≪ロミオとジュリエット≫ 全 3 幕
2010年3月14日(日) 15:00~18:00
音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
台本 : レオニード・ラヴロフスキー,
セルゲイ・プロコフィエフ,セルゲイ・ラドロフ
振付 : レオニード・ラヴロフスキー
振付改訂 : ミハイル・ラヴロフスキー
振付改訂補佐 : ドミートリー・コルネーエフ,イリーナ・イワノワ
アレクセイ・ファジェーチェフ
装置 : ダヴィッド・モナヴァルディサシヴィリ
衣裳 : ヴャチェスラフ・オークネフ
衣裳デザイン補佐 : ナティヤ・シルビラーゼ
照明 : ジョン・B・リード
照明デザイン補佐 : アミラン・アナネッリ
舞台監督 : ニアラ・ゴジアシヴィリ
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団
<出 演>
ジュリエット : ニーナ・アナニアシヴィリ
ロミオ : アンドレイ・ウヴァーロフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥) :
マキューシオ(ロミオの友人) : 岩田守弘
ヴェローナの太守 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
キャピュレット卿(ジュリエットの父) : ユーリー・ソローキン
キャピュレット卿夫人 : ニーノ・オチアウーリ
ジュリエットの乳母 : タチヤーナ・バフターゼ
パリス(ジュリエットの婚約者) :
パリスの小姓 : テオーナ・ベドシヴィリ
ローレンス神父 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
ジュリエットの友人 : ラリ・カンデラキ
吟遊詩人 : ヤサウイ・メルガリーエフ
モンタギュー卿(ロミオの父) : マヌシャール・シハルリーゼ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人) : ゲオルギー・ムシヴェニエラーゼ
居酒屋の主人 : ベサリオン・シャチリシヴィリ
(パリスの小姓って以外と気になりました!)
概ね、あらすじは前回書いているので割愛します
でも今日のオケは、慣れてきている為か、人が変わったのか、テンポが良い。ダヴィド・ムケリアは本当に良い鳴らし方をしている。もちろん外している楽器は何度か有るのはあきらめていますが、それでもここ・・と言うタイミングでは、気持ち良い位、鳴らしてくれている。あ~~気持ちがいいし、入りこめる。とっても嬉しい。
今日は、前回にも増して、涙、なみだ、ナミダの舞台だった気がします (下記順不同)
■一番の涙:
2幕の中でも圧巻は、前回も少し書きましたが、マントヴァでのロミオの苦悩のシーン。楽曲はバルコニーの主題が展開されています。この場面で、今日もまたなぜ?・・って感じですが、そうだった・・完璧な楽曲配置。そうです。ロミオはジュリエットとの、あの愛の喜びに満ちた瞬間、バルコニーの一時を思い出している事とるのですね。 でもまた主題が変わる。 ・・ロミオは苦しさを現し、もう胸を突き刺す程の体現。ウヴァーロフの凄さは圧巻だった。もちろんこの主題には、布石がしっかりとあります。それは、バルコニーと一部同じ振付。 舞踏会で出会い、嬉しさの初パ・ド・ドゥ、この後に続く悲劇の前触れ。ジュリエットとのバルコニーでのパ・ド・ドゥで、片膝を付き両手を一杯に広げ、背中を反らせて体でジュリエットへの愛を何度も誓う・・あの振付です。ウヴァーロフの腕が苦しみと同等に伸び、このバレエダンサーの身体能力の高さを感じる。嬉しさと愛で一杯だったバルコニーでのロミオだった筈が、マントヴァでは心の叫びとなり、胸を打ちのめす。わたしは足に力が入り、息が苦しくなる。そのあと体中に力が入り緩める事すら出来ない状態が数秒続き、やっと緩める事が出来た時、涙が流れて止まりませんでした。そのあとにベンヴォーリオがジュリエットの葬儀の事、死の事を告げに到着します。
■次のなみだ:
2幕幕が開き、喧騒の中で決闘が始まります。マキューシオの完全な死に際して、ティボルトが剣を持ったままで十字を切ります。その瞬間楽曲の主題が変わり、管がそれまでの空気を切り裂きロミオの感情として響きます。この鳴り方・・感動しました♪ って言うかウヴァーロフのタイミングが絶妙です。気持ちがある。悔しさが激情として観える。 直前ジュリエットと愛を誓い合い、ジュリエットの為に和解し一歩引き、我慢した。 ・・ 前回はベンヴォーリオ、仲間達の心の渦に巻き込まれた感じのロミオ・・と書きましたが、いいえ・・今日は完全に悔しさと、復讐心と、どうしようも抑えられない激情で、真っ赤になった顔のウヴァーロフ。凄い。たてはウヴァーロフが全てに於いて持って行くほどの迫力。負けているみんな・・・それほど今日のウヴァーロフは気合いが違う気がしました。後悔を持ちながらティボルトに立ち向かうロミオが、切なくて切なくてジュリエットの姿が無い分、余計に心に残った。
■最後のナミダ:
3幕全て ・・って少し乱暴ですね。でもそんな感じです。
寝室のパ・ド・ドゥの主題は聞いているだけで高揚しまし、ついなみだぐみます。その後に続く、ニーナのジュリエットは少女のまま神父の庵に飛び出します。そう・・とても愛らしい。(いつもDVDで観ているマクミラン版はここで少女→女性になります)『そうだ!良い事思いついた』的な率直さは案外良いですね。帰ってくるなりジュリエットの部屋で両親・パリスが居合わせるタイミングとジュリエットのひた隠す表情の対比。その後、パリスとの1幕での主題の繰り返し、はにかんだジュリエットは今の2人は別意識。聞けば聞くほど良く出来ている。徹底的な主題の繰り返しと感情の違いを見事に解釈し振付たラヴロフスキー版に、プロコフィエフの楽曲が、これでもかという位に後押しして3幕全体を盛り上げていた。
カーテンコールでニーナはグルジアの国旗を持ち出しておりました
少し意味深です。なにも無ければ良いのですが・・・グルジア・バレエの今後を頼んだだけで有れば良いのだが・・・!
