/10 新国立劇場 1回目 『ライモンダ』

 
本日は新国立劇場バレエ『ライモンダ』 プルミエを観てまいりました。ライモンダは観る側にとっては、とても満足できる(心ゆくまで堪能できる)演目。今日は怪我からの日本復帰ザハロワの姿を少し、心配しながら、また期待しておりました。 ただ、牧版は全くの初見。(ただし、5F資料室で一応は見ましたので、舞台初見と言う事になります)

【振 付】 マリウス・プティパ
【改訂振付・演出】牧阿佐美
【作 曲】アレクサンドル・グラズノフ
【装置・衣裳】ルイザ・スピナテッリ
【指揮】オームズビー・ウィルキンス

【ライモンダ】
  スヴェトラーナ・ザハロワ
【ジャン・ド・ブリエンヌ】
  デニス・マトヴィエンコ
【アブデラクマン】
  森田健太郎

 ドリ伯爵夫人:楠元郁子
 アンドリュー2世王:市川透
 クレメンス:丸尾孝子
 ヘンリエット:西川貴子
 ベランジェ:マイレン・トレウバエフ
 ベルナール:冨川祐樹
 第一ヴァリエーション:厚木三杏
 第二ヴァリエーション:寺田亜沙子
 スペイン人:井倉真未 江本拓
 チャルダッシュ:西川貴子 マイレン・トレウバエフ
 グラン・パ ヴァリエーション:西山裕子

 出ずっぱりのザハロワ、少しふっくらしているのかな? いつもの切れが無い様でしたが、5つのヴァリエーションはさすがに美しく舞ってました。 デニスも久し振りに登場した感じかありますが、なにか髪型が、おじさんっぽくなって来ているのが心配かも。 以前は王子を新国立で演じると、もうそのまま嵌る感がありましたが、今回は・・何となくザハロワとの相性に溝が出来ている?・・なんて思いながら1幕を観ていました。 さすがに新国立の舞台・・1幕夢のシーンの美しい事、この上ない。こんなライモンダはやはりこのバレエ団の真骨頂(って受け売りみたいですが)ですね。 海外にも持っていくだけの自信作なのか、ライト、衣装と相まって、夢の様な美しさを出している?感(たぶんこのあたりが限界)があります。
って言っても、もちろん美しいですし、コール・ドのレベルはどこより高いと思っております。本当に揃う・・と言う意味では大変鍛えられた、バレエ団と思います。

1幕の友人たちとリュート演奏や踊りですが、ザハロワの指先の繊細な事、本当に奏でているようでした。ここでの主題はライモンダの1回目のヴァリエーションですが、ベールをもった踊りはあまり調子が上がっていない様に見えました。
2幕・宮廷シーンでの少し物足りなさは核心へ・・・1幕夢のシーンから引きずっていましたが、アブデラクマンの野性味不足です。肌が白く、少し丸い目のアブデラクマンじゃやっぱり物足りません。先日のミハイロスキーの時も感じましたが、この役柄で演目が締まるかのポイントかと、私は思っております。ピッタリくるプロダクトは未だ出会えたことが無い事は、もしかして幸いかもしれません。(あとの楽しみです)
でももう少しメイクとか、肌の色とか・・今後に期待しましょう♪
2幕で素晴らしい出来だと思ったのが、第一ヴァリエーションの厚木さん。拍手は少なかったのですがブラボー♪です。 技術が強いです。情景表現は置いておけばこの方のダンスは大好きです。
ヘンリエット:西川さんとベランジェ:マイレンのコンビは相乗効果というより、平凡。
キャラクテールでのマイレンは何を踊っていても、かっこよすぎる男前なのに、なぜ今日は?って感じです。男性では、飛びぬけて彼を楽しみにしているし、期待を裏切らないパフォーマンスをいつも見せて頂いていましたが、今日は少し変でした。
3幕結婚式での8人4組が2グループと、ライモンダ、ジャンはさすがに美しい出来でした。目を引くのは小野さん、ヴァリエーションの最後、片ひざをついて肩を落とし、首を伸ばした姿の美しい事。 他の3人とは全く違います ザハロワもこの姿は手足が長い分バランスの美しさを持っているバレリーナですが、小野さん1つ1つの姿に関心します。 これは随所で出ています。
あと以外だったのは、サラセンの女性の1人がまゆみさんでした。なんとなくやわらかい、たおやかなダンスのイメージがありましたので、あんなに男前な姿、意外でした。もちろんそのあとのトロアのチュチュでのまゆみさんはいつもの感じが戻って居りましたが・・。
今日の一押しはなといってもサラセン軍団。 もうブラボー×100^って感じですね♪
まゆみさん、遠藤さん、千歳さん、男性が吉本さん、八幡さん、福田さん
もう首領であるアブデラクマンよりかっこ良い事♪ (部下恐るべし^^;;)

また明日ひろみさんライモンダを見にいきますので報告します
あとパンフレットに、「十字軍とジャン・ド・ブリエンヌ」と題して、時代考証とバレエ台本の比較の記事がありました。明日までにしっかり読んで続きを書きます。

あと、明日のキャストが変更になっています
引用:
-------<ここから>-----------------------------------
私の「ライモンダ」主演日が明日へと迫りましたが、貝川君が体調不良のため、残念ながら降板する事となりました。昨日の夜、彼から直接電話連絡をもらったのですが、舞台に出演できない悔しさが痛いほど伝わってきました。代役のパートナーは、山本隆之さんです。アブデラクマンを森田健太郎さんが踊ります。山本さんのアブデラクマンは11日のみでしたし、昨日更新した直前情報でもお話した通り、力強くて素敵なアブデラクマンだったので残念です。突然のキャスト変更で、全く不安はないと言ったら嘘になりますが、山本さんとは2006年に踊っているので、今日少し合わせたらすぐに感覚が戻って来ました。そして、アブデラクマンの森田さんともアメリカ公演で踊っているので安心しています。
ですから、お客さまは心配せず、どうか舞台を楽しんでいただければと思います。
貝川君の分まで頑張りますので、合わせて応援もお願いしますね!

