2010年3月28日日曜日

3/28 新国立劇場バレエ 『アンナ·カレーニナ』 4回目/shutdown

キャスト:


  【アンナ】厚木三杏
  【カレーニン】山本隆之
  【ヴロンスキー】貝川鐡夫
  【キティ】本島 美和
  新国立劇場バレエダンサー ほか

 公演最後の『アンナ・カレーニナ』を観て参りました。  すみせん、やっぱり気力・体力が、この演目では持続する事が出来ませんでした。弦楽セレナーデが終了と同時に気持ちがshutdownしてしまいました。幕間も・・その・・ぼんやり。でも、トロワ・・って言うより、山本さんのソロ。カレーニンが絶望の淵に際するヴァリエーション。・・から、「組曲第3番 ト長調 op.55 主題と変奏」部分に乗せた、黄金のマスクの群舞。やっぱり素晴らしいし、ぐんぐん引き込まれる。また、最後に蒸気機関車のシーンは、胸が高鳴る。 観る側(わたしにとって)はとっても良い演目でしたし、作り手(ダンサー)はタフな舞台だったと考えます。 ヴァリエーション、ソロ、パ・ド・ドゥ、トロワ、そして群舞の難易度とスピード。本当に素晴らしい舞台でした。



  昨日、ニーナ・ズミエヴェッツのひざには出血がありました。あの睡眠用のモルヒネの世界で最後ぐるぐる回り終わった後の様です。男性2人もひざを床に何度の打ちつけている場面に遭遇しています。最後迄出演していたので、怪我などされていない様に思われますが、大変お疲れさまでした舞台後にいつも幕の中から拍手が聞こえてきますが、今日はもっと盛り上げっていても良いのではないでしょうか? そう、これだけの舞台を乗り切ったのですから・・。 もちろん他と比較しても意味が無い事はわかっております。多分エイフマン・バレエでは、また他では、これだけの施設を持ちながら、年間35公演なんてあり得ないと思います。今の新国立劇場バレエ団のペース配分は、体に染みついているだろうし、その分怪我も少なく、ある意味健全に運営されている気がします。スキルという意味で言うと、この方針とは逆になる気がしますが・・・

なにせ、観る方も気力が必要・・と言う事を胸に刻む事となりました
また、時間が有る時にでも、アンナと2人のアレクセイの小説と、エイフマンの差異について考えてみたいと思います
もう眠る事とします


それと、ついでですが、検索していました

Eifman Ballet of StPetersburg | Ardani Artists Management


こちら多分、マネージメント会社と思われますが、(右フレームの)Ardani Photo Album がとても素敵です
なぜかと言うと、ディアナの Beauty in Motion の舞台、リハーサル、ほかの写真がいっぱい。
ほか盛り沢山です。

3/27 新国立劇場バレエ 『アンナ·カレーニナ』 3回目




  続けて、ソワレも観てしまいました。エイフマン・バレエのプリンシパル達を初めて拝見です。 先行アトレでの購入では日本人キャストのみの販売だった為、急きょ1枚買い足したもの。結果的にはとても良かったと思いました。でも、もともとのシーズンチケットは、ソワレでの購入だった筈なのに・・・、少し騙されている感じもしますが、まっいいや! 幸せだから・・


【振 付】ボリス・エイフマン
【音 楽】ピョートル・チャイコフスキーなど
【装 置】マルティニシュ・ヴィルカルシス
【衣 装】ヴャチェスラフ・オークネフ
【照 明】グレプ・フィリシチンスキー
ボリス・エイフマン
【芸術監督】牧 阿佐美
【主 催】新国立劇場

キャスト:
   【アンナ】ニーナ・ズミエヴェッツ
   【カレーニン】セルゲイ・ヴォロブーエフ
   【ヴロンスキー】オレグ・ガブィシェフ
   【キティ】堀口 純
   新国立劇場バレエダンサー ほか

写真
ニーナ・
ズミエヴェッツ
写真
オレグ・
ガブィシェフ
写真
セルゲイ・
ヴォロブーエフ
写真
堀口 純


ニーナ、オレグ、セルゲイ、3人の・・・と言うより、
完璧な「アンナと2人のアレクセイの物語」を観せて頂く事が出来ました
(アンナ&アレクセイ・カレーニン、アレクセイ・ヴロンスキーの事です)

・・・・ 欲が出ますね♪  、プリンシパル達は素晴らしい物語で最終となりました。そうニーナも思っていたよりも以上に大きく新国立劇場の男性陣の中に入っても目立ちますし、調和としてはゲスト組的な違和感さえ覚えます。・・・っで、欲の話としては、エイフマン・バレエの来日でしょうか。そもそも映像で観た衝撃はやはり舞台全体の調和と個性。 もし機会がありましたら楽しみにする事と致し、この舞台、明日1回を楽しむ事としましょう。
最後のカーテンコールでの彼女の気遣い、舞台マナーは素晴らしいもの。とても賢者なのではないでしょうか?


ソワレ短評:
  骨格の違いを改めて感じます。骨盤が地面と垂直な日本人ダンサーと、前傾のあるゲスト達。 これは1分で感じます。アンナが舞踏会に出かけるシーン。息子セリョージャと別れ夫アレクセイが漆黒のコートを妻にはおらせます。腕を通し、肩をすくめ愛する息子を思いながら、幸福を再認識し、腕を組み1歩1歩、歩き始めるのですが、胸骨から歩くニーナにわたしは参りました。素敵でした。この後でも「この姿」が、何度も頭の中でフラッシュバックしております。 始まりです。やはり弦楽セレナーデが、先程も涙した "色" と全然違っている。ほんと・・幸せに満ちている。アンナの心が生きている。 ニーナのアンナとセルゲイの夫アレクセイは、幸福の家族愛で舞台を作っていた。とてもエレガントな役作り。小説で読んでいたやぼったい年老いた公僕感なんて、ちっとも無い。いい♪
  暗転し、続いている弦楽セレナーデは舞踏会の表の美しさを十分に醸し出します。そう、あくまで表であり、その事は十分心得てるわよ・・って言わんばかりにニーナのアンナは颯爽としているし視線に気を配っている。リフトが高い。一目で2人が判る。オレグのアレクセイ・ヴロンスキーは、キティと気まぐれに踊っており、(今まで気が付きませんでしたが、)あのスピードの中で、手にキスをしている余裕さえ、なんだか「きまぐれ」に映ってしまう。 ヴロンスキーとアンナの出会いが合わさった。待っていたのはこの感じ。一瞬の出会いを物語にすることの(むずかしさを感じる事の)できる才能と出会えた事は、鑑賞の中でもほんとうに幸せの一言に尽きる。 2人のニーナ、ズミエヴェッツとアナニアシヴィリ。不思議な感じ。このニーナは身体能力の高さを感じる半面、先程書いた才能全開で迫るし、なんとも容姿が抜群に美しい。あの舞台では、3人ともって言うより、全体が舞踏会ではキラキラしてたし、楽曲がとても優しく聞こえる。オレグはやっぱりヴロンスキーであった。ソロの美しさは青年の颯爽とした華となるし、その後に続く群舞たちの贅沢感にも十分に対抗可能。本当に彼の美しさを堪能した。この舞台はやっぱり凄い事になる感じがこの時点でしました。

凄かったのは、何点かありますが中でも、
  2幕最初のトロワですが、カレーニンが詰め寄り、ヴロンスキーが庇い、アンナが犠牲の上の決断をし、最大の悲嘆と最高の幸福という対象的なシーン ・・と言う簡単なストーリが、とんでもなく迫力で織りなされていました。あっけにとられたし、涙する事も出来なかった。って言うのがほんとの処。修羅場の筈です・・がきりきりした緊張の中でも静かな感じがしました。前に観た2回と真逆な感覚。感情をむき出しにし、カレーニンが結婚と世間体の間で苦悩する姿、人妻であるアンナを横取りする事が目的化しているヴロンスキー、嘘の無い感情と女としての愛を手に入れる事に必死になるアンナ・・なぜ静かなの? 小説をきちんと読めばわかる事かも。(でも新国立バレエのダンサーが違ってたのはなぜ?)宗教を信じていなかったカレーニンが許す事の偉大さを知る。って処だったのでしょうか。でもかと言って許す中に緊張感を張り詰めるのは論外。理由は理性。やっぱり公僕であるカレーニンの演技が光る場面で有った事は確かなのでしょうし、関係した2人・アンナとヴロンスキーの脇がしっかりと、このシーンを織りなした。ブラーヴォ♪

  2幕、義勇兵達は、自慢話で大盛り上がりをしておりますが、ヴロンスキーが1人苦しんでいます。その後のソロはアンナを手に抱く事が出来ない苦しみだと思います。このソロが有って、その後のトロワ、イタリアの幸福、ねたみと続く、とても大切な場面。また新国男性陣を敵に回し受けて立つ場面。 オレグのヴロンスキーは凄かった。前にも書きましたが、やっぱりポイント。

  1幕、特質すべきは息子セリョージャへの視線と愛情の表現。愛しい最後の諦める顔をオペラグラスで覗いて観たのですが、優しいし、やっぱりその悲嘆が美しい。以外でした。わたしの彼女への思いの事。本当に変わりました。(って今まで全然知らないのですが、映像で観てた感覚)上でも書きましたが、舞台人としての賢明さを兼ね備えた人と思いました。 また2幕でのヴロンスキーへのイタリア旅行でのいとおしさと、その瞬間反転したイライラ感。徐々に猜疑心の塊となっていくアンナ。 ぺテルスブルグの社交界に戻ったアンナの孤立。ヴロンスキーさえ、もう庇う事を諦めてしまっている。ヴロンスキーの足に絡みつき、眉間を寄せ、そんなアンナについに、自身のした事の後悔を感じ始めます。まるで言葉を語ってしまった様にアンナは感づきます。アンナの嗚咽。苦しい位の切羽詰まった場面です。本当に凄いとしか言い回しが出来ないのが残念。

こんな場面、公演観れて幸せなのです。
とっても苦しいけど、久しぶりに牧先生に感謝です
今日はマチネの休憩時間に牧先生ホワイエで見かけました。
声をかけたいと思いましたが、しませんでした。

でも、この演目の選択にとっても感謝したいです
新国立劇場バレエのみなさまも、とっても輝いているし、とくにマイレンの明るさにも参った・・しました。本当に芸人です。
上手いし面白い。(将校全員で、酔っぱらっている場面)
明日1回を残すのみ、楽しみますし、気力で乗り切ります

2010年3月27日土曜日

3/27 新国立劇場バレエ 『アンナ·カレーニナ』 2回目

  本日も、新国立劇場バレエ・『アンナ・カレーニナ』を観て参りました。マチネ、ソワレ初の連続での鑑賞となります。天気も非常に良かった為か、幕間ホワイエへ出ると日差しま眩しくて少し辛かったし、先日も書いたように、小説に感動し、ついつい回数を追加してまで買い込みました。こんな重たい作品とは知らず・・、エイフマンがどんなものかも知らず・・無知で気力を絞っておりますが、後悔は全然しておりません。先日の間違いがかなりありました事を含めて、書きますが違いはご容赦願う事と致します。先日未だ山本さんの出来が・・なんて、書いてしまいましたが、今日はその言葉を吹き飛ばして頂く事が出来ましたし、凄ましいと言う言葉がぴったりと嵌ります。

