2008年12月6日土曜日

12/6 ボリショイ vol.2 『白鳥の湖』にブラボー

 
アレクサンドロワ、2回目です。本日は、ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」を観てまいりました。

白 鳥 の 湖  2 幕 4 場  

音楽 : ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本・改訂振付・制作 : ユーリー・グリゴローヴィチ
原振付 : マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
  アレクサンドル・ゴールスキー
美術 : シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作 : パーヴェル・ソローキン
照明 : ミハイル・ソコロフ
指揮 : パーヴェル・クリニチェフ
管弦楽 : ボリショイ劇場管弦楽団


オデット/オディール : マリーヤ・アレクサンドロワ
王妃 (王子の母) : マリーヤ・イスプラトフスカヤ
ジークフリート王子 : アルテム・シュピレフスキー
ロットバルト : パーヴェル・ドミトリチェンコ
王子の家庭教師 : アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化 : ヴァチェスラフ・ロパーティン
王子の友人たち : アンナ・ニクーリナ,アナスタシア・ゴリャチェーワ
儀典長 : アレクサンドル・ファジェーチェフ
ハンガリーの王女 : ネッリ・コバヒーゼ
ロシアの王女 : オリガ・ステブレツォーワ
スペインの王女 : アナスタシア・メシコーワ
ナポリの王女 : アナスタシア・ゴリャチェーワ
ポーランドの王女 : エカテリーナ・シプーリナ
3羽の白鳥 : ネッリ・コバヒーゼ,ユーリヤ・グレベンシチコワ
         ヴィクトリア・オーシポワ
4羽の白鳥 : チナラ・アリザデ,スヴェトラーナ・グネードワ
         スヴェトラーナ・パヴロワ,アナスタシア・スタシケーヴィチ
ワルツ : オリガ・ステブレツォーワ,ヴィクトリア・オーシポワ
      アレーシヤ・ボイコ,アンナ・オークネワ
      カリム・アブドゥーリン,デニス・サーヴィン
      ウラジスラフ・ラントラートフ,エゴール・フロムーシ


 まずは、書かなければいけない事は、グリゴローヴィチの思想と台本でしょう。プログラムに少し書いていますが(詳細は割愛しますが)、整理した台本はそれぞれの役の表情となり、意味付けとなって一貫性をもちます。配役された部分の不明感が無く(と書いていた)キチンとして、意識を共有できる部分は物語を舞台として魅せる手続きが気持ち良かったです。
 (誰の内部にも住みつく感情の悪魔)ロットバルトの意味付けは、象徴的でジークフリートの弱い部分を表し、王子を操る表現を感情と受け止めています(振付も影を表している表現が多かった事に起因しています)。 悪い意味での弱さと悪くない自分、少しの勇気と理性による意志でのフロンティア。相対する部分をこの本当の意味での悲劇の託している気がしています。 やはり因果応報とでもいいましょうか。少し言い方は古いかと思いますが、これ以上の言葉が浮かびません。かたや、2幕は花嫁(候補達)が、自身の自慢のダンサーを引連れ、王子にこれでもか・・と言うぐらいに自慢。 当然ディヴェルティスマンでの主役は自分。候補達は常に真中。後に主催である王妃のプロデュースの中、ワルツを踊ります。このワルツはとても好きな旋律ですが、コリフェの役柄的にいつも不満に思っていましたが、ボリショイソリストが、吹き飛ばしてくれました。一番のポイントはもちろんエンディング。紗の幕間から見えるオデットの死は、間違いの代償。
 ・・ と受け取ったストーリです。

 次に書きたいのは、前回も書きましたがパーヴェル・クリニチェフの緩急な指揮。いつもオーボエの音を目を瞑って聞いていますが、今日はその時間は当然ありません。やっぱりオケに向かうや否や、指揮棒を下しています。 2幕開始もそうですが、このオーケストラは好き。ハープ、管が特に素晴らしいです。(今日ハープの人を少し観察していました。ロシアの典型的なおばちゃんでした。感覚は素晴しいし、幕間25分もチューニングメータでの調整をしてられました)バイオリンソロは、王子とオデットの会話そのものですし、オディールのフェッテは超高速で盛り上げ、エンディングでは本当に震えます。

最後になりましたが、これは絶対書きたいこと♪
アレクサンドロワのオデットにブラボー。もちろんオディールにはブラボーではともて足りない状態です。キトリが最高と先日書きましたが、今日は世界一のオディールは彼女で決まりです。(ってほんと自分の性格を疑います ^^;; )
彼女のオデットは、兎に角丁寧です。オーケストラに遅れる訳ではなく、しっかりと魅せ、人間臭さの感情を詰め込みます。今回アレクサンドロワを3演目で購入したのは良かったと思います。この版でのオデットは儚さ、弱さ、逃げ場所、空想そのほか、ネガティブな部分の象徴なのでしょうか。 無機質な白鳥(オデット)とは全くの別次元での情景を表現しているかのうようなアレクサンドロワでした。
一方の明日のキャスト・クリサノワは2年前から、踊っているが古典で最も難しい役・・と解説されています。 また解釈は”あくまで鳥。手は羽”です。 ・・実はこれを今日読んでいて笑いました。意図は本当に翻訳者に伝わっているのか疑問ですが、明日報告します。

 スペインの一部男性陣のおとなしさが気にかかりました。ここは男前を最高に押し出す部分。遠慮はダメもったいないね。 特に目立ったのはハンガリーの王女、ネッリ・コバヒーゼと、ロシアの王女、オリガ・ステブレツォーワです。何ともきれいでうっとり。3羽でもコバヒーゼは目立っていました。観ていてキチンを踊る方が好きです。よく音符に遅れて最期をしりすぼみする事を見かけますが、彼女はしっかり音を取って刻んでいる感じがします。道化ヴァチェスラフ・ロパーティンは超絶でした。でも厭味では無く軽くこなしている事が、とっても好印象です。

こんなに言って最後ごめんですが、少し衣装古臭いです。台本が良いのに・・もったいない!
明日も「白鳥の湖」を観ますので、時間があれば報告します。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