  
-------<ここまで>-----------------------------------

と言う内容がひろみさんのコメントとして書かれています。
良かったと思います。 これを知ったのが今日の仕事中でいきなり更新してしまいましたが、支障ないようなので、ひろみさんも言っている通り、回転数を決めるのでは無く、音に合わせて柔軟に対応できるパートナーが彼である事は確かと思いますので、明日はよい舞台を期待しましょう。

2009年2月9日月曜日

2/7 モナコ公国モンテカルロ・バレエ「La Bell」

もうずいぶん時間が経ちましたが、
2/7 はモナコ公国モンテカルロ・バレエ La Belle 

(美女)~眠れる森の美女~ 、を観てまいりました。

全3幕プロローグ付き
振付:J.C.マイヨー  音楽:チャイコフスキー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト

あまりにも美し過ぎる舞台で世界を震撼させた超話題作。誰もが知っている物語を、
鬼才マイヨーが卓越した感性とアイディアで一新!
独創的な新解釈で、夢のように優雅なシーンを作り上げた。カラフルで奇抜な衣装、
シンプルで計算し尽くされた舞台装置、時に官能的で時にコミカルな振付、陰影を
生み出す照明、全てが統合された美の奇跡。透明感溢れるマイヨーの舞台が堪能
できる。

というもの、確かに衣装等は奇抜。アイデアも非常にわかりづらかったです。
多分もう少し集中して観ていればと思いますが、とにかくびっくりしました。












              - この写真は光藍社HPからのものです -

ラ・ベル: ベルニス・コピエテルス
若者・王子: クリス・ローランド
リラの精: 小池ミモザ

とにかく、ベルニス・コピエテルスにブラボー♪



2009年2月4日水曜日

2/4 小ネタ

 
 いつの間にか2月ですが、相変わらず・・すっかり・・・更新も今年になってできいませんが、来週今週末からは、体力が続く限りに劇場通いになりそうです。土曜に渋谷でモンテカルロバレエ『LaBell』に始まって、2/21新国立バレエ『エトワールへの道程』まで8回です。全く仕事がこんなになるなんて、思っても見ませんでした。 その間にも、世間は動いています。 NBSのサイトにもいよいよチケットサービスが開始されています。早速申し込みをしてみましたが、何となく最近仕事に忙殺されていて、実感が湧きません。また、ローザンヌも結果が出た様です。 YouTubeで少し仕事に合間に見ましたが、会議が始まると瞬間に切り替わっています。
 椿姫もあとちょっとです。とても楽しみにしています。ひろみさんを含め、ライモンダももう来週・・・tt site(1/26・『ライモンダのリハーザル』)にも、報告が出てらっしゃいます。週末は新国立バレエ団の『エトワールへの道程』 チケットの数を間違えて買ってしまった公演(無駄になりました)、などなど、盛りだくさん♪ いつもだと、体力を温存してでも整えたいところですが、少し今は難しい状態です。

 ところで、NBSのデンマーク・ロイヤルバレエ団のクリスティーナ・ミシャネックのmail インタビューがでています(その前はセバスティアン・クロボーですが) 。 私 『ロミオとジュリエット』は未だに観たことがありません。今回(初見はぜひマクミランで観たかったけど)ノイマイヤー版の作品ですが、とにかく楽しみにしておりました。セバスティアン・クロボー/クリスティーナ・ミシャネック2回とも観に行く準備だけは出来ています。
 もう1つは昨年、素晴らしい舞台を、シュツットガルトで魅せてくれたフォーゲルのアルブレヒト『ジゼル』が、NET販売対象になっているようです。JapanArtsでは、3年ぶりのマリインスキー
のざっくりした予定?(マリインスキー・バレエ<11/23(月)~12/11(金)神奈川県民ホール,東京文化会館>) ・・ってざっくりしすぎだとおもうのですが・・出ていました。

 新国立劇場バレエの来シーズンの申込をやっと決め先日送付したのは確か1月末だった記憶ですが、はっきりしていません。 ああっ 休みが欲しい・・・

それと先日『オネーギン』を注文するも、相変らず在庫が無い様です。
アマゾンねたでは、マリインスキーの続編が出ています
実はこのDVD、『vol.4 オブラスツォーワ&ノーヴィコワのヴァリエーション・レッスン』なのですが、『vol.3 ソーモワ&テリョーシキナ』での組み合わせのを交換して頂けると、いい感じになると思います。オブラスツォーワ&テリョーシキナです。今年末のマリインスキーはやはりテリョーシキナに注目している私は、大変愛くるしい、オブラスツォーワとの組み合わせだったら既に注文していたと思います。 でも多分そのうちかと思いますが・・・