今日のマチネは「カレーニン・苦悩と論理性」を観た気がしてなりません。

キャスト:
    【アンナ】厚木三杏
    【カレーニン】山本隆之
    【ヴロンスキー】貝川鐡夫
    【キティ】本島 美和

    新国立劇場バレエダンサー ほか


写真
厚木三杏
写真
貝川鐡夫
写真
山本隆之
写真
本島美和




マチネ短評(感動順):
■知ってしまったカレーニンと山本さん
薄いベージュのシュフォンと刺繍の豪奢な衣装を着たアンナは、ヴロンスキーと結ばれます。寝転がりキスをし、互いに振付による会話を紡ぎます。そこに通りかかったカレーニン。観ていた事を理解する「間」。山本さんのここからが凄かった。到底受け入れる事を拒否するのか、それとも受け入れて偽善的な善後策を練るのか? ・・もちろん表現したいのは、苦悩はアンナへの愛ゆえ・・なのかもって思いました。そう彼は公僕を、絵画化した様な人。リズムに全く不協和音は無く、常にテンポを一定に刻み続けるべき性格。その彼が今体験した不協和音。受け入れる事が出来ない苦しみ(って言うと陳腐ですが、言葉が見つからない)を、すざましい勢いで表現していた。楽曲を良く覚えていないのですが、わたしの中に波・・大きな波が押し寄せる事となります。(タイトルは知らないのですが、楽曲を知っていた為。もう相乗です)
どちからと言うと笑い顔の山本さんが、あの表情には、わたしすっかり惚れる事となりました。凄いとしか言いようがありません。苦悩が言葉となります。背中を見せていてもそうです。全くもって素晴らしいダンサーです。

■黄金のマスクの舞踏とその後・・
たぶんあの豪華さ、飾りはイタリアと考えれらます。
黄金のマスクは仮面舞踏会で、名前を隠し快楽に溺れるにはうってつけ。楽しむ事を人生の生きがいとする、その節操のなさの中に身を置くアンナとヴロンスキー。もう振りの迫力と楽曲が見事に合わさり、音のテンポとスピード感が完全にシンクロし、その上衣装の豪華(エグい程の)さと煌びやかさは、この上なく感動ものです。もう終わった瞬間から感動して拍手する事すら動く事が出来ない状態です。新国立劇場バレエのソロイスト達は、楽曲に乗って完璧なスピード感だった気がします。(テープだからね!)
その旅先でその仮面舞踏会から帰ったアンナとヴロンスキーは幸せ♪ 愛しいアンナの肖像画に励むヴロンスキーは、書きながらでも、そんな事より・・って感じでそわそわそ。絶頂なのです。窓辺を眺めるアンナの後ろから、腕いっぱいでアンナを包み込む姿は少し感動的です。でもすぐそのあと、別のアンナが「このまま本当に続くの?」って言っている様なシーンが展開されます。布石は了解出来た気がします。

■カレーニンとアンナのパドドゥ
何度か展開されるカレーニンとアンナのパドドゥですが、これ程優位性が目まぐるしく変わる内容は初めて観ました。場面としては1幕の最後です。アンナとカレーニンの別れのシーン。拒否の優位性のアンナ、セリョージャへの愛ゆへのカレーニンの優位性、蔑むアンナの優位性、一瞬カレーニンはアンナへ許しを請う仕草を直ぐ撤回し、今度はアンナがカレーニンの手にキスをして、互いが目まぐるしく憎悪と蔑みと過去の愛と今を見事に2人に見せていただく事が出来ました。涙・・・

■最後の列車
やっぱりここは凄いです。とんでも無く凄い。テープの音量は容赦無しに場内を揺さぶり、ストロボライトが危機感を煽り、ステージからの白熱系のオレンジのライトが死の世界を表現。こんな凄い場面は観た事がない。その後の静けさと、今まで無機質だった群舞の一種独特の悲壮感。

■エイフマン
これは実はすべてのベースである為、この書き方が正しいか疑問です。が書かなきゃ!
心に正直で嘘の無いアンナが世間から蔑まれ忘れ去られ、偽善で覆い尽くしたカレーニンが評価される世界感。惨い物語ですし、惨い。
初演に向けて下記の記載がありました。
何がより大切なのだろうか。義務と感情の調和という、ありふれた幻想を守ることだろうか?それとも、嘘偽りの無い激情に身をゆだねる事だろうか?
はたして、わたしたちは感情の赴くままに家庭を破壊し、子供から母親の思いやりを奪う権利があるのだろうか?

最後に表現したい世界感が見事ですし、ある意味楽曲センスが良い。でも大好きなてチャイコフスキーのあの楽曲を今後聞くときのイメージが変わった事は否めません。
改めてゲスト組をソワレで観る事となります


2010年3月25日木曜日

3/24 古典楽曲の楽しみ

日テレ「深夜の音楽会」公式サイト
http://www.ntv.co.jp/yomikyo/movie.html

と銘打ち、交響曲全編を聞かせて下さっております
興味のある方は、是非ゆっくりを聞いてみてはいかがでしょうか

今わたしは、有名な「モーツァルト:交響曲第40番」を聞いております(観ていない!)
それと「チャイコフスキー:バレエ音楽〈くるみ割り人形〉」などもあります
いつものオケピのバレエ公演の時よりも、多分良いかと思われます

わたしの環境は、先日の機器リニューアルでパソコンの画像をTVへ映像をOUTし、
音源は少し良いスピーカへ出せますので、まあまあ(とは言えない場合もありますが)な
演奏・コンサートを聴く事が出来る様にセットしております。


話は先日の「CDの話」ですが、実は大好きなRAVEL、ゆっくり聞く事が出来ました。
でもショッ・・・・ク!!

音源がステレオ録音になっておらずに、聞く限りかなり音がつぶれており、オケを鳴らし
始まってからは、全く何が・・何の楽器が鳴っているの? 状態。
欲張りなタイトルに目を奪われ、買った・・自分が悪い! って言うしかない状態です。
残念、また探します。

そうそう、今週末は初台にも出向きますので、幕間に新宿へ出てみたいと思います
反省、でした

2010年3月22日月曜日

3/22 新国立劇場バレエ 『アンナ·カレーニナ』 1回目

新国立劇場バレエで、新たに演目に加わった『アンナ·カレーニナ』、ロシア文学の神髄を観て参りました。 比喩的でリズミカルな表現と、両輪をなすストーリー。賢母ドリイとオブロンスキーの大家族の生活と、リョーヴィン・キチイの愛に満ちた時間。 これは生活感の中で美しさを奏でます。もう片側は、もちろんタイトル・ロールになったアンナとヴロンスキーとカレーニンに苦悩の時間軸。互いの時間軸が離れ、また絡みあい、小説を読んでいたわたしは、期待をしてこのマチネを迎えます。そう、アンナの心境表現は?、またカレーニンが一時的に天使になる様子は?、ヴロンスキーの愛ゆえの犠牲で獲得するものは?・・・ 思う事も多い小説ですね。兄オブロンスキーとドリイの浮気の仲裁に行った先で、会うべくしてヴロンスキーと会ってしまう。もともと賢母であったアンナは、”サンクトペテルブルグの良心” であるグループで、上品に、また敬虔に暮らした日々。
快活で有った筈のアンナの2面性。息子セリョージャと愛人ヴロンスキーの、究極とも言うべき選択を迫られた時の苦悩と、現代でも解決出来ない問題への対峙。幕切れ。
いろんな事を思い浮かべておりました。
また使われる楽曲もとても楽しみにしておりました。




スタッフ
    【振 付】ボリス・エイフマン
    【音 楽】ピョートル・チャイコフスキーなど
    【装 置】マルティニシュ・ヴィルカルシス
    【衣 装】ヴャチェスラフ・オークネフ
    【照 明】グレプ・フィリシチンスキー
                ボリス・エイフマン
    【芸術監督】牧 阿佐美
    【主 催】新国立劇場

キャスト
    【アンナ】    厚木三杏
    【カレーニン】  山本隆之
    【ヴロンスキー】貝川鐡夫
    【キティ】    本島 美和

新国立劇場バレエダンサー ほか



    中劇場は始まる時、真っ暗になるので少し・・っていうか怖いです。 まっくろの暗闇のその中、弦楽セレナーデ第1楽章が響きます。このどこをとっても素晴らしい楽曲といろいろな思いが合わさって、息子セリョージャへの愛に生きるアンナの生々しい位の厚木さんに、いきなりなみだしてしまうわたし。「いい」、厚木さん・・オデット以来苦手としていたわたしでしたが、今日ここまでは、「良い」。(って始まって1分程度。すぐでしたが・・)しっかり舞台を掴んでおりました。この演目難しいと思いました。真っ直ぐに観ている方が良い。小説など読まないで、素で観た方が入る。トルストイ、新潮文庫の単庫本でも1500ページ以上の長編です。自分でポイントと思っていた処も多いし、物語の中で迷子になっている自分。パンフレットを読んでボリス・エイフマンのアンナ・カレーニナへの思い、焦点は感じたつもりでいましたが、だめダメでした。(の為、今回は気になったポイントしか書くことが出来ない様です) 考えないで観る ・・これしか無い。

    セリョージャを寝かしつけた後、弦楽セレナーデに乗せて舞踏会のシーンが展開されます。(ここはキティがヴロンスキーとマズルカを・・と思ってたシーン、結婚を申し込まれ、「幸せな結婚」を夢見るキチイ)・・でもこの舞台では、ヴロンスキーとアンナはこの舞踏会で出会いました。一目でヴロンスキーが気になりました。(判るよ!でも厚木さんちょっと大げさすぎ?)。キティは全く予期せぬ行動・・ヴロンスキーがアンナをマズルカに誘った事に打ち砕かれてしまいますが、一向に気にすることなく、って言うかアンナしか目に入らないヴロンスキー。貝川さん・・ナイスです。とぼけたキャラは合いますね。
    この舞踏会のシーン、新国立劇場バレエの贅沢に配したソロイスト達は見事でした。もちろんこの後、何度か交響曲に乗せて縦横上下へ走り、リフトし、交差するシーンが繰り広げられますが、何処を切っても素晴らしいし、快活。上手く演目を選択したと思います。先日「セレナーデ」では、NYCBとでの違い・・コンチェルトに乗せた物足りない新国立劇場バレエの躍動感を書きましたが、良い悪いでは無く個性と思っている最近です。 あっ・・もちろん好みは有りますが、最後「黄金の仮面」で疾走する振付の素晴らしさは圧倒されますし、幻想序曲「ロミオとジュリエット」にのせ、黒の衣装を着て蒸気機関車の疾風を演じるコール・ドは迫力満点です。ドキドキします。表現が変ですが、日本男児(だけではありませんが・・)の心意気の強さを感じておりました。(ふんどし・大太鼓の圧倒感ってのが合っているかも?) ひろみさんが書いておられます。 → こちら http://www.t-twins.net/message/index.html ほんとうにきついシーンなのでしょうね♪ 十分に迫力は伝わります。

