2Fからの鑑賞ではなかなか、誰がティボルトか、ベンヴォーリオか、マキューシオか全く途中まで不明でした。本当のこと言うと、キャピレット家のパーティがある場面でもキチンと認識できていませんでした。ロミオはブルーの衣装であることを見ておいて良かったです。全然ロミオらしい部分が判りませんし、私だけかもしれませんが、見失う事が多い1幕でした。またローレンス神父が冒頭で出て来て、ロミオが階段で「肺炎?」って心配すると記載がある為、判別は出来ましたが、何と若い神父(読んでなかったら下っ端の見習が外で祈っている様に見えるよ)・・ロミオとは親友(とありますが幼馴染ですね・・この姿は!)らしいのですが、本当にマクミラ版ほかでも固定概念があったので少しびっくりしました。今回のNBSのキャストでも本当に登場人物の名前の多さにビックリするやら、なにせシェクスピアを超えると記載があるとおり、一座には原作では名前が付いていないようですが、ノイマイヤーはポイントには全て名前を付けてしまったようです。イザベラ、ヴァレンティン、ルシアーナ、ラヴィニア、アントーニオ、ビアンカ、セバスティアンです。イタリア系、スペイン系他なんとも雑多な一座らしい命名♪ 楽しいですね。日本人的な発想では、赤組・青組的な色分けが望まれますし、マクミランもそうした様に、衣装の色遣いが少しだけ分かりにくい事を感じますが、本来の生活では、普通かもしれませんね(今になってこじつけてみると)
舞台セットは昨日少し書きましたがとてもシンプルかつ効果的の為、少し覚えている範囲で書いてみます。 2.5M位のアップフロア・手すり・柱付きの通路が半分以上にせり出し、階段がついてセットが構成されています(他には広場を仕切る石柱)。これが、バルコニーにも変化し、広場の一段上を現し、キャピュレッ家の重圧感を演出します。概ねこれと、数枚の効果的なセットだけです。勿論ライティングの妙は言うまでもありません。この数枚の個体は、たとえば、△に○の穴があいている(家は△と□で表現出来ると思います)のですが、広場から見たローレンス神父が所属する教会の壁を現し、一度暗くなり上下手から枠が出てくると、もう、教会の中という具合です。
ライトは、オレンジとブラウンタンのグラデーションは夕方の外をイメージさせ、青とスカイブルーは昼、黒は室内、影絵的な場面も多用しています。通常は紗幕で絵画という固定観念とコストを見事に両立されている事に驚きます。
「椿姫」もそうでしたね、それ以上にあの波の高さをあのネオン管1本で表現した「人魚姫」にもつながる事を思い出させます。
ロミオは片思いの相手、ジュリエットの従姉妹のロザラインを階段で待ち伏せています。(この場面が始まりになります)
演出のポイントは
1幕2場 ジュリエットの浴場
1幕4場 キャピレット家の舞踏会
1幕6場 バルコニー
2幕3場 ティボルトがマキューシオを殺害
3幕1場 ジュリエットの決意
3幕3場 ジュリエットの芝居
などでしょうか。それぞれ覚えている事と、感じた事を書いてみます。
1幕2場 ジュリエットの浴場
・こんな少女ジュリエットを考えた事すらありません。私小学校の時に、フランコ・ゼフィレッリ の
ロミオとジュリエットを観て以来、またフェリのジュリエットを観ていて、正反対な性格を想像していた
関係で、少しショックを思えました。振り付けはでもとても面白い。
キャピレットの伝統的なステップを覚える為、練習するも上手くいかないジュリエット
夫人を大袈裟に真似て友人達とふざけあう姿は、とても可愛く早い展開です。
1幕4場 キャピレット家の舞踏会
・組曲の中でもこの部分は荘厳な音を放つ部分です。(ここで管外さないで!)
彼の振付けで一番楽しみにしていた部分。マクミランよりヌレエフに近い感じを受けました。
ロミオがこの舞踏会でジュリエットを見つめて近寄ることの出来ない環境である事をティボルト
の細かい動きが良く表しています。「ジュリエットに近づく者は誰だ?」でも惹かれあう2人の間
には無意味。止めるのは、キャピュレット公では無く、夫人・・力強さに驚き♪
パリスがどうしても悪人に見える。演出意図であればしょうがないが、彼はイメージでは被害者
であり、育ちも良い男性であって欲しかった。
1幕6場 バルコニー
・このシーンはどうしても冷静に観れない自分。フェリを思い出し、楽曲を聞くだけでバルコニー
なのに涙が溢れます。振付がどう・・なんて事、本当は少しも覚えていません。明日は観れるかな?
2幕3場 ティボルトがマキューシオを殺害
・ふざけ合いがエスカレートし、ティボルトがマキューシオを殺害するのだが、この演出は事故の様
に見えます。マキューシオがティボルトの剣に誤って進んでしまった結果です。
この後、悲しみでロミオは理性を無くし・・いつものストーリは進むのですが、重要なのは、この間
も”旅芸人の一座”の芝居が入り、まるで少し先の状況を予言します。
重要なマイムを当人では無く、”旅芸人の一座”に割り当てるしかけはとても気に入った部分。
もちろん、神父の処で、妙薬の説明も併せ持ちます。
いよいよロミオはティボルトを殺害。例のアップフロア(ここでは広場の遠方)からキャピュレット
夫人が狂おしい姿でロミオを攻めたて。2幕が終了します。
3幕1場 ジュリエットの決意
・3幕は葬儀参列のシーンからの始まり。楽曲も無いし暗闇に炎の列が作られ、横たわるティボルトを効果
的に演出します。このシーンはすごくマッチしてきれいでした。
もう1つの好きなシーンです。パリスとの結婚を迫られるジュリエットの気持ちは限界に達し(拒否の踊り
方が凄い)教会まで走ります。大人としてジュリエットの姿が始まりますし、決意をどう見せてくれる
のか期待していましたが、とにかくジュリエットは神父の元まで走り続けました。倒れるジュリエット。
もちろん神父から躊躇なしに薬を貰い、帰ります。(このとき少女ジュリエットはもういません)
3幕3場 ジュリエットの芝居
・薬を胸に、「パリスとの結婚を承諾する」とジュリエットは嘘を付き、その後心の迷い無しに服毒します。
一度決意したジュリエットにもう迷いは無い・・とでも言いたい位の高潔さを以て表現します。
承諾に乳母も安心し、明日の結婚式の準備です。什器・お料理その他必要な物の行列を確認するもの楽しそう。
舞台前列の明日の幸せの行列、と舞台奥のジュリエットのベッドは本当に対極的でした。
表情は2Fなので良くは観れていないのですが、最初の話に戻ると、ロミオはキャピレット家の舞踏会あと位からしか分かりませんし、ベンヴォーリオ、マキューシオは2幕中盤に入ってからハッキリ分かった位です。(遅すぎですね^^;:)
書かなければいけないシーンがあと3つあります。1つは、キャスト陣の事、残りはバルコニーと寝室です。これは改めて明日もう一度鑑賞してからとします。今回ジュリエットが逆になりました。スザンネ・グリンデルとセバスティアン・クロボー。クリスティーナ・ミシャネックを目あてで2日間取ったのですが、芸術監督の意見でジュリエットが入れ替わり、本当は今日見てみたかったです。違うキャストの方が面白みがあったでしょう。
実は今もミラノ・スカラ座 フェリ、コレーラのDVDを観ています。
明日また続き書きます。