2007年8月10日金曜日

7/15 オーストラリア・バレエ団.1

  


グレアム・マーフィー&ジャネット・ヴァーノン
*場内の販売カタログから抜粋しています。問題があれば直ちに削除いたします*

白鳥の湖オーストラリア・バレエ団   2007年日本公演(全4幕)
振付:     グレアム・マーフィー
音楽:     P.I.チャイコフスキー
指揮:     二コレット・フレイヨン
構成:     グレアム・マーフィー                
         ジャネット・ヴァーノン
         クリスティアン・フレドリクソン
装置・衣装: クリスティアン・フレドリクソン                 
M.C.エッシャー作「波形表面」         

【キャスト】
オデット:         カースティ・マーティンジークフリート
王子:           ダミアン・ウェルチロットバルト
男爵夫人:         オリヴィア・ベル
女王:           シェーン・キャロル
女王の夫:        ロバート・オルプ
第一王女:        ゲイリーン・カンマーフィールド
第一王女の夫:     藤野暢央
公爵:           アダム・スーロウ
公爵の若い婚約者:   カミラ・ヴァーゴティス
伯爵:           ティモシー・ハーバー
伯爵の侍従:       マシュー・ドネリー
提督:           コリン・ピアズレー
侯爵:           マーク・ケイ
男爵夫人の夫:     フランク・レオ
宮廷医:         ベン・デイヴィス

【改訂記】
2002年に迎えるオーストラリア・バレエ団40周年記念の為改訂される。 グレアム・マーフィー版は2002/09/12にメルボルン、ビクトリア・アート・センター州立劇場で結実した(抜粋)

【感想】
先日の記載通り「こんな白鳥もあり」なんて事は無かった。理解が遅い私にとってファーストインプレッションは「分からない」が正直な気持ち。もし今後観る機会があれば多分好きになりそうな予感はしていますね。あとコール・ドのレベルは好きです。
いつもの感覚でプロローグ・オーボエ、目を閉じ様とした瞬間、カーテンラインが揚がっていく。「誰?」美しい演出が音楽に乗って進みます。カーテンのレール音は別として、あの演出は文句無く好きです。特にカーテンが無機質なチャコールグレーが好き。ロットバルト男爵夫人の全ての布石。前を観て踊りだした瞬間、素敵な舞台に変わりました。第1幕から「しろ(多分純白)」の洪水。クリスティアン・フレドリクソンの衣装のセンスは舞台装置との整合がキチンと取られていて、センターピース・刺繍・スパンコール等が無いチュチュって実は私・初めての気がしますが、とっても合理的で現代の改訂版として機能している様に思いました。またあのロットバルト男爵夫人のペチコート・チャルダッシュを踊った赤のペチ・凄く意味深(皇室への情熱の贈り物らしいです)!  
照明はいつも文化会館で感じるものより、ブルー系の入った少し冷たいものを使い効果的に使っています。3人の目的とチャイコフスキーの楽曲が見事でした。(でも慣習的に慣れない自分が情けないかも!)肝心のダンスですが、カースティン・マーティンは全開で強靭な筋力で、パを次々こなしていました。一方オリヴィア・ベルもリフト等幕違いで多くなりますが強靭な筋力と優雅さを併せ持っている違いは大きい。(ファーストキャストのルシンダを観なかったのは心残りです)王子のバリエーションは置いておいて、リフト等サポート感は凄く上手いし、安定していました。2幕中盤から腕への負担が大きくなっているようですが、彼は凄く頑張っていたと思います。あと名前は不明ですが、2人のバリエーション(特に上手側)は凄く上手い方です。
表現としてオリヴィア・ベルは素敵でした♪
あとちょっとびっくりしたのが、チャルダッシュの使い方が1幕の披露宴会場 ← これってありです(結婚のプレゼントとして)。あと花嫁候補前編が、3幕タンゴ系のダンスに合わせているには少し驚き・・終盤は、夜会の招待客としては凄く良かったと記憶しています。
この物語は、実際のダイアナとかじゃなく、身近な又は誰でも経験がある、共感を覚える事を、少しドラスティックに再構成された様に思う。しかし、「ジークフリード」っていうより「この王子は困った性分である」・・特に原因と結果の輪廻的感覚を覚えた。ストーリーは極めて分かり易く、奇をてらう事無く、演出出来ている事は、嬉しく思います。少しですが嫌いな所もあります。あまりにもワザ的なシーンが多く、アクロバティックな様に見えるのは慣れていないせいではなく、私自身優雅なパに憧れ好きだからかもしれません。でもこの版は再度数年後にも見てみたい。課題は男性陣の充実。・・と感じました(ちなみに藤野暢央(ノブオ)さんはあの美しい中でも全然引けをとっていませんよ)

【オーケストラ】
今回のオケ(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団)は、ストリングス系が充実している。パ・ド・ドゥのバイオリンソロは思わず舞台を忘れて、多分数秒目を閉じている自分がいた。(オデットと王子が話している様なバイオリンの2重奏)弦・打は、多分いつもより人数が多いか、グレードが違う気がしました。(よく下手に座りますが、聞こえ方が全然違いました)また間の取り方とか、キチンと舞台を見つめ続けていました。カーテンコールの時気がつきましたが、女性指揮二コレット・フレイヨンは、知的な感じの女性ですね。

【特記】
台風4号 襲来明日の「眠りの森の美女」はまた雨の予定そういえば、来週ニーナの白鳥でバランスを取ります(・・);;あと白鳥たちが着ている「チュチュ」の話題ですが、とっての無機質なものです。ロマンティックをやや短くしフリンジを上手く使った仕様ですね。(黒も白も私の見た目ではパターンは同じにしか見えなかったですが・・)。あとポスターに為っている、オデットの長いトレーンは、多分かなり軽い素材に見えた。

【7/15追記】
解説を読んでいます物語設定は1900年ジュネーブ(フロイトの心理学が台頭し始めた頃)オデットの入院で看護している修道女は、2羽の白鳥(どちらがメインストリームかは想像でしょう!)・・あの象徴的被物が、白鳥の飛翔をイメージする。2幕でオデットが唯一安心する場面が、修道女2人が出て行くところ、象徴的被物をもって、あの後続く(ポスター等の有名な絵)白鳥の世界と繋ぐイメージとしている・・ようです(プレタ・ポルテで見られる様な形状で、1900年代の設定にして整合が取れるかは不明?)あと1幕からスローシーンが2つほどありますね。情景・心情のクローズアップですが、私の経験では「ヌレエフ版・ロミオとジュリエット」しか知りません。あのジュリエットが両親からパリスとの婚約を強制され、パ・ド・カトルの途中の場面。このマーフィー版では、舞台全員が驚くほどの正確さで展開されます(日傘を開いてる所を観てしまっていました)。全編に渡り効果的です。

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