    舞踏会から時間が経ち、論理的な思考以外でも、アンナの行動の異変に気付く部分です。山本さん扮するカレーニンは、その思いを動と静で表現。(出来は未だなのでしょう)一部慣れてないな・・って感じるし、凄いと感ずる部分のギャップがまだ大きい。(いつもの完成度では無い事は感じた) 終盤に向けて完成度が上がってくるのが楽しみ。急激な「動」と時間が止まったかのように見える「静」。エイフマン独特の振付。 彼の表現はこの時点で苦悩を滲ませていた。そう、どんどん引き込まれる。厚木さんアンナとのPDDが大変長い時間、複雑でタイミングの難しさは観ててドキドキする位ですが、気持ちは十分に伝わる。「わたしはあなたに触れらる事を拒みます」って声が聞こえてくるPDD。アンナがベッドの中で、カレーニンを拒絶する論理的理由が理解出来ないし、仮説による追求もしない。
  
    またまた時間が経ち、2人のPDDを目撃してしまうカレーニン。ここでも山本さんの演技がさえる。理性(我慢)が伝わります。彼は「ロシアの知性」で有った為、倫理を尊重し、軽蔑と位置付ける猜疑心的な感情・自分の心の中の嫉妬、アンナの視線、などに蓋をしてしまいます。もちろんそれがあだとなるのは明白。一本気でいろんな意味で正直なアンナには、これは欺瞞としか映りません。この思いは”欺瞞に満ちたカレーニン”を軽蔑で拒否し、ヴロンスキーへの愛へどんどん転嫁され、彼女の生きる意味とします。上手でアンナがベッドに横たわって模索している中、下手カレーニンが暗闇で1人。考え上げた末、アンナがいるベッドルームへ向かいます。1つになった瞬間からアンナの絶叫。(官能的な場面でした)

    もう受け入れる事が出来ないアンナ。カレーニンは2人の事を既に知っています。 ヴロンスキー(下手)、華紺の紗幕を境に(ライティングが見事です。幕無しでも全然OKです)、上手にアンナが紗幕でうっすらとベッドにいる姿が映ります。完全に2人の気持ちがシンクした瞬間。互いに同じヴァリエーションを紡ぎだし(って、ここもう少し合わせて欲しかったです!)、こころとからだを合わせる事が出来ない切なさを感たかった。(← 振付ですが) 直ぐにでも彼のもと・・へって。パーティなのか? (何色か忘れましたが)ライトにぱっと華やぎ、群舞が踊り、何度目かの再会。ついにアンナはヴロンスキーと結ばれます。 結果はカレーニンの気付く事となり、世間的外聞を守る為に考え出した案(セリョージャとの生活)を飲む事が出来ないアンナは、セリョージャからついに離れる事となり、悲観のうちにヴロンスキーへ向かい、1幕が終了します。 この写真は、そのシーンです。 残酷です。でもそうなのかもしれません。
選択はしなければならないのです。

概ね流れは合っている気がしますが、細かい組み立てが、初見で覚えきれておりません

2幕はイタリア旅行からの始まりでした。(これ感です。たぶん)
    2人は大きなトランクを広げて、旅行を楽しんでる様です。彼女曰く、「真の夫」であるヴロンスキーとの旅行です。軍隊を除籍したのであろうヴロンスキーは、アンナといられなくなったサンクトぺテルスブルグから離れ、社交界から離れ、悠々自適に暮らし始める事を誓い、1つ目の行動がイタリア旅行の筈。らしき感じはありあませんが、屈託の無いアンナの表情とヴロンスキーの楽しげな、また短い幸せは絶頂なのでしょう。たのしげ♪

    たぶんサンクトぺテルスブルグに帰り、久しぶり・・人の噂もと感じてた2人に、世界は冷酷でした。・・やっぱり。 それまで楽しく踊っている群舞は、アンナ登場した瞬間、またアンナとヴロンスキーが踊りだした瞬間から、顔をゆがめ、不機嫌に、指を差し示し軽蔑を浴びせかけます。ここ迫力ありましたね。何人かは不明ですが、新国立劇場のソロイスト達が全員揃ったのでは無いか・・・位の軽蔑の視線が一点に。 そうアンナは瞬間的に、条件反射の様に立ち向かいます。・・がヴロンスキーが少し弱い。協力しても良いのに・・・ヴロンスキー・・って思いながらですが、何回か跳ね除けますが、アンナも、もう立ち向かう勇気が底を尽きます。黄金のマスクを被って、金の刺繍、アクセサリを贅沢に付けた、群舞はフォーメーションをあらゆる形に変化させて、軽蔑の感情を送ります。(この豪華さと気持ちが凄い)ついに我慢出来なくなって立ち去ります。

アンナにとって残されているのは、そう愛しい息子のセリョージャ、・・と生きる意味のヴロンスキーとの愛、失いかけの将来。

ここから意味が少し不思議なのですが、睡眠用のモルヒネの世界感なのか?
    ワゴンの登場でした(上手前方にワゴンがあります。1人が通れる位の小さなもの)。 憔悴してるものの、財力に任せ美しいドレス姿のアンナが、部屋で1人。先程の苦しさ、今後の対処を考えています。 横たわりアンナは、ワゴンから顔を覗かせ、そのワゴンを通った瞬間から深層心理の世界。裸です。(って見えるだけですが)最終的には全てのダンサーがまるで裸で蠢く、おぞましい世界感を演出している・・これはアンナの心の葛藤である事は明白。 選択した息子のセリョージャとの別れ、最後に残る筈の、ヴロンスキーとの愛。生活、そして残された将来。このソドム的な振付は、観る事がつらくなる位の迫力と雰囲気を持っておりました。 この部分はあまり観たい ”さま” ではありませんが、この世界観では必須なのでしょう。みなさん、ダンサーの方々は素晴らしい躍動感で演じてられてた事、とても感服しました。 ブラーヴォです♪
気持ちの整理がつかない、アンナはヴロンスキーに迫り、「愛している?」 「ほんとう?」・・ もう狂気に満ちていました。厚木さんの顔だけが怖いし、受け止めるべき貝川さんが、ここでも弱い。少しアンバランスですが、理解は出来ます。 ここではヴロンスキーへ選択を迫るアンナ。「一緒に居てほしい」・・「仕事がある」・・「不審感に繋がる」・・「愛していない?」って流れ。何処にもいけなくなるヴロンスキー。なにも出来なくなる2人。アンナはヴロンスキーを愛しているし、その気持ちがPDDでも伝わります。

いよいよラストです。ここは判りやすい。
    蒸気機関車の音とスモーク。列車を思わせるオブジェクト。群舞は黒い衣装と被りもので、疾走する機関車を表現します。とてつもない迫力と、楽曲が合い混じって、まるで『ボレロ』の最後近くの様な迫力で、前に迫ります。アンナが舞台後方のバルコニーに登場します。切羽詰まった表情がわたしの席からでも伺えます。幕切れと同時にエンディングに向かいました。

やっぱり、細かい組み立てが、初見で覚えきれておりません
間違っていたらごめんなさい
再度あと数回観ますので、間違いは都度修正します

    ボリス・エイフマンを演目にする事の素晴らしさ、難しさ? を初めて知りました・・って判ったふりをしすぎですが・・(すみません)、映像で「ロシアのハムレット」を観ましたが、とにかく初見はアクロバチック等と言う言葉が陳腐で、振付の必要性と、ダンサーの身体能力・表現力を、このカンパニーのプリンシパルは必要である事を思った次第です。今回新国立劇場バレエでの取り組みに対しては、ブラーヴォで有る事は間違いないと思いますが、なぜかわたしの中では「しっくり」ときません。今回だけかもしれませんし、次回は反対を言っているかもしれません。
なにせ、1回目の出来としては素晴らしいと思いましたし、男性陣を充実させた事が成功の一因と考えます。

最後今回のエイフマン・バレエの方、あとボリス・エイフマン本人もカーテンコールに出てこられました。スタンディングの方もおられた様です。
私自身は、上手く理解するまでに至っておりません



楽曲(1幕で使用されている楽曲です)
    チャイコフスキー 弦楽セレナーデ ハ長調 op.48 第1楽章
    チャイコフスキー 組曲第1番 ニ長調 op.43 序曲とフーガ
    チャイコフスキー 交響的バラード「ヴォエヴォーダ(地方長官)」 op.78
    チャイコフスキー 組曲第1番 ニ長調 op.43 間奏曲
    チャイコフスキー 懐かしい大地の思いで op.42 スケルツォ ハ短調
    チャイコフスキー 交響曲 第6番ロ長調「悲愴」op.74 第1楽章
    アレクセイ・ウートキン 「ロシアの鐘」
    チャイコフスキー 交響曲「マンフレッド」 op.58 レント・ルグーブレ
    チャイコフスキー 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 op.32
    チャイコフスキー 弦楽6重奏曲「フィレンツェの思い出」 ニ短調 op.70
    アレクセイ・ウートキン 「ユーリエフの鐘」
楽曲(2幕で使用されている楽曲です)
    チャイコフスキー 交響曲第2番ハ短調 op.17 第4楽章
    チャイコフスキー 幻想序曲「ハムレット」 op.67a
    チャイコフスキー 組曲第3番 ト長調 op.55 主題と変奏
    チャイコフスキー 組曲第3番 ト長調 op.55 悲歌
    チャイコフスキー 交響曲 第6番ロ長調「悲愴」op.74 第3楽章
    チャイコフスキー 懐かしい大地の思いで op.42 瞑想曲 ニ短調
    デイブ・ミラー  電子音楽
    レオニード・エリョーミン  電子音楽
    チャイコフスキー 幻想曲「テンペスト」op.18
    チャイコフスキー 幻想序曲「ロミオとジュリエット」

2010年3月17日水曜日

3/17 頭の中が、いっぱい

先日の、ニーナ&グルジア・バレエ団の余韻が冷めさいでいます。
3/14・ゆうぽうとに行く前の寄ったCDショップで、買ったCDがそのままです。

音楽を聴く事が多いわたしは、いつもなら直ぐに

パソコンにCDをいれる (第1ステップ)
|→ 専用ソフトで音を調整する (第2ステップ)
|→ iPODへ転送する (第3ステップ)
|→ 聞き入る (第4ステップ)


って流れだと思っておりました。

ノイマイヤー版の「椿姫」でも使用されている、ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 第2楽章などは、良い演奏となると聞いているとなみだ物ですね。また、同じく、ピアノ協奏曲第1番ホ短調 第2楽章もそうですね。
・・が、今回未だ、第1ステップに達しておりません。
また他にも交響曲を久しぶりに買いました。