それと、今日は愛娘のエレーナちゃんも登場してくれました。ちっちゃいね。出てきた瞬間からニーナ母になってた。
あの膝を折って迎える仕草、忘れられない♪
でも・・あのタイミングであの爆音。ほんとみんなびっくりしてたよ。
綺麗なテープ、紙吹雪で送りたかったのでしょうJAさん。いつもながらの演出。でも今日は意表を突かれた気がします。
近いところでは、マリインスキーの千龝樂では、紙吹雪&テープの量が半端無くて、ダンサーが観えなくなっていた事。
今日は、爆音と同時に、少し地味めな量のテープと紙吹雪。
難しいのね! JAさん・・花束を渡すタイミングも含めてね♪
パンフレットを読んでいるうちに、(ここ抜粋)
1851年800人の歌劇場建設と書いております。
バレエは1852年10月ぺテルスブルグから招かれたダンサーが、タオリーニ『ラ・シルフィード』の2幕を上演、これがバレエ初演。
翌年1853年『ジゼル』2幕。1896年、1200人収容の新劇場が完成。1937年、グルジアが誇る作曲家の名前を冠し、ザカリア・パリアシヴィリ記念グルジア国立トビリシ・オペラ・バレエ劇場となった。
しかしこの劇場は、1973年の火災で焼失。現在の劇場は最初の様式に戻され再建されたもので、1065人を収容できる劇場であるらしい。
21世紀の挑戦と題し、2004年 ニーナ・アナニアシヴィリが芸術監督に就任して5シーズンで33演目を上演する事が出来た様です。
とんでもない偉業ですね。
(詳しくは、サイト観て下さい → http://www.opera.ge/eng/ballet.php?page=ballet )
もちろん人の繋がりがあっての事でしょう。
わたしでも聞いたことがある名前がずらずらと出現しております。客演も多い様ですね。
国家が落ち着いてくれる事を祈ります。
JAさん、なぜ今回は募金箱、置かなかったのでしょうか?
今、N響アワーを見ながら書いております。マーラー、アダージェットでした。何とも雰囲気の良い楽曲ですが、今日の締めとしてとても相応しい、幸せな時間を過ごす事が出来ました。
そういえば、今日は、TVカメラが沢山入っていました。少し期待します
こんな奇跡的な舞台は絶対に放映お願いしたいもの♪
ありがとうございます、ジャパンアーツさん (また素敵な写真、楽しみに待っております)
ありがとうございます、グルジア・バレエ団のみなさん
それと、とっても素敵な岩田さん
アンドレイ、ニーナ 愛してしまいました
こんばんは。お気に入りに入れさせていただき、毎日読ませていただいてます。おとといの舞台ご一緒だったんですね。
返信削除すてきで的確な文章に私も 『そうそう そうそう』とうなずきながら読ませていただいてます。
今回のグルジアバレエ、心に残る舞台でした。
ニーナとウバーロフの舞台はいつも 温かく悲劇でさえ幸せを感じさせてくれます。
ニーナとウヴァーロフと同じ時代に生きて、こうして舞台を見ることができたこと・・・特別で幸せなことに思います。
カーテンコールのマナーのすばらしさ温かさ、こういう心遣いもバレエ団のダンサーたちは見習って成長してもらいたいですね。
さて、またまたキャストの事で恐縮ですが、JA発表と異なりおとといのディボルトは、ワシル・アフメテリ
パリスはダヴィド・アナネッリ でした。
12日のキャストと同じかな? 多分テレビが12日と14日に入っていたので、そのため14日がキャスト変更になったのではと思います。
HNKの芸術劇場と聞きました。楽しみですね。
是非カーテンコールも全部カットなしで放映して欲しいです。
私は、ニーナがひざを折ってエレーナちゃんを迎えたのを見逃してしまいました。(>_<)
NHKさん是非全部放送してね!と願います。
私、ニーナとウヴァのファンですが、特にニーナと踊るウヴァ様が大好きです。
いつもはニーナと踊れる喜びを全面にだし幸せオーラ前回のウヴァ様ですが、今回はウヴァがニーナを支えて舞台を引っ張っていったように思います。
いや~~私・・ウヴァ様に参りました。(笑)
kitriさま
返信削除お越し頂き、とても嬉しいです
たび重なるキャストの件については、インターネットでも書いた情報の責任が有るという事、世間でもはっきりしてきております中、kitriさまのご指摘、ほんとうに有り難く思います。
>特にニーナと踊るウヴァ様が大好きです。
ピンポイントですね♪
その通り・・って思います
>いや~~私・・ウヴァ様に参りました。(笑)
わたしもです。「ウヴァ様のニーナへの尊敬ゆえの舞台 → これが凄かった」って結果でしたし、でもわたしの陳腐な書き言葉になった事を少し反省しつつ、kitriさまに喜んで頂けた事に、やはり書いてて良かった思いでいっぱいです。仕事が忙しくなると、つい更新も疎かになる時も有りますが、これからも宜しくお願い致します。
>NHKさん是非全部放送してね!と願います。
わたしも最終日の公演でTVカメラが入っていたので、気になっておりました。情報有難うございます。是非エレーナちゃんも、長い長いカーテンコールも見せて頂きたいものですね♪