頭の中では、プロコフィエフの楽曲が響いており、瞬間・瞬間が思い出されます。
ウヴァーロフの表現、ニーナのあどけなさ、エレーナちゃん、JAさんのタイミング、舞台人としての姿
このまま、新国立劇場の『アンナ・カレーニナ』に来週突入ですが、少しタイミング悪いかもしれません。


ところで、JAさんのサイトでは、「グルジア・バレエ」は過去になりつつあります。ベストショットはこれです。

たくさんの写真、ありがとうございます
本当にこまめに更新して頂いている事、いつもながら感謝致します。また写真もとても楽しんでおります。

ニーナ&グルジア・バレエ団初回ので書きましたが、『今後、ニーナに踊って欲しい演目は?』って・・答えを今も探しております。
先日は、「続けて頂ける限り、全て観ていたい」と書きましたが、今また思いは募ります。

ニーナと踊って欲しいダンサーは? ・・って設問も有って良かった思いでした。
もちろんわたしの答えは、「続けて頂ける限り、全て観ていたいし、ウヴァーロフとの共演も追加」と・・なっております。




※ JA様へ: 写真を貼り付けております。問題が有る場合は連絡願います
  http://ja-ballet.seesaa.net/article/143692598.html



2010年3月14日日曜日

3/14 CDの話

今日は時間に余裕があったので、先週行く事が出来なかったCD屋さんへ出かけました。
先日から欲しいと思っていたのはラヴェルです。

以前

- 亡き王女のためのパヴァーヌ (これは大好きです)
- 鏡(組曲)
- ボレロ
- ダフニスとクロエ
など、有名な処は聞いていたのですが、もう少し聞いてみたく、欲張りなCD


CD1:
  - 夜のガスパール(Gaspard de la Nuit,1908年)
  - 水の戯れ(Jeux D’Eau, 1901年)
  - ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sur le nom d'HAYDN, 1909年)
  - 鏡(組曲)(Miroirs, 1904年~1905年)
  - 古風なメヌエット(Menuet antique, 1895年)
  - 左手のためのピアノ協奏曲(Concerto pour la main gauche)

CD2:
  - ピアノ協奏曲ト長調(Concerto pour piano et orchestre, sol majeur)
  - クープランの墓(Le Tombeau de Couperin, 1914年~1917年)
  - 亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte, 1899年)
  - ソナチネ(Sonatine, 1903年~1905年)
  - 前奏曲 イ短調(Prélude, 1913年)
  - 高雅で感傷的なワルツ(Valses nobles et sentimentales, 1911年)

を買いました。ヴラド・ペルルミュテールのピアノです。

あと他、いろいろ・・
でも久しぶりにショパンを聞きたく、協奏曲とか、数枚目になるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とかです。
また、聞く時間が要りそう。まっテレビはあまり見ないので、良いですが・・♪

  


3/14 グルジア・バレエのレパートリ

一応書いたので下記調べました。

確かにレパートリーは36演目有ります
って事は、 「ニーナ・アナニアシヴィリが芸術監督に就任して5シーズンで33演目」
と言う事は、それ以前は・・
確かに偉業


リンクは下記
http://www.opera.ge/eng/ballet-repertoire.php?page=ballet


Ballet Repertoire (6)
- P. Tchaikovsky - Swan Lake
- P. Tchaikovsky - Nutcracker
- A. Crain - Laurensia
- A. Adam - Gizelle
- L. Minkus - Don Quixote
- S. Prokofiev - Romeo and Juliet

Frederick Ashton’s Choreography (8)
- F. Herold - La Fille Mal Gardee
- A. Messager - The Two pigeons.
- A. Glazunov - Birthday Offering
- J. Massenet - Thais (Pas de deux)
- J. Strauss II - Voices of Spring
- J. Offenbach - La Chatte
- L. Delibes - Sylvia (Pas de deux)
- Marguerite and Armand

August Bournonville’s Choreography (4)
- H. S. Paulli - Le Conservatoire
- A. Moller - Jockey Dance
- E. Helsted, H. S. Paulli - Pas De Deux (from Flower Festival in Genzano)
- From Siberia to Moscow

George Balanchine’s Ballets (10)
- P. Tchaikovsky - Serenade
- I. Stravinsky - Apollon Musagete
- H. Kay - Western Symphony
- P. Tchaikovsky - Mozartiana
- G. Donizetti - Donizetti Variations
- C.W. Gluck - Chakonne
- T. Mayuzumi - Bugako
- L. Gottschalk - Tarantella
- I. Stravinsky - Duo Concertant
- P. Tchaikovsky - Pas De Deux

One-Act Ballets (8)
- A. Vivaldi - Green
- L. Berstein - Lea
- F. Mendelssohn - Midsummer Night's Dream
- G. Bizet - Bizet Variations (Pas de Six)
- Sagalobeli - Ballet in One Act on Georgian Folk Melodies
- Chronos Quartet - Second Before Ground
- L. Eto, N. Iamaguchi, A. Tosha - Dreams About Japan
- Jiři Kylian's Ballets

3/14 ロミオとジュリエット アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ

本日最後のニーナとウヴァーロフの舞台を観て参りました。今回の来日公演が最後と言う事もあり、またニーナと暫く会えない事を含め、先週みたいな事が無い様、確りと朝起きました。

≪ロミオとジュリエット≫  全 3 幕
2010年3月14日(日) 15:00~18:00

音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
台本 : レオニード・ラヴロフスキー,
       セルゲイ・プロコフィエフ,セルゲイ・ラドロフ
振付 : レオニード・ラヴロフスキー
振付改訂 : ミハイル・ラヴロフスキー
振付改訂補佐 : ドミートリー・コルネーエフ,イリーナ・イワノワ
アレクセイ・ファジェーチェフ
装置 : ダヴィッド・モナヴァルディサシヴィリ
衣裳 : ヴャチェスラフ・オークネフ
衣裳デザイン補佐 : ナティヤ・シルビラーゼ
照明 : ジョン・B・リード
照明デザイン補佐 : アミラン・アナネッリ
舞台監督 : ニアラ・ゴジアシヴィリ
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

<出  演>

ジュリエット : ニーナ・アナニアシヴィリ
ロミオ : アンドレイ・ウヴァーロフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥) : イラクリ・バフタ-ゼ  ワシル・アフメテリ
マキューシオ(ロミオの友人) : 岩田守弘
ヴェローナの太守 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
キャピュレット卿(ジュリエットの父) : ユーリー・ソローキン
キャピュレット卿夫人 : ニーノ・オチアウーリ
ジュリエットの乳母 : タチヤーナ・バフターゼ
パリス(ジュリエットの婚約者) : ワシル・アフメテリ  ダヴィド・アナネッリ
パリスの小姓 : テオーナ・ベドシヴィリ
ローレンス神父 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
ジュリエットの友人 : ラリ・カンデラキ
吟遊詩人 : ヤサウイ・メルガリーエフ
モンタギュー卿(ロミオの父) : マヌシャール・シハルリーゼ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人) : ゲオルギー・ムシヴェニエラーゼ
居酒屋の主人 : ベサリオン・シャチリシヴィリ


(パリスの小姓って以外と気になりました!)

概ね、あらすじは前回書いているので割愛します
でも今日のオケは、慣れてきている為か、人が変わったのか、テンポが良い。ダヴィド・ムケリアは本当に良い鳴らし方をしている。もちろん外している楽器は何度か有るのはあきらめていますが、それでもここ・・と言うタイミングでは、気持ち良い位、鳴らしてくれている。あ~~気持ちがいいし、入りこめる。とっても嬉しい。

今日は、前回にも増して、涙、なみだ、ナミダの舞台だった気がします (下記順不同)
■一番の涙:
2幕の中でも圧巻は、前回も少し書きましたが、マントヴァでのロミオの苦悩のシーン。楽曲はバルコニーの主題が展開されています。この場面で、今日もまたなぜ?・・って感じですが、そうだった・・完璧な楽曲配置。そうです。ロミオはジュリエットとの、あの愛の喜びに満ちた瞬間、バルコニーの一時を思い出している事とるのですね。 でもまた主題が変わる。 ・・ロミオは苦しさを現し、もう胸を突き刺す程の体現。ウヴァーロフの凄さは圧巻だった。もちろんこの主題には、布石がしっかりとあります。それは、バルコニーと一部同じ振付。 舞踏会で出会い、嬉しさの初パ・ド・ドゥ、この後に続く悲劇の前触れ。ジュリエットとのバルコニーでのパ・ド・ドゥで、片膝を付き両手を一杯に広げ、背中を反らせて体でジュリエットへの愛を何度も誓う・・あの振付です。ウヴァーロフの腕が苦しみと同等に伸び、このバレエダンサーの身体能力の高さを感じる。嬉しさと愛で一杯だったバルコニーでのロミオだった筈が、マントヴァでは心の叫びとなり、胸を打ちのめす。わたしは足に力が入り、息が苦しくなる。そのあと体中に力が入り緩める事すら出来ない状態が数秒続き、やっと緩める事が出来た時、涙が流れて止まりませんでした。そのあとにベンヴォーリオがジュリエットの葬儀の事、死の事を告げに到着します。

■次のなみだ:
2幕幕が開き、喧騒の中で決闘が始まります。マキューシオの完全な死に際して、ティボルトが剣を持ったままで十字を切ります。その瞬間楽曲の主題が変わり、管がそれまでの空気を切り裂きロミオの感情として響きます。この鳴り方・・感動しました♪  って言うかウヴァーロフのタイミングが絶妙です。気持ちがある。悔しさが激情として観える。 直前ジュリエットと愛を誓い合い、ジュリエットの為に和解し一歩引き、我慢した。 ・・ 前回はベンヴォーリオ、仲間達の心の渦に巻き込まれた感じのロミオ・・と書きましたが、いいえ・・今日は完全に悔しさと、復讐心と、どうしようも抑えられない激情で、真っ赤になった顔のウヴァーロフ。凄い。たてはウヴァーロフが全てに於いて持って行くほどの迫力。負けているみんな・・・それほど今日のウヴァーロフは気合いが違う気がしました。後悔を持ちながらティボルトに立ち向かうロミオが、切なくて切なくてジュリエットの姿が無い分、余計に心に残った。

■最後のナミダ:
3幕全て ・・って少し乱暴ですね。でもそんな感じです。
寝室のパ・ド・ドゥの主題は聞いているだけで高揚しまし、ついなみだぐみます。その後に続く、ニーナのジュリエットは少女のまま神父の庵に飛び出します。そう・・とても愛らしい。(いつもDVDで観ているマクミラン版はここで少女→女性になります)『そうだ!良い事思いついた』的な率直さは案外良いですね。帰ってくるなりジュリエットの部屋で両親・パリスが居合わせるタイミングとジュリエットのひた隠す表情の対比。その後、パリスとの1幕での主題の繰り返し、はにかんだジュリエットは今の2人は別意識。聞けば聞くほど良く出来ている。徹底的な主題の繰り返しと感情の違いを見事に解釈し振付たラヴロフスキー版に、プロコフィエフの楽曲が、これでもかという位に後押しして3幕全体を盛り上げていた。

カーテンコールでニーナはグルジアの国旗を持ち出しておりました
少し意味深です。なにも無ければ良いのですが・・・グルジア・バレエの今後を頼んだだけで有れば良いのだが・・・!

それと、今日は愛娘のエレーナちゃんも登場してくれました。ちっちゃいね。出てきた瞬間からニーナ母になってた。
あの膝を折って迎える仕草、忘れられない♪

でも・・あのタイミングであの爆音。ほんとみんなびっくりしてたよ。
綺麗なテープ、紙吹雪で送りたかったのでしょうJAさん。いつもながらの演出。でも今日は意表を突かれた気がします。
近いところでは、マリインスキーの千龝樂では、紙吹雪&テープの量が半端無くて、ダンサーが観えなくなっていた事。
今日は、爆音と同時に、少し地味めな量のテープと紙吹雪。
難しいのね! JAさん・・花束を渡すタイミングも含めてね♪

パンフレットを読んでいるうちに、(ここ抜粋)
1851年800人の歌劇場建設と書いております。
バレエは1852年10月ぺテルスブルグから招かれたダンサーが、タオリーニ『ラ・シルフィード』の2幕を上演、これがバレエ初演。
翌年1853年『ジゼル』2幕。1896年、1200人収容の新劇場が完成。1937年、グルジアが誇る作曲家の名前を冠し、ザカリア・パリアシヴィリ記念グルジア国立トビリシ・オペラ・バレエ劇場となった。
しかしこの劇場は、1973年の火災で焼失。現在の劇場は最初の様式に戻され再建されたもので、1065人を収容できる劇場であるらしい。
21世紀の挑戦と題し、2004年 ニーナ・アナニアシヴィリが芸術監督に就任して5シーズンで33演目を上演する事が出来た様です。

とんでもない偉業ですね。
(詳しくは、サイト観て下さい → http://www.opera.ge/eng/ballet.php?page=ballet )
もちろん人の繋がりがあっての事でしょう。
わたしでも聞いたことがある名前がずらずらと出現しております。客演も多い様ですね。
国家が落ち着いてくれる事を祈ります。
JAさん、なぜ今回は募金箱、置かなかったのでしょうか?

今、N響アワーを見ながら書いております。マーラー、アダージェットでした。何とも雰囲気の良い楽曲ですが、今日の締めとしてとても相応しい、幸せな時間を過ごす事が出来ました。

そういえば、今日は、TVカメラが沢山入っていました。少し期待します
こんな奇跡的な舞台は絶対に放映お願いしたいもの♪

ありがとうございます、ジャパンアーツさん (また素敵な写真、楽しみに待っております)
ありがとうございます、グルジア・バレエ団のみなさん
それと、とっても素敵な岩田さん
アンドレイ、ニーナ 愛してしまいました

2010年3月12日金曜日

3/12 そう、ジュリエットダンサー

ニーナの記事をWEBで探していたら、三浦さんの記事を見つけました。

詳細はこちら
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100227ddm013070078000c.html


その中で、ジュリエットダンサーについて、どうしても思い出せなかった事でしたが、下記に見つけました。

抜粋:
ウラノワは生前、三浦さんのインタビューに「ジュリエットを習うことはできません。
バレリーナはジュリエットであるか、ないか、そのいずれかなのです」と答えている

まさに言い当てている・・様に感じます。
努力では無く、持って生まれた資質。 

大切にしなければいけない才能♪

3/12 ニーナ最後のジゼル だった・・・

※あまりに美しいニーナの姿があります


JapanArts さんのBLOGからの記事です
本日読んで、心から涙しましております

詳細は下記
http://ja-ballet.seesaa.net/article/143332896.html


抜粋:


  日本公演でニーナが「ジゼル」を踊るのはこれが最後・・・ 
  そう思うと、舞台を目に焼き付けようと必死に観てしまいました。
  皆さんは、どうご覧になりましたか?


3/7の文章にきちんと紹介されておりました
ただただ私のチェック不足

最後の公演だったのですね。でもとても私は満足出来ましたし
その思いを拍手で、いっぱいの拍手で答えたつもりでおります

ありがとうございます、全ての人に感謝です
あと1公演を残しのみですね♪

2010年3月11日木曜日

3/10 ジゼル アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ



本日は、山手線が動いていない・・・・焦った・・・
それでも、今日は新宿から五反田迄通常15分が、なんと40分くらいかかってしまい、お腹も空いていたのですが、そのままゆうぽうとに入りました。5分前、そうだったクロークも無いので、寒かった今日は分厚いコートも着たままで席に着く事となりました。

≪ ジ ゼ ル ≫  全 2 幕  (2時間15分)
2010年3月10日(水) 19:00~21:15  

  音楽 :  アドルフ・アダン
  台本 :  テオフィル・ゴーチエ,
  ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ
  振付 :  ジャン・コラーリ,ジュール・ペロー,
            マリウス・プティパ
  振付改訂:アレクセイ・ファジェーチェフ
  改訂振付補佐:タチヤーナ・ラストルグーエワ
  装置・衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
  照明:  パウル・ヴィダル・サーヴァラング
  指揮:  ダヴィド・ムケリア
  管弦楽: 東京ニューシティ管弦楽団

<出  演>
  ジゼル : ニーナ・アナニアシヴィリ
  アルブレヒト : アンドレイ・ウヴァーロフ
  ベルタ(ジゼルの母) : テオーナ・チャルクヴィアーニ
  アルブレヒトの友人 : ユーリー・ソローキン
  公爵(バチルドの父) : パータ・チヒクヴィシヴィリ
  バチルド(アルブレヒトの婚約者) : マイア・アルパイーゼ
  ハンス(森番) : イラクリ・バフターゼ ダヴィト・アナネリ 
  ジゼルの友人 : アンナ・ムラデーリ,ニーノ・ゴグア
              ニーノ・マティアシヴィリ,エカテリーナ・スルマーワ
              ニーノ・アルブタシヴィリ,エカテリーナ・シャヴリアシヴィリ
  パ・ド・シス : テオーナ・アホバーゼ,ニーノ・マハシヴィリ
              ラーナ・ムゲブリシヴィリ,リーリ・ラバーゼ
              ワシル・アフメテリ,オタール・ヘラシヴィリ
  ミルタ(ウィリの女王) : ラリ・カンデラキ
  ウィリたち : ニーノ・ゴグア,アンナ・ムラデーリ 

2回目のジゼルでした。観るごとに関心します。いろんな意味で・・・
それは、物足りない脇役陣。パ・ド・シスはやはり今日も楽しく無い。美しい筈の2幕は所々破たんしかけており残念な気がする。カンデラキはだいぶ疲れてきているし、有ろう筈が無い不安定さ(・・の中でもジャンプの高さは一品)。とってもネガティブな話を先にしました。もちろん逆の話をしたい為ですし、先日も書いた通りに、『いっぱいの幸福感』は、今日もわたしの気持ちの受け皿が許す限りで、受け取る事ができたと自負します。稀有なバレリーナで有る事は、あの会場の温かさを観れば一目瞭然でしょう。私の前では、若い女性数人が手を振り歓声を上げておりましたし、それに気付いたニーナは投げキッスで答えている。女性、男性が放つブラーヴォの声は鳴りやむ事が無く、ウヴァーロフは愛しげにニーナの手を握り、尊敬の念を示し、何度もニーナに寄り添っていました。温かい。本当に嬉しい。

さて本題ですが、
楽曲も前回聞いていて慣れてきている様です。オケのテンポは、マエストロ、ダヴィド・ムケリアは気持ち良い。出だしの間の取り方は、とても素敵な感じがしますし、一揆に弦が鳴り止まり、間が空く。良い感じ・・一瞬今日のオケはとっても素敵に感じたのも確か。・・がフルートがダメだった。ここは致命的。なんで外すかな・・・。あと時々チューバと思われるが、低音でとてつもない音を出していたのが残念であり少し悲しい。また外れました。
今日の席は、上手側・・そうジゼルは今まで下手側でしか観た事無かった為に、少し楽しみにしておりました。ミルタ側からの視界は初めてでしたし、どんな表情でアルブレヒトを庇っているのか? 花占いの時のアルブレヒトに向ける表情、ハンスから逃げるときの顔・・等など。とっても良く見えました。そもそもジゼルは遠目から2幕の白のバレエを美しさを楽しむ事が多いのですが、ジゼルファーストコンタクトが、ルジマトフ・シェスタコワのインパクトにやられた為、それ以来近くで観る演目になっているのも確か。ましてニーナ&ウヴァーロフだけに今回のそうだったし、当たっていた。
1幕、心臓が苦しくなったジゼルはアルブレヒトが心配する中、平静を装う。ウヴァーロフの優しさに満ちた指先が、ジゼルを抱く。ここやっぱり素敵でした。どうしようも無いのですが胸がきゅんとくる。
しばらくして、母が登場し「ジゼルは何処?」って言う時にアルブレヒトの大きな体に隠れている、少女みたいな顔、演技。愛らしいニーナはいたずらっ子の様に母の心配に「私、恋をしての・・」って答えている様。でも母は気遣いからウィリ伝説とジゼルの体の事をいたずらに誇張してしまう。この母、少し大げさですが母心からですね♪ 説明に一生懸命になる母は周りが目に入らずに居るが、ジゼルは「私は大丈夫よ」って、ここで母は正気に戻されて、「そうね」って変な納得をしてしまいます。大きなウヴァーロフに隠れる、いたずらなニーナの顔は忘れる事が出来ません。
角笛を鳴らしたハンスは、アルブレヒトに一矢報いる手はず。ヌレエフパトリス・バール版では、ハンスとアルブレヒトが無言の対峙をし、意味をジゼルは瞬間的に察します。・・がこの版では、笑いで一応誤魔化して見せるアルブレヒト。恋人である筈が、ジゼルにとって雲の上の存在・バチルドの婚約者で有る事を確信する。一気に絡み合う運命とジゼルの気持ち。アルブレヒトが手にキスしようとした瞬間(・・そう、今日はあの対角線上の席でした)ジゼルはただただ、気力だけで2人の繋がれた手と手の間に割り込み、「わたしのアルブレヒト」で有る事を・・・・確認する部分を、改めて正面から拝見したのです。「感動的」以外に言葉が見つかる筈もありません。(今日は観点が違う)壊れゆくジゼルを見たハンスの苦悩。ここに注目した日は初めてでした。これだけハンスの後悔を観た事が有りませんでした。ここからは今日のポイントですが、ウヴァーロフのすさましいばかりの勢い。初めて観ました。怒っている。気が狂わんばかりに。憤怒の形相はジゼルを失った愛ゆえなのか?それともハンスと自身へ向けたものか? 上手く書き言葉では表現は出来ないのですが、双方で納得しております。凄かったです。あんなにノーブルを体現したダンサーであるウヴァーロフが、あの形相。
1幕は長い幕でした。

2幕の始まりです。
ミルタ・カンデラキの様子がおかしい。疲れなのでしょうか? 跳躍力はやはり素晴らしいのですが、観た事が無い程の不安定さ。ハードな移動と舞台でしょう。日本の公演が劇団にとって大きな収入になると嬉しいのですが、JAさんももう少しゆっくり体調調整出来る様にしてほしい・・なんてファンは勝手に思ってしまいます。もちろん、男性・女性問わず、とくにニーナとウヴァーロフも心配ですが、屈指の美しさを持ったジゼル2幕は完璧にこなしておられました。
ミルタが対角線上に並んだウィリ達の先頭での表情。ハンスが必死になって許しを乞う姿。とっても感情が出ていてイラクリ・バフターゼが好きになりました。
2幕アダージョでは、転調して長調になる部分。ジゼルが、空気より軽く飛び跳ねている姿が残ります。ニーナは確かに少し抑えている様ですが、あの部分だけは素晴らしいし、軽い。もう『空気感』って言える。ニーナが書いている通り、2幕ウィリになったジゼルは未だ間の存在。人間の様に有機的でもなく、良く有りがちな無機的でも無い。 当たりです。
一番好きな場面が続きます。
2幕は短い幕でした。

最後アルブレヒトは、長い長い・・ここはエピローグとしても成り立っている様に感じますが・・感謝の念をジゼルとウィリ、ミルタへ迄も、送っている様にさえ感じます。多分、この後アルブレヒトの幸せを、ジゼルは祈ったのでしょう・・・っていう事まで考えさせる演目でした。ジゼルの公演は終わりました。また観てみたいし、来日でこの演目を持って来てくれるのであれば、ニーナ&ウヴァーロフでは無く、グルジアバレエで見せて下さい・・とも感じます。欲張りな私はニーナ&ウヴァーロフでも観たい気持ちも入り混じりますが・・・。

今日も長い長いカーテンコールでした。
やっぱり最後までスタンディングで会場は溢れています。
わたしの様なと言うと、歴史を持った人も多いと思うので失礼と考えますが、熱心に応援するファンに支えられているニーナとしっかりと舞台を紡ぐウヴァーロフに送られていた感謝は、わたしも同じと思います。

ああ今日が終わり、最後の1回は14日です
まだ途中ですが、JAさんにはいつもながら感謝、でもオケなんとかしてほしい♪

2010年3月6日土曜日

3/5 ロミオとジュリエット アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ




本日は、仕事が休みなのでゆっくりとバレエに行ける日。って思っておりましたが、昨日からの寝不足がたたり、また昨日眠れなくて午後まで眠ってしまい、ギリギリ間に合ったって感じです。CDでも買ってから、また本でも見ながらって思っておりましたが、残念。 でも今日は東京20℃ って本当に温かいし、すっかり季節が変わりましたね♪ 春かも。 少し寒い日と交互で体調を崩さない様に元気に頑張ります。



≪ロミオとジュリエット≫  全 3 幕  
2010年3月5日(金) 18:30~21:30  



音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
台本 : レオニード・ラヴロフスキー,
セルゲイ・プロコフィエフ,セルゲイ・ラドロフ
振付 : レオニード・ラヴロフスキー
振付改訂 : ミハイル・ラヴロフスキー
振付改訂補佐 : ドミートリー・コルネーエフ,イリーナ・イワノワ
アレクセイ・ファジェーチェフ
装置 : ダヴィッド・モナヴァルディサシヴィリ
衣裳 : ヴャチェスラフ・オークネフ
衣裳デザイン補佐 : ナティヤ・シルビラーゼ
照明 : ジョン・B・リード
照明デザイン補佐 : アミラン・アナネッリ
舞台監督 : ニアラ・ゴジアシヴィリ
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団



<出  演>  


ジュリエット: ニーナ・アナニアシヴィリ
ロミオ:アンドレイ・ウヴァーロフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):イラクリ・バフターゼ
マキューシオ(ロミオの友人)  :岩田守弘
ヴェローナの太守:パータ・チヒクヴィシヴィリ
キャピュレット卿(ジュリエットの父):ユーリー・ソローキン
キャピュレット卿夫人:ニーノ・オチアウーリ
ジュリエットの乳母:タチヤーナ・バフターゼ
パリス(ジュリエットの婚約者) :ワシル・アフメテリ
パリスの小姓:テオーナ・ベドシヴィリ
ローレンス神父:パータ・チヒクヴィシヴィリ
ジュリエットの友人:ラリ・カンデラキ
吟遊詩人/道化:ヤサウイ・メルガリーエフ
モンタギュー卿(ロミオの父):マヌシャール・シハルリーゼ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人) :ゲオルギー・ムシヴェニエラーゼ
居酒屋の主人:ニカ・ジャイアニ



『ロミオとジュリエット』は私にとって特別な演目です
またジュリエット・ダンサーは私にとって女神と同意語



今日もその女神を探しに上野に出かけました。・・って、少し大げさな表現ですが偽らざる気持ちですし、こう書きたい程好きなのです。プロコフィエフの壮大な楽曲の上でダンサーの力量が試されます。友情、仇、決闘、歓喜、饗遊、愛、試練、絶望、一縷の望み、悲嘆、無・・。 どの語彙を組み合わせても足りない演目だと考えます。今回のラヴロフスキー版は、レオニード・ラヴロフスキーの長い振り付けを、息子?のミハイルが改訂し、たぶんですが、アレクセイ・ファジェーチェフ他補佐がグルジア・バレエ団用に少しいじっている感じがします。ファジェーチェフはドン・キホーテなどの改訂も、団に合った短縮版を手掛けておりますが、実はあまりにカットしすぎる傾向が、少し物足りなさを感じる部分があります。これを余韻と考えるか、ダメダメと考えるかは個人の感覚の問題なのかもしれません。ところで今回、ファジェーチェフがキャピュレット卿に扮している錯覚に陥りました。舞台で今まで見た事がないのですが、写真でよく見ておりました関係で、そう感じてしまいましたが、やっぱり錯覚!



結果から言うと、奇跡的な昨日の『ジゼル』と、超奇跡的な本日の『ロミオとジュリエット』でした。



ジュリエット・ロミオ・マキューシオ、ティボルト(偉そうな役作りも負けてないし)、パリス(上品だし)のキャラクターがはっきりと判る。(初めての版だったけどはまりました) それぞれのシーンで、ダンサーたちは素晴らしいパフォーマンス。感情表現が観客に移入され、直球で表現したい気持ちで会場を包みました。マキューシオの岩田さん、今日は少しだけだけど、浮いている感はあったものの、技術、演技の真髄は、以前見た通り、上品な中にもコケティッシュな表情(これがまた豊か)、役作りへのエッセンスがいっぱい。回を重ねれば大丈夫なのでしょうね♪ この3人でのとてもゴージャスな『ロミオとジュリエット』は、後にももう実現出来ない程の舞台なのかもしれません。完成度・・と意味ではもちろん無く・・はグルジア・バレエはソロイストの絶対的な数の不足、コールの力量、(個人的には衣装のセンス)、予算(ここは大事)・・など課題は抱えている筈。 でもニーナとウヴァーロフが、この3時間を完全に掌握し、魅せつけた結果でした。(でもロミオが出ていない、ジュリエットが出ていない時も素晴らしい舞台である事を付加しておきます。一丸となっていた事は確か!) もちろん、結果に対してジゼル以上の、カーテンコールと、拍手、ブラボー、スタンディングオベーション、会場は、ニーナの気持ちに応え、ウヴァーロフの演技の満足し、惜しみない感謝で包まれ終了しました。



疲れた・・疲労感はピークに達して、このBLOGも2回目の翌日更新となりました。(途中まで昨日書いたのですが、ダウン) 本当に満足してて、でまちできる状態でも無く、十分な睡眠をとりました。
でもダヴィド・ムケリアさんはとてもきつかったと思います。東京ニューシティ管弦楽団は最近あまりはずれがなかったと思うのですが、今日は大切な処(いっぱいあるから、逆に浮き彫りって事かもしれませんが)でやってしまっていた感がありました。



本題ですが、
いつもオケの始まりとともに、高揚します
ロミオが広場の立派な彫像前でぼんやり。彫像もでかいがウヴァーロフもでかい。しばらく間延びがあり、町の風景が展開される。モンタギューグループは一段、通りから下がった広場で楽しんでいる。そこへ、抗争相手のキャピュレットグループ。諍いがはじまる。凄い迫力。必要以上に狭い舞台をセッティングして、その中での剣を使った抗争。 実際刺すシーンも演じ切れている。そこへキャピュレット卿、モンタギュー卿がでかい剣を持って登場し、備えている模様。パリスも登場してしまった。 ヴェローナの太守登場。(ここのシーンが良く理解出来ない場合あり。ストーリは先読みしておかないと迷います) 太守護衛の公示は『ヴェローナの大通りでは剣の使用禁止』を提示しているだけ。一応太守の登場もあって、休止しているものの、公示を読むだけ読み、諍いがまた始まる。ここは死体を片づける事も無く、スポットがあてられません。マクミランはこの互いの執念に、あの音を割り当てましたし、インパクトは両家の確執の深さを象徴する事となっていた。舞台は一度幕を下ろし、キャピュレット家の中、支柱いっぱいの豪邸。そこでは女性たちのドレスの準備と品定め。あともてもてのティボルト。舞踏会の準備は下人たちによって進められ、乳母は必要以上に仕切っている。って乳母の位置づけがいまいち理解不能。



2場の始まり。
ジュリエットは舞踏会で着るドレスに着替えないで無邪気に遊んでいます(やっぱりここでも)。 ジュリエットでした、ニーナは。



ジゼルの登場でも感じた若さ、無邪気さはやっぱり思っていた通り。既にわたしの体は緊張感でいっぱい。期待が膨らむ。
またまた暗転、「通りから下がった広場」の光の色を変えてキャピュレット家の内部。騎士達はあの荘厳なテーマの始まり。振り付けは素敵でした。最初騎士たちが手に持つクッションの意味が判りませんでした。「なに?」 進むうちに女性がひざまずきます。その前に騎士はさっ・・とクッションを差し出す。そうか・・って振付。
既に入っているはずのロミオ一行がいない。迷子? その間に騎士たちの踊りが終わり、パリスとジュリエットは決められた進行表通りに、一応お披露目している。やっと登場した一行。いきなり見つめてはしゃぎだしてしまうロミオ。「あの女性は?」 って言葉が聞こえます。
少しだけ我慢して、周りを伺った後、ロミオは待ち切れずにジュリエットのもとへ、宴もたけなわになり、誰が何処に居ることも不明。そんな中、ロミオとジュリエットの出会いのパ・ド・ドゥが始まる。舞台は2人の為に中央天井付近から下ろされた小さな半円型の幕が2人のバックとなり、世界観を表現。わきから見える宴は今も進行中。ほんの挨拶代り・・であるはずが。 そこへ酔っぱらったティボルトが見つけ不審者と言うべき見知らぬ客人へ・・・そうジュリエットはパリスへ嫁ぐ身なのだから、って感じ。 ジュリエットは夢中。パリスは完全に視線から外されてしまった。
ニーナとウヴァーロフの創り上げる世界観はここで既に予測を超えた。ウヴァーロフがジュリエットを見る目は切なすぎる(表現が違いますがそう見えた)。ティボルトが現れてから、そうそうに逃げ帰る侵入者の3人。話題に上がっていた不審者について・・・ティボルトから直接聞いて驚いた乳母がジュリエットに真相を話す・・ショック!。 聞いてしまったジュリエットの理性と感情が互いに喧嘩し、理解を拒絶して入り混じる場面は、忘れられません。深い。 ブラーヴォ♪ 
宴は掃け、帰宅する人にもジョークを飛ばす事無く、「バルコニー」の楽曲が鳴りだす。「バルコニーの無いシーン」が始まる。これはヌレエフ版でもそうだった階段が世界を分けているセット。心に残った振付は、ロミオが後向きでジュリエットの膝を持ち高くリフトする振付。会場全体を見渡せ、高い位置から演技するニーナは凄かった。 1幕の終了です。 今日はもう少し今日は寒い方が良かったかもしれません。体の熱が冷めません。



2幕の始まりです
喧騒、喧嘩、ところが以外と静かな始まり。ジュリエットからの求婚の手紙をさらっと受け取ったロミオは、神父の許へ・・・。リアル現世の象徴・ユリの花、儚さの象徴・頭蓋骨しか無い神父のもとへ懇願するロミオが可愛い。もう2人を止められないし、思いも合致した神父は2人を祝う。 式の場面では長い長いアラベスクをキープしたニーナに拍手がまき起こった。わたしは、頭の中だけに抑えました。見事。
広場では既に喧嘩が始まっており、剣が持ち出されている。
ジュリエットとの結婚を機に、許しとも言うべき「理性」も持ち帰ったロミオは、堅い決意で、敵であった筈のティボルトへの愛を示し、また諍いをなくす決意を表現する。ここは男性にとってのポイント。ウヴァーロフは見事に演じている。上手い。引くところはジュリエットとの愛の為に折れ、仲間には強い威厳で仲裁する。この後の事を鑑みると心が痛む。
ロミオが調子ずくマキューシオを止めた瞬間、ティボルトはマキューシオに剣を突き刺す。岩田さんが光る。この後の長い長い苦悩と死に向かう体現。
ここ大事な部分ですが、死が友人たちを分かつ瞬間、ウヴァーロフの演技とロミオの解釈。
このロミオは自身の決意を引きずっている様に感じました。死によって感情が決意の線を越えた瞬間が無い様に感じました。なぜだろう? たくさんの人間が復讐の流れを作り上げ、まるでロミオは意思とは関係無しに操られている様にすら感じます。なにか大きい力がロミオを突き動かし、理性とは無縁な部分とも思えた(彼の顔つきからすると違うのかもしれません・・・)
結局は運命に翻弄さた様に見えるが、両家を結び付けるだけの強い星を持ったロミオだけに、本人にとって底知れぬ試練が襲いかかってくる台本が見事としか言いようが無い。
キャピュレット卿夫人は狂乱状態。ティボルトが担架で運ばれる中、キャピュレット夫人も一緒にのってしまった。 意表を突いた
やはりロミオとジュリエットは胸が詰まります。



終幕の始まりです(終幕は1場~5場、エピローグで組み立てられております)
寝室のパ・ド・ドゥ。実はあまりの衝撃の為かあまり覚えておりません(もう一度観ますので今度は書きます)。わたし、涙が流れていた事は確かです。ロミオは下手のバルコニーから抜け出し、マントヴァへ旅立ちました。何度も何度も出て行った先を見ているジュリエット。承諾する意思確認の為にキャピュレット夫妻、パリスがジュリエットの部屋を訪れますが、着替えもしないジュリエット、はっきり返事しない娘へのいら立ちがリアル。理由も判らず命令だけを告げる父。
ジュリエットの苦悩が会場の感情を包んでいるよう。
マクミランでは静。ラヴロフスキ版では動。苦悩するジュリエットが見事でした。
意思を決めるべく思いついたジュリエットは、神父の庵へ向かいます。大きいショールを掛けただけで家を飛び出すこの思いは、皆無と思っていたジュリエットに一縷の救い与えられた喜びにすら見えました。
2場、神父の庵に着いたジュリエットは、打ち明ける為に時間を要します。告白出来ないでいるジュリエットに苦しささえ覚えます。ついに神父に告白したジュリエットが授けられる事。恐ろしくもあり希望とも取れる神父の案に勇気を出す、男前さ。
3場、結婚の承諾をジュリエットは両親にします。早速パリスが呼ばれて嬉しそうにジュリエットと踊りますが、そこに居るジュリエットは人間の姿をしているものの、「こころ」はありません。試練、絶望全てを一縷の望みに懸けている決意は、唯一「いま心をなくす事」、あるのは全てロミオの為。
「すべて無い」を見事な迄に、ニーナが演じ切ります。
セクハラパリス(ここもパリス役が見事)はエスカレートし、一瞬我に返ったジュリエットは完璧拒絶。
紳士であるパリスも、気づきここは引き、明日に備えるようでした (彼、ほんとは紳士とは程多い演出です)
4場、散々葛藤したジュリエットが神父からの薬を、迷う事無く飲み干します。どれと比べても大げさでは無いすごくシンプルな最低限の演技。でも凄い。 翌日朝友人たち、乳母がジュリエットの部屋を訪れ、起きないジュリエットに怪訝な乳母。両親もパリス迄も部屋に入って来てジュリエットを待ちます。ここはパリスが入ってくるべき部屋じゃ無いよ・・って言ってほしい!。 乳母が死を知らせます。瞬間的に舞台が暗転。
マントヴァではロミオがジュリエットに会えない苦しみが見事に表現されている。 もうここは私的にウヴァーロフの今日一番の凄さを感じたところ。苦しみが胸を覆ってしまいました。もうここだけでも十分ですが、ジュリエットの死の知らせがくる。ロミオは凄い形相になって走る。
暗転のあと5場は、葬儀が行われています。舞台中央に見た事の無い位に大きな石棺が設置されており、ジュリエットが運ばれています。町中が泣いている。赤い服も、ターコイズブルーの服も、黄色も・・みんな。
葬儀が終わりみんな帰ってしまいました。そうパリスも残っておりません。葬儀後に到着したロミオはジュリエットが安置された大きな石の台の上に駆け上がり死のパ・ド・ドゥが始まります。既に硬直したジュリエットのからだは、見慣れているロミオの意思通りには動かずに悲嘆だけが舞台を包みこみ、あっさり終わり、迫真の演技の中でロミオは毒薬の瓶を取り出し一気にジュリエットの許へ・・・。
ジュリエットが回復してしまいます。(上過ぎて見えないよ!)
ロミオの死を瞬間的に気づいたジュリエットの絶望、表情からは、あ~一縷の望みさえ消えていた。
抱き寄せ、絶望と狂乱の姿を垣間見せた。
ロミオが飲んだ筈の瓶を見つけ飲み込むが、これでもかと言う位の苦しさ。
短剣で一気にジュリエットは果てる
石棺の大きな階段をで2人は果てていたのですが、痛く無かったでしょうか?
怪我しないでね
エピローグが付いている。
モンタギュー卿とキャピュレット卿は、ロミオとジュリエットの持っていた運命を実行した。

文化会館は終了ですね

お疲れ様です
あと、ゆうぽうとの3/10にジゼル、3/14・ロミオとジュリエットが残っております
JAさんのサイトもUP楽しみです
ですが、昨日も書きましたが、最後、音楽が終わらないのに、早く幕引かないで・・・ 観客は拍手するタイミングを完全に外してしまった。
多分10列以降では聞き取れなかったと思いますが、余韻が無かったのは勿体ないです

我ながら、言葉にすると陳腐になる様です
語彙が適切で無い部分は劇場で感じた事を自身の引き出しから選んで見ているのですが、上手くいかないし不満
でもわたしの気持ちは書きました
とにかく『ジュリエット・ダンサーは私にとって女神』は2人目エントリー完了でした。
って言いつつ現役は1人ですが・・

2010年3月5日金曜日

3/5 ボリショイ&マリインスキー・バレエ合同公演

2007年の興奮再び!ボリショイ&マリインスキー・バレエ合同公演!
と銘打って、JAさんのサイトにアップされた様です。


≪予定キャスト≫
【ボリショイ・バレエ】
芸術監督:ユーリー・ブルラーカ
スヴェトラーナ・ザハーロワ
マリーヤ・アレクサンドロワ (JAさん。サイトはアリーヤになっているよ!)
ナターリヤ・オーシポワ
アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
ミハイル・ロブーヒン
アレクサンドル・ヴォロチコフ
イワン・ワシーリエフ
アルチョム・オフチャレンコ


【マリインスキー・バレエ】
芸術監督:ユーリー・ファテーエフ
ウリヤーナ・ロパートキナ
ディアナ・ヴィシニョーワ
ヴィクトリア・テリョーシキナ
アリーナ・ソーモワ
アンドリアン・ファジェーエフ
レオニード・サラファーノフ
ウラジーミル・シクリャローフ
イーゴリ・コールプ

昨日、うろ覚えの書きかたをしていました。まことに失礼いたしました
JAさんのサイト(上のリンク)で確認できますよ

双方、稚拙なわたしは芸術監督を全然知りません
たぶん名のある方なのでしょうか、まずは演目楽しみにする事としましょう!

2010年3月4日木曜日

3/3 ジゼル アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ




本日は、たぶん今年一番楽しみにしていたニーナの舞台でした。文化会館とゆうぽうとで、それも土日主体の全5回の公演。間が空いて寂しさもありますが、まずは今後の事も鑑み理解しようと思いました。公演が行われれば私は満足ですし、なにせニーナ&ウヴァーロフの最高のコンビです。ファジェーチェフ版のジゼルは初見ですが、私にとって良い舞台になるのは事実 ・・ だと思い上野へ・・・・

JAからの抜粋:

≪ジ ゼ ル≫  全 2 幕  (2時間15分)

2010年3月3日(水) 19:00~21:15  
2010年3月10日(水) 19:00~21:15  

音楽 :  アドルフ・アダン
台本 :  テオフィル・ゴーチエ,
ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ
振付 :  ジャン・コラーリ,ジュール・ペロー,
        マリウス・プティパ
振付改訂:アレクセイ・ファジェーチェフ
改訂振付補佐:タチヤーナ・ラストルグーエワ
装置・衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
照明:  パウル・ヴィダル・サーヴァラング
指揮:  ダヴィド・ムケリア
管弦楽: 東京ニューシティ管弦楽団

<出  演>
ジゼル : ニーナ・アナニアシヴィリ
アルブレヒト : アンドレイ・ウヴァーロフ
ベルタ(ジゼルの母) : テオーナ・チャルクヴィアーニ
アルブレヒトの友人 : ユーリー・ソローキン
公爵(バチルドの父) : パータ・チヒクヴィシヴィリ
バチルド(アルブレヒトの婚約者) : マイア・アルパイーゼ
ハンス(森番) : イラクリ・バフターゼ
ジゼルの友人 : アンナ・ムラデーリ,ニーノ・ゴグア
            ニーノ・マティアシヴィリ,エカテリーナ・スルマーワ
            ニーノ・アルブタシヴィリ,エカテリーナ・シャヴリアシヴィリ
パ・ド・シス : テオーナ・アホバーゼ,ニーノ・マハシヴィリ
            ラーナ・ムゲブリシヴィリ,リーリ・ラバーゼ
            ワシル・アフメテリ,オタール・ヘラシヴィリ
ミルタ(ウィリの女王) : ラリ・カンデラキ
ウィリたち : ニーノ・ゴグア,アンナ・ムラデーリ 
(2幕目から誰かが変わったようです。アナウンスが有ったのですが聞き取れませんでした)

待ちにまって、ついに始まりました。こんなに幸せを頂けた『ジゼル』初めて。また2時間15分+長い長いカーテンコールとニーナ&ウヴァーロフの幸せそうな顔。またまた全然合わないJAさんとの幕引きタイミング。 花束を持ち、閉まり行くカーテンへ向けて歩く、残念そうな(忘れられない)顔のニーナ。レヴェランスが慣れてないダンサー?って感じって言うより、ニーナに気を使う団員。それを気遣いで返す主役。 でも思わずスタンディングオベーションとブラボーコール。上野から電車に乗ってもうるうる来てる程、またにやにやが思い出される・・これが今日の感想でした。 ほんとうに本当に幸せ♪

ファジェーチェフ版は、楽曲の構成もかなり違っていました。きちんと説明は出来ないのですが・・・ ごめんなさい。ダヴィド・ムケリアさんは、グルジア、バトゥーミ歌劇場の芸術監督と主席指揮者なのだそうです。 緩急自在に鳴らすタクは、トパ・ド・シスで初めてゆっくりした間を取った音が鳴りました。”そう言う事?”って感じながら、パ・ド・シスを観ていたのですが、少し無理があった。 でも次のタイミングは、アルブレヒト&ジゼルのパ・ド・ドゥで・・もうぴったり。こんな遅いテンポで、2人の気持ちが音の間と重なり合い、気持ち良い。 ヴァリエーションでも緩急のテンポは見事。音楽的な感受性を持ったダンサーにとっては、面白味のあるマエストロでしょう。

1幕村の風景で、ジビエの差し入れをベルタに渡すハンス。おお~いきなりの具体性。「ジゼルは居る?」、応対した母は居留守で断ってしまった。イラクリ・バフターゼは端正な顔だち。舞台が狭い。 アルブレヒトの登場です。友人は気にしています・・もちろんその姿をこれからの行動。剣とマントを隠すのは友人の役目。ジゼルの家の横の空き家に隠すのが常と私は思っておりましたが、なんと・・人が住んでいたし、出てきてしまった。女性だ。 住人は「そんな・・そんな危険物は預かれないわ」、考えるアルブレヒトは「そうだ、お金で解決!」って事で、友人が住人にお金を渡して完了。少しゴージャスなアルブレヒトが、家のドアをノックした。とても若々しい、愛らしいニーナの登場。元気、陽気、ポジティブな言葉が全て当てはまるニーナのジゼル。 恋をしてしまう予感も少ししつつ、セーブする”こころ”を見事に演じている。 パンフレットに『ニーナはシャンデリア』(内容は全然違います。人間性について書かれております)と言う記事が出ていましたが、それはあたり♪  
ハンスへの嫌悪感とアルブレヒトへの恋心。花占いの結果にでも気にならないくらい幸せ感。 もう止まらない・・気持ちがだんだん増していく。 オケは今日は本当に及第点?。今日はとくにオーボエ(だけは)が素敵な音を出していました。村娘たちとダンスにふけるジゼル。胸が苦しくなる。その様子を細やかな視線でみてたアルブレヒトは、ジゼルへ問いかける、またもうこれ以上無いくらいに優しく抱きよせる。 なんと優しさに満ちた腕。抱きかた。大好きなニーナに向ける楽しそうな笑顔のウヴァーロフ。ほんとうにこのペアは前回のグルジアでも見た通り、良いです。大好きです。ウヴァーロフは一番楽しそうに、またまごころを以って対するのは彼女が一番なのかって、少なくともわたしはそう感じます(ってそんなに観ているわけでもありませんが・・すみません!)

貴族の一行様に休憩場所を探し近づく。ハンスは気づきアルブレヒトが隠した剣を、家宅侵入して見つけ出し裏に隠しました(少しやばいです)。バチルドと父・侯爵は、家の前庭でワインを振舞われしばしの休憩、家来達にも休憩を・・。でもバチルドを選択しないアルブレヒトはなんか分るような・・・。 ネックレスを貰いダンスを披露する筈では?? って思ってたらさっさと家の中へ入っていくバチルドと父。村娘たちと楽しげに湧き立ちそうな瞬間・・様子を伺っていたハンスが、ジゼルとアルブレヒトの間に、間髪切れずに割って入る。うやうやしくも・・一礼。貴族に対するわざとらしい慇懃な態度に、怪訝な表情を浮かべるジゼルへハンスは、「こいつは・・」って声が聞こえる位に激白してしまった。「これでジゼルも、あいつを諦めるはず」と言いたげなハンスに、ジゼルは全く信じないし、アルブレヒトも一応とぼけるから、激情してしまったハンス。(ここの物語はみんな上手かった)。 合図で貴族達が集まってくる、状況的に追い込まれた。開き直っても素敵に見えるアルブレヒトはバチルドに「ご機嫌いかが?」って話している様子。斜め後ろのジゼルは既に壊れかけ。先ほどのハンスの激白は言葉で否定しても、心では理解している。納得は出来ないが事実として現実を受け入れ始めた瞬間だった為に、この様子がトリガーとなってしまった。ジゼルが変わる。顔が変わる。 あっちを見たり、上を見たり、目線が決まらない。ほんとうに判らないときって「こうなる」って説得力。 さっき迄の愛らしさは無くなり、空を見つめ、信じかけたアルブレヒトにすがり、「私を愛している」と無理にこころを再構成している。できる筈も無く、無理を重ね壊れ、顔つきが変わり、アルブレヒトもハンス迄もスパイラルにはまってしまう。 「あ~こんな筈では・・」って思いもハンスの心が見えてしまう。取りとめも無くジゼルが変わっていく姿をアルブレヒトは見つめ、またハンスも青ざめ、物証となった剣を振り回すジゼルを止める為にハンスは、素手で(腕ではなく)剣を取り上げてしまう。(凄い)もうここまでで私はうるうるでした。死に逝くジゼルがアルブレヒトへの愛を確かめる為に命をかけ失った。

2幕の始まりです。聞きなれない楽曲順。
ミルタのラリ・カンデラキはやっぱり上手いと思いました。わたしは好きなタイプです。怖げな顔も似合いますし、キトリも素敵でしたし。でも少しスタミナ不足なのでしょうか・・今回は。 だいぶ息が上がっていたように感じました。ジゼルの2幕は大好きな幕です。本当にって言うか、以前一番素敵なアダージョだと書きました。そうです、「ジゼルがウィリとなる」部分からが好きなのですが、2幕全体が最近では好きです。 ニーナの身体能力は見た目、衰えを知らない様です。 ジゼルがウィリとなり、ソロが始まります。アラベスクのキープ力と美しさ。パ・ド・ドゥではウヴァーロフとのこれぞ相乗効果。 パ・ド・ブレが絶品、パンシェが美しい、もともと彼女のポール・ド・ブラが大好きなわたしは、ひとつひとつの情景がこころに残りました。 少しJAさんの紹介でもあった機械。(電気の線を合わせて人魂を作る装置、らしいです。) おもしろい効果。 また空を飛ぶウィリ。 少し間のあいてしまった舞台。
 パ・ド・ドゥそれに続くヴァリエーション、ウヴァーロフは倒れこみながらも、拍手に上体だけを起こして答えていましたし、気持ちが嬉しい。 サポートで空を駆けるジゼル。でもジゼルヴァリエーションの時のフォーメーションが悪いのか、舞台が狭いのか?、少し詰まる場面が多い様に感じてしまう。せっかくの舞台なのに・・・♪
鐘の音が響き、朝を知らせます。光だけじゃ無く、音でも。 ジゼルは別れを告げ、またアルブレヒトに花をささげに再び現れ、彼もまた幸せに光とともに包まれ、貰った花を抱えて愛しい人を思います。悲しみでだけで終わらないファジェーチェフ版が少しすきになります。 ほんとうにこれで良かったと思える、またいろいろある『ジゼル』でした。

最初に書いた通りに、こんな幸せな『ジゼル』って良いですね。それとやっぱり書くべきはニーナの人間性なのでしょう。ウヴァーロフの顔は愛でいっぱいですし、感情移入・迫力は何処で見る彼の舞台より素敵でした。団員全員はニーナの舞台である事を知り、彼女に対しての気遣いと、彼女の気遣い。メンバーへ花束から一輪渡している。ウヴァーロフはニーナに花束を捧げます。みんな彼女に戻っていく。 ここには幸福のスパイラルが有る感じがします。確かにコール・ドは上手いとは言い難いし、ソロのヴァリエーションのそう・・なのですが、拍手が鳴りやまないし、スタンディングオベーションは多い。(私もその1人) あっさり終わってしまう舞台も多い中、ニーナは特別。
そういえば、アンケート用紙、今日も書きませんでしたが、こんな項目が・・・
「今後、ニーナ・アナニアシヴィリに踊って欲しい演目は?」 ってこれって普通ではないですよね♪
愛されているバレリーナの証拠♪
「続けて頂ける限り、全て観ていたい」が私の答えです。

明後日は、『ロミオとジュリエット』です。

別に、JAさんの次のバレエ記事。 『ボリショイ&マリインスキー合同公演』の出演者の頭出しのちらしが出ていました。覚えている範囲ですが、ボリショイからは、ザハーロワ、マリーヤ・アレクサドロワ、ワシリエフ、ミハイル・ロブーヒンほか、マリインスキーからは、ロパートキナ、ヴィシニョーワ、サラファーノフ、コールプ、ウラジーミル・シクリャローフあたり迄は覚えておりますがほかと書いておきます。なんとも豪華な名前が嬉しいですね。4月に詳細発表と有りましたので楽しみです。